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千夏がんばるっ!
1
:
ふるだぬき
:2011/07/09(土) 23:46:39
無理やりつれてこられたお母さんの田舎
とあることで子どもになってしまった千夏が経験した少し変わった夏休み
泣いて、怒って、恥ずかしくなって、少しずつ成長(退行?)して、
精一杯がんばる(?)お話です。
8
:
ふるだぬき
:2011/07/12(火) 23:19:09
>>7
コメントありがとうございます。
まだなんとか飽きずにがんばってます。
あまりリクエストには答えられないかもしれませんが、
これからも見てもらえれば嬉しいです。
9
:
ふるだぬき
:2011/07/12(火) 23:22:45
『千夏がんばるっ!(5)』 〜金太郎の気持ち〜
「ふぅ〜、やっとでれた」
お風呂場の地獄からやっと開放されバスタオルを巻いてリビングにやってきたら、
お母さんが荷物の中を探していた。
「へんねぇ、ちぃの服忘れてきちゃったのかな・・・、
それに私こんな服持っていたかしら?」
お母さんが手に持っていた服は紛れもなく私が持ってきた服だ。
「それ、私のふくぅー」
そう言っても、ちぃにはまだ早いわよと軽くたしなめられてしまった。
「でもどうしましょう。ずっとバスタオルってわけにはいかないわよね・・・」
お母さんは私をちらりと見た。
「どうしたんだい?」
おばあちゃんがお母さんが困っているのに気づいて聞いてきた。
「あっ、かあさん。ちぃの服を忘れてきちゃったみたいどうしよう」
そんな困った顔をしているお母さんをみておばあちゃんは
『服ならあなたの子どもの頃のものを使えばいいじゃない』とお母さんを指差した。
それがどうしてこうなっちゃったのよ・・・。
今なら“金太郎”の気持ちがよく分かる。
なぜ、わざわざこの赤い腹掛けを選んだのだろうか。
しかもこの腹掛け、やけに短いのだ。
胸を隠そうと上に引っ張ると小さなわれめが丸見えになるし、
下に引っ張ると2つのぷっくりした乳首が顔を出す。
お母さんは昔の子どもはみんな着ていたといっていたが絶対に嘘だ。
だって、こんな恥ずかしい格好の子どもを見たことないもん。
うぅ・・・背中が冷たい。
少しでも暖かな陽のあたるところに行こうと私は縁側に向かうと、
そこにはおばあちゃんがいた。
「よくにあっているわね」
私は恥ずかしさで爆発しそうになった。
おばあちゃんは目を細め何かを思い出すかのように話はじめた。
「今の千夏ちゃんをみているとあなたのお母さんの小さかった頃を思い出すわ」
「やっぱり私と似ているの?」
「たしかに似てはいるけど千夏ちゃんのように元気ではなかったのよ。
その腹賭けも夫が病気がちだった娘に買ってきたものなの」
意外だった。
お母さんが病気をしたところなんかほとんどみたことがなかったからだ。
「ちぃ、スイカ食べる?」
私を呼ぶ声に振り返るとお母さんが大きなスイカをお盆にのせて運んでいた。
私はそんなお母さんをみて人は変わるんだなぁと思いながら、
大きな声で返事をした。
「たべるー!」
10
:
名無しなメルモ
:2011/07/13(水) 20:23:50
>>9
千夏の金太郎コスに興奮しまくりました!
ふるだぬきさんそうきましたか〜というくらい衝撃を受けましたね
園児の身体になったとはいえ千夏の精神は女子高生、
お尻丸出しで乳首や割れ目がチラ見えしてしまう金太郎コスは恥ずかしいでしょう!
本来の姿なら乳房もお尻も膨らみ、赤ちゃんを作る行為が可能な割れ目。
それがぴったり閉じた幼い割れ目に逆戻りしてオナニーもえっちも10年早いと言われる姿に。
このまま元に戻れなかったら・・という焦りや同級生達より遥かに年下になってしまう事など、
心の葛藤や心理状況も描いていただけたら嬉しいですね。
しかし服は女子高生の服だったということは紛れもなく身体が若返った証拠、
以前着けてたブラとかを見て今のおっぱいを見たら尚更落胆するでしょうね!
ちいにはまだまだ金太郎コスで乳首や割れ目を見られて恥ずかしがってほしいです。
ふるだぬきさんどうか続きをよろしくお願いしますね!
11
:
ふるだぬき
:2011/07/15(金) 21:46:17
>>10
腹掛けがよかったと思ってもらえたようでなによりです。
自分好み全開の話なので見てる人がどうなんだろうと思いながら書いてます。
と、いうわけで6話目です。
12
:
ふるだぬき
:2011/07/15(金) 21:47:10
『千夏がんばるっ!(6)』 〜スイカのゆくえ〜
大きな池が見える。
池のまわりには青々と草が生い茂り水面と地面の境界を曖昧にする。
私はこの景色を知っている。
たしか、祠があって・・・。
でも見渡しても祠なんてどこにもなくて・・・。
何か忘れてしまっている。
たしか、まんまるな・・・。
そこまで思い出したとき草陰に丸いキラキラしたものを見つけた。
そのキラキラしたものに触れた瞬間突然息ができなくなり冷たい水が全身を包みこむ。
「助けてパパ、ママ!」
そう叫んで目が覚めた。
天井の木目がさっきまでのことが夢であったことを感じさせてくれる。
夢でよかったと安心したのもつかの間、お尻のあたりにひんやりした感触があった。
これってまさか・・・。
そう思いながらゆっくりと布団をめくるとお尻があったあたりがびっしょりと濡れていた。
うぅ・・・この歳になっておねしょをしてしまうなんて。
昨日スイカをたくさん食べた後、お腹がいっぱいになってウトウトしていたところまで
覚えているんだけど、どうやらそれからぐっすり寝込んでしまったようだ。
私が食べたスイカの水分が全部布団に吸い取られてしまったわけだ。
パパやママに見つからないうちになんとかしないと・・・。
私は布団を2つに折り持ち上げようとしたんだけどぜんぜん持ち上がらない。
仕方がないので引きずりながら運ぶことにした。
うんしょ・・・うんしょ・・・
って、いったいどこにもっていけばいいんだろ。
うーーん、やっぱり濡れているんだから陽にあてて干すのがいいのかな。
ようやく窓のほうに布団を持ってきたところで健太に見つかってしまった。
「ママ、ちぃがおねしょしたー」
ちょっと、そんなことを大声でママに言いに行かないでよ。
健太のおかげであっというまに家族全員におねしょをしたことが伝わった。
そのあとみんなの前でまっぱだかにされたり、
弟にシャワーで股を洗われたりと、トラウマを順調に増やしていった。
今は健太と一緒に夏休みになるとやっている子どもアニメ大会を見ている。
こうやって弟とアニメをみていると身も心も子どもになってしまったように感じる。
体は本当に子どもになってるんだけど・・・。
うーん、何か忘れているような気がするんだけどなぁ。
私はアニメをぼーっと見ながら考えていると夢で見たことを思い出した。
たしか、池があって・・・草が生い茂っていて・・・祠があって・・・!?
