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「のと」本編

158shin ◆QzrHPBAK6k:2006/12/23(土) 21:37:06
「彼、絶対、大尉が自分のいない間に、大佐の招待を受けに行くんだと思ってますよ。」
馬鹿言えと言う顔を大衡に向けながら、それには気が付かなかったと一人納得する。
まあ、仕事が無ければ、否定は出来ないな。
あいつ、絶対サボらないで下さいと言いたかったんだろうな。
流石に、上官二人に対して、そこまで口は聞けない。
それに兵も見ている。
兵隊の前では上官の悪口を言わない位の教育は受けているようだった。
しかし、あまりに手を抜くとその内には彼もそんな教育も忘れてしまいそうだった。
まあ、二週間も一緒に行動していると、その辺はさっしが着く。
新任の榊少尉にすれば、自分のような上官は許せないのだろう。
偵察車に、三名程の兵隊を乗せ、榊少尉が出発して行くと、佐藤は改めて、残りの兵隊を見回す。
残った兵隊達は、休めの体制のままで、こちらの指示を待ち受けている。
全員がこれからの行動に興味津々であるが、それでも殆どの兵隊がその気持ちを上手く隠しているのに気が付き、佐藤は心の中で微笑む。
兵達の多くは、召集兵ではなく、ある程度熟練兵を選んであるのが判るだけに、安心出来る。
特に、残った下士官は、いかにも歴戦のつわものとと言う感じで、完全な職業軍人そのもののふてぶてしさで待機している。
十分な間合いを取り、兵たちから少し距離を置いて何気なさそうに佇んでいるが、警戒は崩していない。
昭和維新後、大きな紛争も起きていない帝国軍に取り、貴重な実践経験者であろう。
一瞬、視線が会うと、曹長は慌てて目を逸らした。
その仕草に、ふと疑問を感じ、佐藤は曹長を手で差し招く。


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