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「のと」本編

261shin ◆QzrHPBAK6k:2007/02/17(土) 14:23:11
「各国は、明らかに現時点での我々統合軍の活動を戦争とみなすでしょう。しかしながら、我々はこれを制裁と呼び、戦争とは認めない。
この先、何年も法律家達が議論し続けようが、英国及び今回の制裁に参加した国家は、決して認めない。
この事実を考えて欲しい。」
何を言っているのだ、この東洋人は。
パウロは混乱の中にいた。
戦争と制裁などと言う言葉遊びに何の意味があると言うのか。
どの道、我々軍人は、戦って死んで行く。
「国家間の戦争ならば、勝者が敗者に対して、見返りを求める。紛争原因となった土地、条約、賠償金の請求、その他諸々の活動が開始される。」
パウロは真剣に梅津の言葉に耳を傾ける。
「ところが、我々の想定している「制裁」では、このような活動は一切発生しない。賠償金も無ければ、土地や条約の締結等の事象は起こしようが無い。
ただ、目的である国家社会主義ドイツ労働者党を貴国から排除すれば全て終る。」
こいつ、本気なのか。
いや、本気らしい。
東洋人の表情は判り難いが、少なくとも嘘をついているようには見えない。
「勿論、見返りはありますよ。わが国においては、欧州における脅威の排除、そして、こちらの梅津さんのお国には、強力な同盟国の確保と言う切実な見返りがね。まあ、これはわが国にも利益を齎しますが。」
「ま、待ってくれ。」
パウロは、混乱している頭を整理するように、下を向く。
じゃ、何か、独逸と戦争しても賠償金も国土の割譲も要求しない?
しかも、その条件が英・日との同盟国化?
独逸にとって、願ったり叶ったりの条件じゃないか。
仏蘭西は、英国の同盟国であり、結果として独逸は西部での軋轢を気にする必要が無くなる。
海軍は、世界三大海軍の内、二つまで見方に出来れば、怖いものは無い。
しかもヒトラー叔父さんにはお引取り願える。
これで、NASDAPの横槍が入ることは無い。
しかし、しかし、そんな、虫が良すぎる話なんて。
パウルはがばっと顔を上げた。


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