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避難用作品投下スレ5

842エルサレムⅥ [自決]:2010/08/01(日) 17:39:46 ID:Ckv4lVpo0
 いつの間にか独り言を発していたらしく、反応した浩之になんでもないと首を振る。
 機械工学の知識がなさすぎる自分には、到底無理な話だった。
 少なくとも、今は。

「それにしても皆さん、真っ赤です」
「ぷひぷひ」

 この戦闘の発端となったとも言える猪を器用に頭に乗せながら、風子がやってくる。
 遠距離に徹していた風子は比較的返り血……いや、返りオイルも少なかったが、
 自分も浩之もべチャべチャだった。元の制服が赤っぽかったので気になっていなかったが、改めて見ると真っ赤だ。
 黒い学生服の浩之はどちらかといえば赤黒い色だったのだが。

「人間のよりマシだぜ。オイル臭いけど」
「むんむんします」
「ぷひ〜……」

 より鼻が利くらしい猪はまいっているようにも見えた。

「それにしても、どこからやってきたんやろ、この仔」
「ここのペット……なわけないよな」
「むぅ、風子はどこかで見たことあるような気がするんですが」
「ま、あの毛玉犬と同じようなもんかもな。そんなことより、こっちもさっさと先を……」
「ぷっ! ぷひ!」

 何かに反応したように、猪が大声で鳴いた。
 じたばたと手足を動かし、必死に何かを伝えようとしているようだった。
 「何かあるんですか?」という風子に反応して、瑠璃は周囲を確認する。
 動物の勘を信じる……というわけではないが、警戒はし過ぎて困ることはない。
 さっと素早く四方を見回してみたが、どの出入り口からも影は見えない。
 浩之も同様らしく、困惑した表情を見せていた。


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