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避難用作品投下スレ5

568想いのカナタ:2010/01/06(水) 16:51:22 ID:6Ze9kqqQ0
「寝ましょう」
「第一声がそれか」

 苦笑で返すと、「笑い事じゃないです」と少し怒ったような口調になって、渚が腕をとって肩に回した。
 どこかに連行されるらしい。元々宗一は渚に会いに行くのが目的だったので特に文句はなく、なすがままにされていた。
 抵抗する気力がなかったというのもある。

 腕が回されると、密着した渚の体からほんのりと懐かしい匂いが漂ってくる。
 石鹸の匂いだと気付き、そういえばやけに艶があるということに、女の子だなと意識せずにはいられなかった。
 同時に自分が風呂に入っていないことに軽く羞恥心を覚えたが、今そうしてしまえば溺れ死にそうだったので諦めることにする。
 ならばせめて渚といることを楽しもうと思いつつ、宗一は口を開いた。

「どこに連れていくのです」
「……普通に隣の、教室です」

 どうやら渚が出てきたところに連れて行かれるらしい。
 渚が言うには毛布や枕もあるらしく、床の固さを除けば安眠は得られそうだった。
 教室の扉を一緒にくぐりながら、渚が質問してくる。

「どうしてあんなところに? もう、無茶です。フラフラなのに一人で……」
「渚に会いたかったから」
「ふえっ?」

 我ながら正直すぎる回答だと思ったが、面白い反応が得られたのでよしということに宗一はしておいた。
 みるみるうちに赤面してゆく渚の正直さが可笑しく、「可愛い」と続けてみると「か、からかわないで下さい」と小声で反論してきた。

「変な声出しちゃったじゃないですか……皆さん寝てましたからいいですけど」


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