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「のと」本編

52名無しさん:2006/11/21(火) 23:04:41
「ええ、その問題もありますが、機銃等の生産では、それよりも工廠の問題が大きいですね。」
皆が怪訝そうな顔を八木に向けた。
「結局、日露戦以降、誰も近代化を推進していないんですよ。」
八木が腹をくくったように答えた。
陸軍工廠、海軍工廠伴、製造設備の近代化が追いついてないと言う問題があった。
陸軍では、予算上の制約から、工作機器の購入は、安い機器の購入のみに、官僚の目が行き、生産量や、精度の問題は二の次の扱いを受けていた。海軍では予算的には陸軍よりも潤沢であったが、ここでは逆に、精度は高いが生産性が低すぎると言う問題が生じていた。
「今回の省庁再編により、陸軍工廠、海軍工廠の一本化が図られますが、それに併せて生産機器の近代化、いわば設備投資が必要となります。要は、未来兵器を生産するに足る工廠を作り上げないと、兵器の量産は不可能です。」
みんなが一斉に、高畑の顔を見る。
高畑が、あせったように助けを求めるが、誰も味方はいない。
「判った、判った、その資金と設備を用意しろと言うんだろ。全く、日商は打ち出の小槌じゃないんだから。」
「おや、違うのか。朕はそう認識しているが。」
陛下にそう言われ、高畑は苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。
総研会議室に久しぶりに笑いが広がった。


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