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避難用作品投下スレ5

751エルサレムⅣ [CLANNAD]:2010/04/11(日) 21:47:37 ID:.B1J6ho60
 アハトノインは風子を狙い撃ちしていたが、斬撃するタイミングで杏が頭部を射撃しようと試みてくるために手が出せないでいた。
 ならばと目標を変更しようとすれば、今度は芳野と麻亜子で足を狙う。
 距離が離れていればそこにポイントできる程度の隙はあった。
 足はむき出しであるため、直接ダメージを与えられる数少ない部位であり、
 さらにアハトノインが人間型のロボットであるために衝撃でバランスも崩しやすいという理由もあった。

 結果として四方八方から射撃される羽目になったアハトノインは回避に専念せざるを得ず、今のところは五分五分の状況だ。
 ただし、それは常に距離を取っていればの話であり、一旦追い詰められれば不利なのは火を見るより明らか。
 五分五分と言っても、限りなく危うい五分なのだ。

「足止めなら俺がやる! 後藤林、お前も援護しろ!」
「了解っ!」
「待て待て待ちなよ! 足止めって簡単に言うけどさ!」
「お前ら両方チビだからあそこも通りやすいだろ!? そういうことだ!」
「がーっ! なんじゃそりゃー!」
「ユウスケさん……いいんですか」

 風子もチビというワードに反応するかと思えば、案外冷静な反応だった。
 そういえば、と麻亜子は思い出す。言葉こそ少ないが、あの二人は互いを気遣っているような見えない何かがあった。
 いや、特別な関係であるからこそ言葉がなくとも通じ合っていたのかもしれない。
 国崎往人と川澄舞がそうであるように。とはいっても、彼らのような男女の関係とはとても思えなかったが。

「構わんさ」

 簡潔に過ぎる一言。麻亜子などではその真意など推し量れようもない短い言葉だったが、風子は全てを汲んだらしい。
 分かりました、といういつもの硬い言葉を残して、風子は芳野とすれ違うように走る。
 逃がすまい、とアハトノインも追う。

 金属の床を叩く、ハンマーに似た音が猛獣のように迫る。
 その真正面から芳野がウージーを乱射する。顔面を狙ったものだったが、器用に首を逸らされて当たらない。
 ひゅっ、と風を切ってグルカ刀が構えられる。そこで芳野の弾も尽きた。
 まずい――! 走っていた麻亜子は援護に駆け寄ろうとしたが、狙いの安定しないイングラムでは巻き込む可能性があった。


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