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避難用作品投下スレ5

317インターセプト2:2009/09/25(金) 19:20:52 ID:D27maBM60


     ※   ※   ※


「……っ、きゃああああ!!!!!!」

続けざまに放たれた銃弾は、扉に最も近かった真希達二人を狙っていた。

「真希さん!」

真希の隣に寄り添っていた遠野美凪が、抱きつくような形で真希にタックルをかける。
二人して床に倒れ、そのまま扉とは逆方向へと転がっていく様を一ノ瀬ことみは冷静に見ていた。

「そのまま窓から逃げろ!」

二人に向かって霧島聖が叫ぶと同時に、乱入者である一人の少年が保健室の中に躍り出る。
その手に握られた黒光りする凶器は、保健室を照らしている蛍光灯の光を反射しながら、恐ろしい程の存在感を主張していた。
窓を開け逃走を図ろうとする真希と美凪を狙おうとする少年だが、ふと何かに気づいたように視線を逸らすと、そのまま視点を固定する。

「やあ。さっきは世話になったね」
「……」
「どうやら、僕の弾は誰にも当たらなかったみたいらしい。勿体無い、無駄弾を使っちゃったよ」

彼の目線の先には、相変わらずぽーっとはしているものの、しっかりと自身への支給品である十徳ナイフを握ったことみの姿がある。
にこにこと笑みを絶やさない少年の表情は、躊躇なく引き金を引くことができる彼の性分とはどこか遠い印象を受けるものがあった。
少年の静かな残虐性に、ことみが困ったように眉を寄せる。


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