「ほこら!」
思わず叫んでしまった。
いろいろありすぎたのですっかり忘れていた。
おばあちゃんにあの祠の中にあったガラス玉のことについて聞かなくちゃ。
私はぴょんと立ち上がるとおばあちゃんを探しに部屋を飛び出した。
13
:
名無しなメルモ
:2011/07/16(土) 01:33:46
>>12
ふるだぬきさん更新ありがとうございます!
千夏のおもらしすごく良かったです、その上弟に割れ目を洗われてしまうなんて。
千夏の恥ずかしがる姿を想像するたびに興奮しまくりです。
後は元に戻りたいという心境と必死になって元に戻る方法を探る千夏に期待してます!
おばあちゃんに聞いたら祠に若返り伝説があったり、
どんどん若返り続けて最後は赤ちゃんになってしまうとかだと面白いですよねw
それではふるだぬきさん続きすごく楽しみに待ってますので頑張ってください!
14
:
ふるだぬき
:2011/07/16(土) 22:32:13
>>13
>どんどん若返り続けて最後は赤ちゃんになってしまう
なかなかの核心・・・実はこの話を書くきっかけはある作品の影響だったりします。
その作品というのが豆電球さんの『桜の花びら』という話
今、ここでその作品のことを知っている人がどれくらいいるのやら?
と、いうわけで次は貼るかどうか迷った6話目の番外です。
15
:
ふるだぬき
:2011/07/16(土) 22:35:22
『千夏がんばるっ!(6+α)』 〜ドキドキした気持ち〜
最近はほとんどなかったのにちぃがめずらしくおねしょをした。
ママに言われて僕はちぃの汚れてしまったところを洗ってあげることになったんだ。
「ちぃ、じっとして」
僕は動き回る妹を注意してシャワーの蛇口をひねった。
「ひやっ、冷たいじゃない」
妹の千夏は身を強張らせた。
「ごめん、ごめん」
僕は謝ると温度を調整してお尻を洗ってあげた。
妹はもじもじしながら股を手で隠している。
「ほら、次は前を洗うから手をのけて」
そういって、妹の手をのけシャワーを当てながらわれめに触れると
妹は変な声をあげてビクッと震えた。
おもしろかったので何度もやっているとだんだん声も大きくなっていき、
とうとう体がピンと突っ張ったかと思うと、
今度は空気が抜けた風船のようにぐったりしてしまった。
ここってそんなにくすぐったいのかなぁ・・・。
僕は自分にはないわれめの中がいったいどうなっているのか気になった。
ゆっくりと指でわれめを左右に広げてみると
薄いピンクの中に小指の先ほどの穴がぱっくりと開き、
そこからねっとりしたおしっこでてきた。
今まで知らなかったけど女の子はここからおしっこがでるのかぁと思い、
自分のとはぜんぜん違うことに驚いた。
その後シャワーで軽く洗い流してあげ、
ぼーっとしている妹の体を拭いてあげていると次第に妹は元気を取り戻していき、
「体は私が拭くの、健太は服を取ってきてよ」
といって脱衣所を追い出されてしまった。
これまで何度も妹の体を洗ってあげたはずなんだけど、
まるで初めてのような感覚に少し戸惑い、ドキドキした気持ちだけがいつまでも残った。
16
:
名無しなメルモ
:2011/07/17(日) 02:00:38
ふるだぬきさん
はじめまして、いつも楽しみにしてます。
桜の花びらとはまた懐かしい作品を・・・
私もファンでした。
17
:
ふるだぬき
:2011/07/17(日) 23:30:19
>>16
はじめまして。
やはり知っている方はいますね。
でもこのままではいずれ誰も知らないようになってしまうんでしょうね。
と、いうわけで7話目です。
18
:
ふるだぬき
:2011/07/17(日) 23:31:46
『千夏がんばるっ!(7)』 〜お狸さま〜
おばあちゃんはしばらく考えてから話し出した。
「たしか、祠なんてなかったと思うんだけどねぇ・・・、
あぁ、そういえばあの池は昔“おちみず池”とよばれ若返りの話がいくつもあるのよ。
面白いでしょ」
私は身を乗り出した。
「じゃあ、若返った人が元に戻った話なんてあったりするの?」
「うーん、そんな話はなかったと思うわ」
その言葉にがっかりして私は座り込んだ。
「でもね、この村には何でも願いを叶えてくれる“お狸さま”がいるから大丈夫よ」
私はまたまた身を乗り出した。
「そのお狸さまってどこにいるの?」
「あら、千夏ちゃんはいったことなかったかしら、村のはずれにある神社の神様なのよ」
へぇ、そんな神社があったことすら知らなかった。
祠のことは分からなかったが、なんでも願いを叶えてくれる
“お狸さま”という神様がいるというのなら神社にいってみる価値はありそうだ。
今すぐ神社に行こうというとおばあちゃんはちらりと時計に目をやり申し訳なさそうな顔をした。
「ごめんね、もうすこししたら村の集会があるのよ」
うぅ・・・残念、でもパパと一緒にいけばいいよね。
そう考えると早速パパをつかまえていくことにした。
「千夏ー、まだかー?」
「ちょっと待ってよー」
私はトイレの中から返事をした。
だって、もう失敗したくないんだもん・・・。
くまさんがバックプリントされているパンツを膝まで下ろすと和式トイレに屈んだ。
ちょろちょろと股の間から黄色いおしっこが弧を描く。
今ではおしっこをするだけになってしまったわれめを見ているとなんとも悲しくなる。
それに小さかったけど形が気に入っていた胸も今では見る影もない。
ぜーったい、お狸さまに願いを叶えてもらうんだからね。
すっきりしたところで玄関に向かうとパパだけでなく健太もいた。
「あっ、靴が・・・」
小さくなった日、よほど混乱していたのか池にいろんなものを置いてきてしまっていた。
でも、こんな姿じゃどれも着られないんだけどね。
「ちぃ、僕のサンダル履いていいよ」
健太は自分のサンダルを脱ぐと玄関に転がっていた大きなサンダルを履いた。
健太が履いていたサンダルは赤いロボットが描いてある一番お気に入りのやつだ。
いつも生意気だと思っていた弟が今日は頼もしく思えた。
「いってきまーーす!」
元気いっぱいな声を玄関に響かせ私たちは神社へと向かった。
19
:
名無しなメルモ
:2011/07/17(日) 23:57:38
>>18
ふるだぬきさんいつも更新ありがとうございます!
