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「のと」本編
229
:
shin
◆QzrHPBAK6k
:2007/02/02(金) 11:10:47
大英帝国の対応は素早かった。
午前中に、欧州各国のラジオ局が、独逸のズデーテン進駐のニュースを伝えるのとほぼ同時に、今晩7時に、チェンバレン首相が、英国国営ラジオ放送を通じて、特別放送を行うとの報道を一斉に行ったのだった。
勿論、独逸国内ではそのような報道はされなかったが、フランスやオランダを初め、デンマーク、ベルギー、ポーランド、チェコスロバキア、スイス等のラジオ局から流される放送は止めようもない。
チェコスロバキアに至っては、通常よりも出力の高い電波で放送が行われていた。
ヒトラーを含む独逸首脳は、戸惑いを隠せなかった。
ズデーテン地方に侵攻した独逸国防軍は、抵抗らしい抵抗に会わないまま、前進していた。
それどころか、侵攻したどの地域でも、独逸系住民が、歓呼の声で出迎えてくれる。
しかしながら、奇妙な事に、軍関係は言うに及ばず、チェコ政府関係者が一人もいないと言う情況が広がっていたのである。
そこに来て、欧州の独逸以外の国の一般放送が同じ内容のニュースを話している。
何か、とてつもない事が起きようとしている。
それが、どう言う事かは、残念ながら判らないが、少なくとも独逸に利するとは思えない。
ヒトラーが側近に当り散らす中、直ちに近隣国家のラジオ局に対して調査が行われる。
隣国の中で、辛うじてチェンバレンの演説開始までに情報が上がって来た内容は、どこも同じだった。
朝一番に、ラジオ局の出資企業や個人から直接ニュースソースを渡されたとの事だった。
そして、二つのラジオ局から手に入れたその文面の複製は、全く同じ文面だったのである。
「直ちに、フランス、ポーランド国境に軍を送れ!」
流石に、ヒトラーもここまで来れば、英国が、何事が企んでいた事は容易に察しが付く。
それが、戦争と言う可能性は、ヒトラー自身、一番避けたいケースであるが、どう考えても、それ以外に考えられない。
間に合うのか。いや、戦いとなったら、叶うのか。
ヒトラーの頭の中に、最悪の予想が次々と浮かんでくる。
しかしながら、同時に、「どうやって」、そして「何処から来るのだ」と言う答えられない問いが浮かび上がってくる。
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