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年齢奇譚

8仮面りんご ◆pR/EQfuBq.:2011/12/20(火) 02:27:22
「それではこれから大切なお話をします。少し長くなるけどみんなトイレには行ったかなぁ?」

『要点だけ話して早く終わりにしてよ』

 担任の教諭である結花理は幼稚園から入学したばかりの児童に気を遣うが、高校生の意識を保持している菘には屈辱でしかないだろう。

『長い注意事項だなぁ……子どもに話すために噛み砕いてるんだろうなぁ……』

 菘は頬杖をつきながら思案に耽っていた。隣にいるのは紺色のスーツを身にまとう子ども。前の席に座っているのは桜色のワンピースを身にまとう子ども。そして自分も同じように子ども用のスカートやブレザーを身にまとっている。菘の脳裏にはそんな言い知れぬ焦燥感ばかりが去来してゆく。

『あたしが小学六年生だった頃、この子たちは一歳の赤ちゃんだったんだよね。先生の目にはあたしも同じように映ってるのかな?』

 去年まで園児だった六歳児と一様に扱われることに、菘は憤りと戸惑いを隠せない。でもそれも無理からぬこと。六歳の児童と机を並べてひらがなや算数を勉強するなど、実年齢十七歳の菘には羞恥プレイにも等しいのだ。

『そろそろ話も終わりそうね……あれ?』

 先生の話に再び耳を傾け始めた菘は、言い知れぬ感覚に額を冷や汗で濡らしていた。

『この感覚……ウソでしょ。トイレなら家を出る前に行ったばかりなのに』

 下腹部を襲い始めた突然の尿意に、菘は瞬く間に混乱していく。家を出る前に確かに用を足したのに。水分だってそんなに飲んでないのに。菘は早朝からの行動を分析していくが、次第に強まる尿意はそんな思考能力さえも奪ってゆく。

『トイレに行きたい。トイレ。トイレ。ダメダメ、あたしは本当は女子高生なんだよ。話の最中にトイレに行ったらこの子たちと同じじゃん。ああ。さっきトイレに行っとけば良かった』

 菘は緊張からくる尿意に思考を支配されていた。彼女は、おそらく以前と同じ時間尿意を我慢できると過信していたのだろう。けれど菘の肉体や自律神経は他の六歳児と何ら変わりないもの。いくら意識が十七歳でも、大人と同じ時間尿意を我慢することなど無理なのだろう。

「それではみなさん、また明日も元気よく登校してくださいね」

「ハーイ!」

『やっと終わったぁ!』

 菘はホームルームが終わると一目散にトイレに向かっていった。

「くっ……漏れそうで走れない」

 次第に強まっていく尿意を堪えるため菘はがに股歩きになり、黒と白を基調とするプリーツスカートの上から子ども用ショーツを押さえていく。それでも高まる尿意を完全に抑えることなどできず、菘の顔は瞬く間に赤みを帯びていった。

「間に合った!」

 小柄な体躯で女子トイレのドアを必死に開け、菘は無事ピンクのタイルに彩られたトイレに到着した。だが束の間の安寧は尿意を堪えていた神経にも伝わってしまう。

「えっ……?」

 正に茫然自失。そして思考停止。

「あっ、あっ、やだ! 止まってよ!」

 さながら水門の決壊したダムの様に、菘の下腹部からは温かな液体がこぼれていく。その液体は彼女の意識を嘲笑する様に子ども用ショーツから太ももにこぼれ、桃色を基調とする濡れたショーツはプリーツスカートの前方部分も浸食していった。

「違う、違うの。あたしは女子高生なんだから。これはお漏らしじゃないんだからね」

 抑えきれない羞恥心や恥辱感が脳裏を支配し続け、菘は力なくその場に座り込んだ。

「うっ、うっ……」

 お尻や下腹部の中心を支配するびちゃびちゃと濡れた感覚に、菘は子どもの様に泣きじゃくってしまう。それでもスカートやショーツから伝わる生暖かい感触や、ピンクのタイルに水溜りの様にこぼれた液体は消えさることはなかった。


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