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避難用作品投下スレ5

677エルサレムⅡ [修道女]:2010/02/10(水) 18:44:36 ID:xs23czu20
 出し抜けに舞が言い、びっ、と前方を指差した。
 よく見れば緑色の光点があり、扉らしき枠も見える。
 自動開閉式の扉に間違いなかった。

「……まずはあそこね」
「上手く誤魔化したなの」

 余計な一言を挟んだことみを小突いてやろうとしたところで、緑色の光点が唐突に赤色へと変わる。
 誰かが来る。それは勘ではなく確信だった。
 咄嗟にことみのウォプタルを引いて隠れ、往人と舞にも隠れるよう合図を出す。
 嫌なタイミングで鉢合わせたものだ、と内心で舌打ちする。

 不幸中の幸いといえるのが、ここはコンテナだらけで隠れる分には困らないというところくらいだ。
 往人と舞は自分達とは対岸の方のコンテナに隠れており、下手に合流しようとすれば見つかる。
 刹那のことだったとはいえ、離れてしまったのは失策だったか。
 どうするかと考えていると、人のものにしてはやたらと重厚な、地面を踏み潰すような足音が迫ってくる。

 哨戒、とは考えられなかった。明らかに質量を帯びた、
 規則正しくありながら無遠慮に音を立ててくる足音は人間のものとは思いがたい。
 だとするなら、こちら側に来ている敵は『ロボット』以外に考えられない。
 高槻の言う通りならばとんでもないスペックを誇る。何せレポートによれば銃弾が効かないらしいのだ。
 なるべくならばやり過ごしたいところではあったが、リサは探知能力の存在も懸念していた。
 赤外線探知、聴音センサー。人間の存在を探れる技術など溢れかえっている。
 既にこちらが潜んでいる場所を知られている可能性もある。だとするならば、仕掛けるしかない。
 至近距離からライフル弾をありったけ叩き込んでやれば倒せないことはないはずだ。

 M4を持ち上げる仕草をすると、往人と舞もリサの意図を理解したらしく、コクリと頷いた。
 戦闘はなるべく避けたいと言った矢先にこの有様だ。
 どうにもこうにも、エージェントというものはトラブルに巻き込まれやすい性質であるらしい。
 だが、それでもいいとあっけらかんとした気持ちでいる自分の存在もあって――


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