今ではおしっこするだけの割れ目ってことは今まではそれ以外の用途があったみたいですねw
それに外伝もすごく良かったですよ、弟に触られて興奮してる千夏がまたナイスでした。
変わり果てたとはいえまさか健太も姉の割れ目を洗ってると知ったらドキドキでしょうねw
神話や伝説、言い伝えとかの力に敏感に反応したり影響してしまいそうな千夏だから、
お狸さまでもまた更に一波乱ありそうな予感に期待してます!
千夏だけならまだしもお父さんと健太のお願いがどう影響するのか楽しみですね
ふるだぬきさん続きすごく楽しみに待ってますよ!
追伸
豆電球さんの桜の花びらは知ってますよ
私もあの小説大好きでした
20
:
名無しなメルモ
:2011/07/18(月) 01:04:07
桜の花びらは生まれ変わり的なラストでしたね
若返り以外にもユーモアやペーソスや余韻があって
豆電球さんの小説は大好きでした
他に「有名女優失踪事件」(というタイトルだったかな?)
アラフォー越した元美人女優が若返り薬が効きすぎて赤ちゃんになっちゃうんだけど
オッサン刑事と意思の疎通ができないwとか
「ミリン姫の大冒険」とか大好きでした
あと皆さんで合作した「はるか先生」も楽しく読ませて頂きました
21
:
ふるだぬき
:2011/07/18(月) 23:16:21
>>19
>お狸さまでもまた更に一波乱ありそうな予感に期待してます!
まぁ、何波乱かあると思いますよ。
ゆっくり楽しんでってください。
>>20
たしかにリバワにあった話はどれもよかったように思いますが、
今この掲示板にある話もどれもよいものばかりだと思います。
マイナーなジャンルかもしれませんがいろんな人が話を作ってくれたら嬉しいです。
と、いうわけで8話目です。
22
:
ふるだぬき
:2011/07/18(月) 23:17:49
『千夏がんばるっ!(8)』 〜ひとのみ〜
ミーン ミーン ミーン
蝉の大合唱のなか、私はぶかぶかのサンダルをカパカパいわせながら、
ようやく石段を上りきると広い境内になんともみすぼらしい社がぽつんとあった。
先に石段を上っていたパパたちの姿がないことから社の裏手にでも行っているのだろう。
それよりも私はさっきから蝶のようにひらひらと動く赤いものが気になっていた。
引き寄せられるように近づくとそれはこちらに気づいた。
「ほぉ、わらわがみえるのか?」
彼岸花のように赤い着物をきた少女が私を見ながらたずねた。
「あなたがお狸さまなの?」
ふと、思ったことを口にしてみたら笑われてしまった。
「おぬしはわらわがタヌキにみえるのか。面白いやつじゃのぅ。
まぁよいせっかくだから教えてやろう、人はわらわのことを“ひとのみ”と呼んでおる」
そういうとひとのみは私をまんまるな瞳で食い入るようにみつめた。
「ふむ、おぬしを見ていると小娘が童に若返ったようにチグハグじゃ、もしかして“若返り”か?」
言い当てられてドキリとした。
もしかしたらこの子に聞いたら元に戻れるのではないかと思い聞いてみた。
ひとのみは私の質問に当たり前のように答えた。
「そんなことは簡単じゃ、わらわが願いを叶えればよいだけのことじゃ。
ただし今のおぬしならどんな願いもかなわんじゃろうが・・・」
私はその理由を聞いて“ひとのみ”の意味を知り怖くなった。
ひとのみに願いをしたものは願いの大きさにより若返る。
若返る歳が今の年齢より大きければ願いは叶わず呑み込まれる。
この大きいか小さいかの分かれ目が“受精卵”か“未受精卵”によって決まるらしい。
もし若返る歳が今の年齢より小さくても呑める大きさなら
呑み込まれるがこちらは願いが叶うそうだ。
願いを言った人はたいてい食べられてしまうので文字通り“人呑み”である。
今の私が願いを言えば、ほぼ確実に幼児から胎児、
そして受精卵まで戻り、最後は・・・考えただけでぞっとする。
私はひとのみに願いをいうことを諦めた。
「やはり諦めたか、しかし心と体が離れれば無意識のうちにどちらかにあわせようとする。
体が元に戻らなければ心があわせるしかなくなるのぅ。
おぬしも薄々は気づいているであろう、時間がないことに・・・」
私は反論しようと口を開いたときだった。
「ちぃ、誰とはなしてるの?」
後ろからの声に慌てて振り返ると健太が不思議そうな顔でこちらを見ている。
「な・・・なんでもないよ」
そういいながら、ひとのみのいるほうをちらりと見たのだが、
すでにひとのみの姿はなく代わりに社の裏手からパパが何かを手に持ってこちらに来た。
「健太、千夏、きのこを見つけたぞ。神社の裏手にあったからいくつかとってきた」
両手に変わった形のきのこを持って嬉しそうに笑うパパとは反対に、
私はひとのみの言葉が頭の中を駆け巡り焦燥感だけが増していった。
23
:
名無しなメルモ
:2011/07/19(火) 17:42:28
>>22
ふるだぬきさんいつも更新ありがとうございます!
ひとのみ様の登場かなり嬉しいですよ〜ふるだぬきさんのノスタルジックな作風が大好きな
私にとって願ったり叶ったりの展開ですね!それに千夏の正体を知ってる者がいるのはナイスです。
元華の女子高生だった千夏に小娘とか童という表現もまた興奮する内容の一つです。
成人女性や女子高生が赤子・赤ん坊・やや児・翠児になる、といった表現も大好きです。
これからは時間が無くなってきている千夏の焦燥感等も楽しみですので
ふるだぬきさんどうか続きを頑張ってくださいね!
楽しみに待ってます!
24
:
名無しなメルモ
:2011/07/19(火) 21:57:00
キノコの効能がすごく気になります!
