B 中小企業の負担増加
鉄鋼業の例で説明すると鉄鋼業が鋼材に価格転嫁した場合、鋼材を使用する自動車・家電産業に大きな負担が発生します。ただ、これらの産業における親企業は下請け企業が作った部品を組み立てるだけであり、鋼材を買うのは下請けの中小企業です。よって負担を受けるのは下請けである中小企業となります。さらに現状分析で述べた通り親企業と下請け企業の間には「下請けいじめ」という現象があり、下請け企業は親企業に対し価格転嫁は不可能です。現在下請け企業の業績は悪化しています。規模も小さく、経営状態の悪い中小企業に吸収できる負担の量は少ないのです。よって中小企業にとって価格転嫁の影響は、たとえ少しの負担であっても大きいものとなってしまいます。