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「のと」本編
231
:
shin
◆QzrHPBAK6k
:2007/02/02(金) 17:59:24
その頃、デンマークにある日系企業の所有地に、何台かのトラックが到着していた。
トラックから多数の民間人が降りてくる。
いや、身なりは何処にでもいる民間人そのものだが、動きは統制の取れた兵隊そのものだった。
彼らは、その非常に統制の取れた動きで、瞬く間に、トラックに詰まれた箱を下ろし、手早く広げ、組み立て始める。
雷除けと言う名目で建物から少し離れた所に建てられた、高い鉄塔、やけに土台や骨組みが丈夫そうな鉄塔に群がると、素早く部品を取り付けてゆく。
周りを取り囲むように、荷物を積んできたトラックが並べられ、何人かの兵士はそこからケーブルを繋いで行く。
一時間程度の工作で、全ての準備が整ったのか、トラックは一斉にエンジンを吹かしぎみに、アイドリングを始める。
「準備出来ました。」
「ご苦労、間に合ったな。良し、エンジンを止めろ。」
再び静寂が辺りを包む。
「開始まで、20分か、ギリギリだったな。」
「ああ、今度はもう少し、早くできるように努力しよう。」
将校らしい、二人はそのまま、頷きあう。
「武器を受け取り、配置に付くか。少なくとも8時間は守らなければいけないのだからな。」
手早く、屋敷から大量の武器弾薬が運び出され、彼らは武装して行く。
また、別の荷物が開けられると、更に服装も着替えて行く。
武器を手に、配置に付く彼らの姿は、何処から見ても、独逸親衛隊そのものだった。
7時になり、英国の短波放送が、総統執務室に流される。
英国国家が鳴り響き、アナウンサーが首相の特別放送を継げた。
通訳が待機し、ヒトラー含め、ナチス高官が待ち受ける中、チェンバレンの肉声がラジオから聞こえ出した。
「世界中の平和を愛する市民諸君、大英帝国首相チェンバレンです。」
「通常より、出力が上がっています。」
ヒムラーがヒトラーに告げる。
「今宵は、皆さんの貴重な時間をこの放送に割いて頂き、本当に感謝します。多分、この放送は、世界中、そう、独逸の国民の皆さんも聞いているでしょう。そう、私達英国国民と同様に、平和を愛する人々です。我々、平和を愛する国民は・・・」
「た、大変です!」
執務室の扉が突然開かれ、親衛隊の将校が飛び込んで来た。
「何事だ!」
ボルマンがヒトラー総統の機嫌を損ねるのを慮るように、すぐさま声を張り上げる。
「国内の、ら、ラジオ局が襲撃されています。」
「なに!」
「なんだと!」
一斉に執務室内が騒然となった。
全国の主要なラジオ局が、ほぼ一斉に電波を発信出来なくなっていた。
突然のぼや騒ぎで、職員が建物から避難したようなケースから、送電が止まってしまったケース、放送機器が突然動かなくなったケース等、止まり方は様々だが、少なくとも独逸東部では殆どのラジオ局が、西部地域でも主要なラジオ局は一斉に放送が停止していた。
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