千夏はいろんな変化に反応する体質みたいなので楽しみです
あと受精卵化という台詞もかなり興奮する台詞ですので
今後のひとのみ様やお狸様の活躍も期待しております
25
:
ふるだぬき
:2011/07/19(火) 22:40:26
>>23
初めて書くストーリー性のある話なので書きたいことははじめのうちにほとんど決まっていたりします。
ひとのみも書くことは確定で以前コメントで『もし話が続くとわかると思います』と書いたのはそのことです。
あと、あからさまな伏線を張り巡らせているのでそのあたりもみると面白いかもしれません。
>>24
きのこの効能はすぐわかりますよ。
そういえば最近あまり“受精卵”の表現を見なくなった気がしますね。
と、いうわけで9話目です。
26
:
ふるだぬき
:2011/07/19(火) 22:41:31
『千夏がんばるっ!(9)』 〜帰り道〜
神社からの帰り道、私は明日もう一度あの池にいこうと考えていた。
でも一人で行くは少し怖くてどうしようか悩んでいた。
「どうしたちぃ、つかれたの?」
健太の呼びかけにピーンと閃いた。
そうだ、健太といけばいいんだ。
そう思うと私の中の小さな悪魔が動き出した。
「けんにぃ、ちぃ大切なものを池でなくしちゃった」
泣き顔でそういうと思っていた以上の効果があった。
「何をなくしたんだ?」
「えっとね、キラキラしたこんなきれいな玉」
私は手で丸を作りあの時落として壊してしまったガラス玉を表現した。
「明日、池に捜しに行こうか」
これで明日健太と一緒に池に行けるとひそかに喜んだ。
うぅ・・・
心配事が解決したら急に足が痛くなってきた。
健太がわざわざサンダルを貸してくれたけど、やはり合っていないので足を痛めたようだ。
そんな私をパパが気づいたらしく、『足が痛いのか?』と聞いてきた。
素直に頷くとパパは私をひょいと抱き上げた。
いきなり何するのよと手を振りほどこうと暴れてバランスを崩してしまった。
思ってもみない私の行動にパパは慌てて私の服を掴んだつもりだったんだけど、
残念ながら掴んだのはくまさんパンツで・・・。
私はパンツが脱げた状態で背中から落ちてしまったものだから2人に
ばっちり大事なところをしかも大股開きでみられてしまったのだった。
まだ発達していないとはいえどこまでみられちゃったんだろうと考えると
頭が沸騰しそうになった。
「もうパパなんて大嫌い!」
恥ずかしさを紛らわすために私はポコポコとパパを叩いた。
「痛い、痛い。千夏勘弁してくれー不可抗力だーー」
満足するまで叩いた後、どうやら疲れきってしまったようだ。
気づいたらパパの背中に背負われていた。
パパの背中は大きくて温かくて私はとろんとしたまどろみの中で指をしゃぶりながらまた眠ってしまった。
次にわたしが目覚めたときはもうおばあちゃんの家の中だった。
「おっ、千夏がようやく目を覚ましたぞ。ナイスタイミングだな」
パパがそういうとママが台所からお鍋を持ってきた。
どうやら丁度食事のときに目が覚めたようだ。
お鍋のいい香りが部屋の中に充満している。
それにしても、この暑い夏にお鍋とはママのセンスもなかなかのものである。
わたしは大きくあくびをすると席に着いた。
27
:
名無しなメルモ
:2011/07/20(水) 20:32:08
>>26
ふるだぬきさん更新ありがとうございます。
千夏はまたも割れ目を見られてしまいましたね〜
園児の身体に戻ってから父親と弟から割れ目を見られまくりですね。
それにキノコの効能かなり楽しみです、千夏がどんな変化をするのか気になります!
オナニーを知ってたみたいなので元々はえっちな女子高生だったはずの千夏には
これからもまだまだ更に恥ずかしい体験をてほしいですね!
ふるだぬきさん続きすごく楽しみに待ってますよ〜
28
:
ふるだぬき
:2011/07/20(水) 23:26:14
>>27
コメントありがとうございます。
ゆっくり更新していきますのでのんびり見てください。
と、いうわけで“きのこ”の話の10話目と11話目です。
29
:
ふるだぬき
:2011/07/20(水) 23:27:08
『千夏がんばるっ!(10)』 〜お鍋パニック(前編)〜
「あれ、おばあちゃんは?」
食卓におばあちゃんがいないことに気づき、きょろきょろと見渡した。
「おばあちゃんはちょっとお出かけしてるのよ」
ママはお鍋から具をお椀にとりわけながら教えてくれた。
たしか集会に行くとか言っていたような気がする。
「んー、このきのこおいしいね」
パパがおいしそうに神社でとってきたきのこを食べている。
「わたしもほしい〜」
「もうちょっとまってね、まだ熱いからね」
ママの言葉も聞かずにお椀をもったのがよくなかった。
「あついっ!」
わたしの手を離れたお椀は重力に引き寄せられその中身をぶちまけてしまった。
「あらあら、大変」
ママはこぼれたものを拭き始めたのだけどなぜか不自然さを感じた。
「ママの体が縮んでるよ!」
けんたが急に大きな声を出したのでわたしはびっくりした。
ママは縮んでいく自分の体を見ながら
「あらあら、大変」
と、さっきお椀を落としたときと同じ反応をしたのでおかしかった。
みるみるうちにママは小さくなり服が脱げて素っ裸なると、
いきなりわたしに抱きついてきた。
「ちぃちゃんあそぼっ!」
くるっとした癖っ毛のママがまんまるな目でのぞきこんだ。
わたしは一緒に遊びたい衝動を必死に抑えながら考えた。
ふと、けんたのほうをみると口をぽかんとあけてパパの座っていたあたりを見ている。
わたしもパパの座っていたところを見て驚いた。
そこにはパパではなく小さな子どもが座っていたのだ。
つまり、今この家には4人の子どもしかいない。
しかも一番年上が小学3年のけんたなのだ。
どうしたらいいのか分からず今にも泣き出しそうなけんたはあまりあてにならないので、
わたしがしっかりしないといけない。
まず原因を探さないと・・・
机に目をやるとまだ中身に手がついていないお椀が1つあった。
そのとき、わたしはビビビッときたのだ。
「けんた、お鍋食べた?」
「食べてないよ、だって食べようとしたらちぃがお椀ひっくり返しちゃったから」
やっぱりそうだったんだ。
ということは、このお鍋が怪しいってことね。
お鍋の中を覗き込むといかにも怪しいものが浮いていた。
もしかして、このきのこが原因なの!?
30
:
ふるだぬき
:2011/07/20(水) 23:28:46
『千夏がんばるっ!(11)』 〜お鍋パニック(後編)〜
きのこが原因だとしてこういう時どうしたらいいんだろ。
救急車? 警察?
