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「のと」本編

268shin ◆QzrHPBAK6k:2007/02/24(土) 10:18:05
「報告します。第一小隊、二号車、第三小隊、一号車、三号車、計三両が駄目ですね。」
「ふむ、小隊が一個だめになったか。やっぱ無茶かなあ。」
11両の戦車中隊が、1回の戦闘で8両に減少、被害率3割近い。
中隊戦闘としては、被害が大きすぎるが、その代わり、敵の陣地を30分で抜いた。
しかも、戦車は潰れたが、味方の人的被害は殆ど無い。
スピードと質量を直接陣地にぶつけた訳であるが、戦法として認められるのかどうか。
難しいところだなあ。
このまま、五キロ先の森に強行突入するつもりだったが、本隊を待った方が良さそうである。
「よし、警戒態勢を構築し、本隊の到着まで待機。それと、前田大尉はどこか?」
あちらにいらっしゃいますと、方向を聞いて、戦車から降りる。
ポケットからタバコを取り出し、口に咥え、火をつける。
ふうっと吐き出すと、心地よい疲労が全身に広がる。
コンクリート舗装の道の両側に構築された陣地の方まで歩いて行くと、独逸軍の対戦車砲の残骸の所に、前田大尉はいた。
「前田大尉!」
呼びかける島田に気がつき、作業をしている部下に声を掛け、小走りにこちらに走ってくる。
「少佐、何か?」
「ああ、ここで本隊の到着を待つ。その間に偵察班を編成して、前方の森を見ておきたい。何名か選んで送り出してくれ。」
「了解しました。少佐?」
島田は話しながらも、大尉が走り寄ってくる前に行っていた作業を見つめていた。
「うん、ああっ、何やってるんだ?」
「はあ、あそこにあった、37ミリ、壊れてないみたいなんですよ。で、うちの支援火器の充実に役立って貰おうと。」
島田は、ニヤリと笑う。
「まあ、ほどほどにしとけよ、部隊の移動が遅れるようだと、破棄させるからな。」
「りょーかい。」
まあ、あれは、我が軍の戦車には役に立たなかったが、多分敵の戦車には有効だろう。
全く、歩兵ってやつは・・・
戦車部隊に同行している意味が判ってるのかなあと思いながらも、自分の戦車に戻って行くのだった。


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