うーん、どちらもなんか違う気がする。
「あっ!」
わたしは大事な人を忘れていた、そうだおばあちゃんに聞けば何か分かるかもしれない。
集会は確かいつも村の公民館でやっていたはず・・・。
「けんた、公民館に行っておばあちゃんを呼んできて」
わたしの言葉にけんたははっと我に返り『うん』というと公民館へと向かって家を飛び出していった。
若返ったパパとママを見張っておくためにわたしは家に残った。
大人しくしていたと思っていたパパとママを見て思わず赤面してしまった。
「ちょっとパパ、ママなにしてるの!?」
子どもだからえっちな考えはないとしても裸で抱き合っているのを見てしまうと
わたしが意識しちゃうじゃない。
2人を引き離すときちっちゃなパパのおちんちんに目がいってしまった。
思わず先っちょを摘んでみると気持ちいいのか悶えるようなしぐさをした。
へぇ、おちんちんってこんな風になっているのかぁ。
じーーっと見ているとママも興味をもったのか突然横からパパの大事なところを鷲掴みにした。
パパの顔が急に曇りだし目から涙があふれてきた。
それを見たママは『ごめんなさい』といってパパの手を自分のわれめのところに押し当てた。
「これでおあいこ」
ママって大胆って感心している場合じゃない。
「こらこら、そんなことしちゃダメ!」
その後、けんたが連れてきてくれたおばあちゃんのおかげで一気に解決。
なんとパパがとってきたきのこは“若返り茸”という珍しいものらしく、
大人が食べると子どもになっちゃう効果があるそうだ。
ただし、効果は1〜2時間程度で効果が切れると激しい眩暈、頭痛、倦怠感など
さまざまな嫌な副作用で2〜3日は動けなくなるらしい・・・
ついでに子どもが食べても害がないらしく、わたしやけんたが食べても大丈夫だったみたい。
でも、今回の件でパパとママが2〜3日寝込むことになるのは間違いないので、
なんともかわいそうに感じた。
時間はもう夜の12時をまわろうとしている。
さきほどまでのドタバタが嘘のように今は虫の声しか聞こえない。
うとうとしているわたしをおばあちゃんがそっと抱き上げる感覚だけ伝わってくるが、
いろんなことがありすぎて疲れきったのか体が全く動かせない。
おばあちゃんはわたしを布団の上におろすとお腹が冷えないようにタオルケットを掛けてくれた。
薄れゆく意識の中で今日は本当に疲れたなぁと思った。
31
:
名無しなメルモ
:2011/07/22(金) 15:06:16
体は幼いながらも、頭脳は大人で判断力と羞恥心がある千夏の動向や続きが気になります。
帰り道で弟に泣き顔で甘えたり、子供だけになった家の中で冷静に原因や解決方法を探ったりする大人な千夏ですが、おもらししてしまったり、恥ずかしい目にあったり、疲れて眠ってしまったりと、頭が冷静である分だけ、子供の体に引きづられるのが映えますね。
外に出歩くのも一人では心配される年齢になってしまって、これから元に戻ろうとするのにどう動くのかが気になります。
しかし幼くなる原因は最初のガラス玉だけではなく、『ひとのみ』や『きのこ』など沢山あって、田舎は不思議な事が起こるのが似合いますね。
32
:
ふるだぬき
:2011/07/22(金) 23:54:25
>>31
>これから元に戻ろうとするのにどう動くのかが気になります。
実は次の話からかなり終盤になっちゃいます。
どうなるかはお楽しみで・・・
と、いうわけで12話目です。
33
:
ふるだぬき
:2011/07/22(金) 23:55:45
『千夏がんばるっ!(12)』 〜ママのおじいちゃん〜
ぐぅ・・・
自分のお腹の音で目が覚めた。
静まり返った部屋に時計の音だけが響いている。
「パパ、ママどこー?」
わたしは家に1人だけ残されたのではないかと不安になってパパとママを探した。
いくつかの戸を開けるとおばあちゃんがいた。
「どうしたの、お腹でも減ったのかい?」
わたしはほっとしてコクリと頷いた。
よっぽど疲れていたのかもう正午を過ぎている。
おばあちゃんも昨日からパパとママの看病でつきっきりになっているはずだから
大変なはずなのにそんなそぶりをぜんぜん感じさせない。
わたしはサトイモのにっころがしをフォークでさしてぱくりと食べた。
ふと、おばあちゃんはこんな広い家に1人で住んでいてさびしくないのだろうかと思った。
ママが子どもの頃におじいちゃんは死んじゃったとわたしが幼い頃に聞いた記憶がある。
「おじいちゃんが死んでずっとこの家にいておばあちゃんはさびしくないの?」
わたしの質問におばあちゃんは少し驚いていた。
「おじいちゃんが死んだって千夏ちゃんのお母さんがそういったの?」
わたしはおばあちゃんが何を聞きたいのかがよくわからなかった。
「千夏ちゃん、おじいちゃんは死んでなんかいないのよ。
いえ、あの子の中では死んだのかもしれないわね・・・」
予想もしていなかった言葉にわたしは黙ってしまった。
「日ごろ病気がちだったあなたのお母さんがある日、
何日も熱が下がらなくなったことがあったの、原因がわからなくてもう駄目だと思った。
そんなとき、あの人は突然この家を飛び出してそのまま行方がわからなくなってしまったのよ。
みんな病気の娘と妻を残して逃げたと言ったけど私はそう思わなかった。
あの人はそんな人じゃないと私は知っていたもの・・・。
でも、あの子が死んだといってたなら自分を見捨てた父親を心のどこかで憎んでいるのかもしれないわね・・・」
おばあちゃんは悲しげに話したが目は“あの人はきっと戻ってくる”といっているようだった。
「そういえば千夏ちゃん、お兄ちゃんはどこにいったの?」
そういえば、さっきからけんたの姿がどこにもない。
わたしは昨日の神社からの帰り道でした約束を思い出した。
『明日、池に捜しに行こうか』けんたはたしかにそういっていた。
なぜか不安な気持ちが湧き上がってきた。
それは少しずつ大きくなり、いてもたってもいられずおばあちゃんの家を飛び出した。
34
:
名無しなメルモ
:2011/07/23(土) 16:18:03
>>33
ふるだぬきさんいつも更新ありがとうございます!
パパとママの幼児化かなりえっちでしたね〜
田舎は不思議な出来事が起きそうな雰囲気持ってますから
千夏にはこれからも不思議体験をしてもらいたいですね
健太は祠のガラス玉を探しに行ったみたいですが、あれって健太が触れたらやばいような…
終盤に差し掛かったみたいですがまだまだ千夏には恥ずかしい体験をしてほしいです
ふるだぬきさん頑張ってくださいね!
35
:
名無しなメルモ
:2011/07/23(土) 17:29:45
とても続きが気になります
最後?にすごいどんでん返しがありそうです
色々想像できますが
ここはあえて黙って続きをお待ちします
36
:
ふるだぬき
:2011/07/23(土) 23:40:57
>>34
もう少しですので楽しんでもらえるようがんばりますね
>>35
>色々想像できますが
想像の斜め上をいっていればよいのですが、
伏線からかなり絞れるので大体あってるのではないかと・・・
さてと、夏はいろいろなことがあります。
ちょっとした油断が・・・まぁ、本編最後1つ前の13話目です。
37
:
ふるだぬき
:2011/07/23(土) 23:42:37
『千夏がんばるっ!(13)』 〜最後の願い〜
ぶかぶかサンダルを何度も脱げながらも池へと走った。
おばあちゃんが突然家を飛び出したわたしを追いかけてきている。
「千夏ちゃんどうしたの?」
わたしはおばあちゃんのほうを振り向かず走り続けた、
不安はますます大きくなってもうはちきれそうだ。
池に着くとあたりを見渡したがけんたの姿はどこにもみあたらない。
「けんにぃーー。どこにいるのーー」
わたしは大声で叫んだが返事は返ってこなかった。
草を掻き分けて進むと何かにつまずいた。
足元を見るとそこには赤いロボットが描かれたサンダルが落ちていた。
水辺に浮かぶけんたを見つけたのはその後のすぐの出来事だった。
わたしは部屋の片隅でふるえていた。
自分の身勝手な約束がこんなことになるなんて・・・。
けんたは病院に運ばれたがあの様子をみたら到底助かるとは思えなかった。
いっそのことわたしが本当に子どもだったらどんなによかったことか。
もしも願いが叶うなら・・・そう思ったとき“ひとのみ”のことを思い出した。
昼の蝉の声が嘘のように静寂に包まれた夕闇にぺたぺたという足音だけが幾重にも重なる。
何度も転び、体中アザだらけになってもわたしは走ることをやめようとしなかった。
走ることをやめればすべてが終わってしまうように思えたからだ。
神社の石段を上る頃には体力も底をつきかけていた。
「いっ・・・」
石段に足元をすくわれ思いっきりしりもちをついてしまった。
けれども、歯を食いしばり痛みをこらえながら石段をすべて上りきった。
涙と汗と血でぐちゃぐちゃな顔で必死にひとのみを呼んだ。
何回呼んだのだろうか・・・聞いたことのある声が聞こえた。
「なんじゃ、1日でえらくひどい顔になったのぅ」
もういないのではないかという不安から解放されわたしはほっとした。
「弟のけんにぃが・・・」
わたしがひとのみに助けを求めようとしたそのときうしろから静かな声がした。
「あなたが“ひとのみ”ね」
そこにはひとのみをじっと見つめるおばあちゃんがいた。
「おぬしの娘は元気でやっているかのぅ」
ひとのみはおばあちゃんに目をやるとニヤリと妖艶な笑みを浮かべた。
「それじゃあ、やっぱりあの人は娘のために命を懸けてあなたに願いをしたのね・・・」
おばあちゃんはひとのみを知っているようだった。
そして急におばあちゃんはわたしのところに駆け寄るとぎゅっと抱きしめた。
その手は暖かくそしてどこか寂しげに感じた。
「あなたに願いを叶えてもらうなら将来のある千夏ちゃんよりも老い先短い私のほうがいいわ」
おばあちゃんがぽつりとつぶやいた言葉にわたしはすべてを察した。
おばあちゃんを止めようとしてみたが強く抱きしめられているせいで動けないし、
口に手を押し当てられて声を出すこともできなかった。
「孫の健太をどうか助けてやってください」
38
:
名無しなメルモ
:2011/07/24(日) 21:57:13
>>37
ふるだぬきさん更新ありがとうございます!
やはり千夏のおじいちゃんはひとのみ様に願い事をして消えていたんですね。
願い事の大きさによって若返りの度合いが変わるので、
千夏のママはよほど重たい病気だったんでしょうね。
これで千夏は元に戻るチャンスはなくなってしまったように思われますが、
ふるだぬきさんの事だからあっと驚く恥ずかしい展開を用意されてるんでしょうね。
続きすんごく楽しみに待ってますよ!
39
:
ふるだぬき
:2011/07/24(日) 23:23:24
>>38
>あっと驚く恥ずかしい展開を用意されてるんでしょうね。
なんという高いハードル・・・
次回で本編は最後とか言ってましたがさりげなく2つに分けたほうがよさそうなのでわけました。
と、いうわけで14話目です。
40
:
ふるだぬき
:2011/07/24(日) 23:24:40
『千夏がんばるっ!(14)』 〜約束〜
抱きしめている強さがだんだん弱くなっていく。
見上げると顔の輪郭がふっくらしてすでにママぐらいになっていた。
その後も若返りはとまらず、とうとう今のわたしぐらいにまで若返った。
服はとっくに脱げ落ちふっくらした体は微かに震えていた。
目をぎゅっと瞑っているおばあちゃんを今度はわたしがそっと抱きしめた。
『こわくないよ』とわたしは何度も言い聞かせるように語りかけた。
1歳を下回る頃には安心したのかわたしの腕の中ですっかりと眠っていた。
さっきまでおばあちゃんだったのに今ではわたしよりも小さいことに幼い母性がくすぐられた。
「おぎゃーー」
突然の大声にわたしはおばあちゃんを落としそうになった。
どうやら生まれる前まで戻ってしまったようだ。
膝を抱え込み丸くなっていくおばあちゃんをただじっと見守ることしかできない。
若返りはさらに続き、小指よりもちいさくなり“ヒト”といわれないと
わからないくらいのピンクのかたまりになった。
そしてすぐに目では見えないほどになってしまった。
「あっ!」
わたしは自分の手のひらのおばあちゃんがいると思われるところを見ていると横から
ひとのみがひょいと摘み取り見つめた。
「ほぉ、止まっておるな・・・、喜ぶがいい願いは叶えてやるぞ」
どうやら、おばあちゃんは受精卵の状態で若返りが止まってくれたようだ。
そうだった、卵子から精子が抜けていたら願いは叶わないのだった。
もしも、わたしが願ったのならあっという間に卵子から精子が抜けて未受精卵となり
願いがかなわなかっただろう。
一息ついたところでひとのみは着物の袖から竹筒と杯を取り出した。
このままだとおばあちゃんが呑まれちゃうと思ったわたしは慌てて止めた。
「おばあちゃんを呑まないで!」
「ほぉ、それはおぬしの願いか?」
ひとのみは目を細めた。
「ち、ちがうよ。これは約束よ、そう約束。
わたしが大人になっても今日のことをずっと覚えていて、
受精卵になっちゃったおばあちゃんを育てられるようになったら、
絶対にここに来てわたしがおばあちゃんを育てるから食べないで!」
こんなハチャメチャな話まともに聞くわけがないとはわかっているけどなにかしたかった。
「やはりおぬしは面白いのぅ、人の“約束”とやらがはたしてどこまで信用なるものか楽しみじゃ。
それではこうしよう。15年後のこの日、この刻、この場所で会うとするかのぅ。
もし、おぬしが来なければ卵を食べる。万が一来ることがあればおぬしにこの卵を身籠らせてやろう。
じゃが、おぬしが思うておるより15年の歳月は人にとっては酷じゃぞ」
そういうとひとのみは社のほうに消えていった。
41
:
名無しなメルモ
:2011/07/25(月) 00:38:54
意外にも予想の斜め上を行く展開でした
赤ちゃんか胎児に戻って生まれ変わりは千夏だと思っていたんです
お爺ちゃんがどうなったのかは何となく見当がついたような気がしたんですが
それももしかしたら違うかも・・・
ひとのみのパワー強いですね
これじゃ千夏どころかお母さんでも未受精卵状態になるかも
続きを楽しみにしております
42
:
名無しなメルモ
:2011/07/25(月) 01:07:07
>>40
ふるだぬきさんいつも更新ありがとうございます。
あらら〜千夏は3歳から人生やり直しみたいですね!
自宅に戻ったら同級生達は高校生活だけど千夏は保育園生活、
たしかにこれはかなり酷な生活ですよね、どんなエンディングを迎えるのか
本当にドキドキしてきました、ふるだぬきさんどうか頑張ってくださいね!
43
:
ふるだぬき
:2011/07/25(月) 23:40:51
>>41
あれ、斜め上でしたか?
>生まれ変わりは千夏だと思っていたんです
それだと千夏はがんばれないですw
>>42
>どんなエンディングを迎えるのか
うちのこんなお話でよければ最後まで見てください
と、いうわけで本編最後の15話目です。(後日談があと少し続きます。)
44
:
ふるだぬき
:2011/07/25(月) 23:41:49
『千夏がんばるっ!(15)』 〜夏の終わり〜
「もう、おばあちゃんちでたいへんだったんだから」
ちぃは身振り手振りをしながらお友達のかなちゃんに夏休みにあったことを話した。
「うっそだー」
「うそじゃないもん、ほんとうだもん」
まったく信じてくれないので少しムキになっていた。
「じゃあ、ちぃちゃんのおばあちゃんちってどこにあるの?」
「そんなのかんたんだよ・・・、あれれ、どこだったかなぁ」
かなちゃんの質問に戸惑ってしまった。
さっきまでたしかに覚えていたと思ったのに今はもう思い出せない・・・。
ちょうどそのとき先生がちぃたちを呼んだ。
「ちなつちゃん、かなちゃんお昼寝の時間ですよ。お部屋に戻ってー」
「はーい!」
考えることをやめて元気よく返事をすると先生のところに駆けていった。
「2人ともお昼寝の前におトイレに行きましょうね」
先生にパンツを脱がせてもらいお花の絵が描かれてある便器にまたがった。
ちょっと前まではものすごく恥ずかしい気がしたんだけど、もうすっかり平気になっていた。
「おしっこでたー」
そういいながら先生のところに走っていった。
「ちゃんと拭かないとだめじゃない」
先生はティッシュでちぃのおまたを拭いてくれた。
「うぅ・・・くすぐったいよぉ」
ティッシュの感触がむずがゆいのでいつもひょこひょこしてしまう。
おトイレですっきりしたのでちぃとかなちゃんは仲良く寝ることにした。
「かなちゃん、おひるねのあといっしょにブランコであそぼうね」
「うん」
毛布に包まり親指を吸うとほんわりとした安心感が体中に広がり、
ゆったりとした時間の中でいつしか深い眠りに落ちた。
その寝顔はもうすっかり子どもになっていた。
45
:
名無しなメルモ
:2011/07/25(月) 23:50:13
うむむ…なるほど
タイトルにテーマが隠されていましたか
がんばるとはそういう意味ですね、納得です!
一人称が微妙に変わっている所が上手い!です
「わたし」が「ちぃ」になってます
そしてちょっと前まで恥ずかしかった事が恥ずかしくなくなっている
女子高生だった自覚が消えてなくなっていくわけですね
更新ありがとうございます
後日談もとても楽しみです。すごく読み応えがあって楽しいです
46
:
名無しなメルモ
:2011/07/26(火) 16:25:05
..:: ノノノ ノノ ノ ::.. スヤスヤ
..:: / ヽ、::.. *************
..:: / ヽ ::.. * *
..:: / ヽ ::.. * 無限の可能性を持ち *
..:: / i ::.. * 誰からも可愛いと言われてた *
..:: | ヽ γ__,ヽ ::.. * 産まれたばかりの頃の *
..:: | ー― ) 'ヽ ::.. * *
..:: ヽ(⌒ :::::::::::: ,(_,_,_)、:::::: i ::.. **************
..:: ヽ ヽ__) :::::::::::: / ,‐v‐、 ::: i ::..
..:: \ ヽ二ノ ノ  ̄ ̄ ̄ヽ
..:: ヽ、 )ノ
..:: / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
..:: /
47
:
名無しなメルモ
:2011/07/26(火) 18:34:00
>>44
ふるだぬきさん本当にありがとうございました
ふるだぬきさんの書く田舎ののどかな風景やノスタルジックな感じが大好きで、
かなり作品にのめり込んでしまいました。やはり田舎の風景は夏にかぎりますよね!
それに最初は女子高生の肉体と立場を喪失して恥ずかしがっていた千夏が、
段々と幼児化していく描写もさすがだな、と感服してました。
後日談も楽しみにしておりますのでラストスパート頑張ってください
48
:
ふるだぬき
:2011/07/27(水) 22:06:01
>>45
>一人称が微妙に変わっている所が上手い!です。
一人称だけでなく両親の呼び方も変わってたりしますよ。
>>47
田舎ののどかでどこか不思議なところが好きですね。
文章で書くと読み手のイメージがでてくるのでそれぞれの田舎の風景が浮かぶのではないでしょうか?
と、いうわけで後日談1です。
49
:
ふるだぬき
:2011/07/27(水) 22:07:23
『千夏がんばるっ!(後日談1)』 〜狸神と人呑み〜
「どうしておらがこんなところまで来ないといけないのだ・・・」
「そういうな、古狸。おぬしの力が必要なのじゃ」
「“古狸”と呼ぶのなら帰るぞ」
「冗談じゃ、狸神」
人呑みはおらの手を引っ張って朽ち果てた神社へと連れてきた。
「それで、ここでなにをするんだ?」
妙にニヤニヤしながら人呑みはこたえた。
「ここで“賭け”をするのじゃ」
こういうとき神は損だ、だってほんの少し先が分かってしまうからだ。
だから人呑みがやりたいことも大体はわかっている。
「神は賭けをしない。先がわかるのだから・・・」
「ほぉ、神ともあろうものが怖いのか、わらわと賭けをするのが・・・」
今回もどうしても退く気はないのかと思いながらしぶしぶ承諾した。
「今日この場所で、ある娘とちょっとした約束をしておる。
娘がくるか来ないかを賭けようと思うてな」
あぁ、そういうことか・・・面倒な役回りを頼まれたものだと思った。
「では神は先がよめるということなのでわらわから賭けるとするかのぅ。
わらわは来るほうに賭ける、ということはおぬしが必然的に“来ないほう”となるわけじゃな」
おらは1つ気になることがあったので聞いてみた。
「おらが勝ったら何がもらえるんだ?」
その問いに人呑みはあっさり答えた。
「わらわが1つ望みを叶えてやるぞ」
「ついでにおらが負けたらどうなるんだ?」
その問いにも人呑みはあっさり答えた。
「おぬしに1つ望みを叶えてもらうぞ」
「・・・・・・」
にぎやかな蝉の声はいつの間にか止み緋色が辺りを包んだ。
人呑みがこんなに人に興味をもつとは意外だった。
そもそも、わざわざおらを呼んだということは人呑みは娘とやらが来ると確信しているからなのだ。
たぶん、娘と何らかの約束を交わし約束を守れば願いを叶えるとでもいったのだろう。
だが人呑みの願いは相手の歳を若返らせることが条件となる。
つまりは若返らせるという代価を払わなければ願いを叶えられない。
しかし、神であるおらは代価なしで願いを叶えられる。
人呑みはそれが目当てであることまではわかっているが願いが何かまではまだわからない。
変な願いでないことを祈っているとき、誰かが石段を上ってくる音が聞こえた。
こんな何もないところにくるのは9割9分人呑みがいっていた娘だろう。
「わらわの勝ちのようじゃな」
石段のほうをみるとそこには一人の娘が立っていた。
50
:
名無しなメルモ
:2011/07/27(水) 23:26:11
あー、気がつきませんでしたが
かなり早い内に両親の呼び方が
「お父さん・お母さん」から「パパ・ママ」に変わってましたね
あと神様の名前が「狸神(古狸)」様、「お狸様」なんですね(笑)
狸神様の一人称は「おら」なんですね
「平成狸合戦ぽんぽこ」を思い出しました
後日談まだ続くのですね。楽しみにしております!更新ありがとうございます
51
:
名無しなメルモ
:2011/07/28(木) 07:08:45
>>50
ふるだぬきさん更新ありがとうございます!
千夏がどんな娘に育ったのかすごく楽しみです!
そしてオチはどんなオチが待っているのか気になって仕方ありません。
狸神がどんな力を持っているのかはもちろん、千夏を若返らせた祠の水晶の神様もどんな神様なのか楽しみですね、
とにかく田舎の夏の風景描写も併せて本当に大好きな作品になってしまいました。
この先長い年月私の記憶に残る名作になるのは間違いありませんね。
52
:
ふるだぬき
:2011/07/28(木) 21:41:17
>>50
>「平成狸合戦ぽんぽこ」を思い出しました
ずばり正解です。
ぽんぽこは大ファンなので影響をもろに受けてます・・・
>>51
うぅ・・・かなり期待されてますがさりげなく次で最後です、すみません。
と、いうわけで後日談2です。
53
:
ふるだぬき
:2011/07/28(木) 21:42:52
『千夏がんばるっ!(後日談2)』 〜新たな命〜
私は誰もいない境内に立っている。
今思えばおかしな話過ぎて夢だったんじゃないかと思うのだけど、
どうしても来ないといけないという漠然とした気持ちを抑え切れなかった。
15年前のこの日この場所でおばあちゃんは受精卵に戻った。
そんな馬鹿げた話を誰が信じるというのだろう。
おばあちゃんが行方不明になったその日から私だけが知っている。
いや、正確には知っていた気がする程度のものだけど・・・。
田舎のきれいな空気を胸いっぱい吸い込むと境内に響き渡る声で叫んだ。
「人呑み、戻ってきたよー」
すると、ぼろぼろになった社の陰から15年経っても姿が変わらない人呑みと
毛むくじゃらの物体がこちらにやってきた。
ん・・・よくみると毛むくじゃらのほうは2足歩行するタヌキのようだった。
「もしかして、お狸さま?」
人呑みは急に笑い出した。
「狸神よ、呼ばれておるぞ。お・た・ぬ・き・さ・まとな」
2足歩行する狸は人呑みの言葉にむっとしたようだったが落ち着いた様子ではなし出した。
「娘よ、残念ならがおらは“お狸さま”とやらではない。
そもそもお狸さまとやらは人の信仰心が作り出したもので、そんなものはどこにもいない。
まぁ、そんなことはどうでもいいとして人呑みに頼まれておぬしの願いを叶えてやろう。
さてと・・・早速始めようと思うのだがおぬしぐらいの歳では恥ずかしいかもしれんが、
卵は当然“生むところ”から入れなければならん」
あぁ、そうかと思い私はするりとズボンとパンツを脱ぐとふさふさとした陰毛に包まれた割れ目が顔を出した。
狸神の毛むくじゃらの手がそっと私の割れ目に触れると、
何かがお腹に入ってくるようなモゾモゾした変な感触が股の間から伝わってきた。
そして、しばらくするとおへその下あたりがずんっと重たくなった。
まるで生理痛のような感じだ。
「ふぅ、なんとか着床した。こんなことをするのは始めてなので勝手がよくわからん。
さてと、念のために子が安定するまで成長させておくかの・・・」
狸神は大きなため息をつき、すっと手をかざすとゆっくりとお腹が丸みを帯びだした。
体の変化と一緒に親になったという実感も不思議とわいてきた。
「これ以上はおぬしの体にも障るのでやめておくとしよう」
そういうと、狸神は手をかざすのをやめた。
今の私のお腹は妊娠5ヶ月ぐらいの妊婦さんのようにぽってりとでている。
そっと触ってみるとわずかに胎動を感じられる。
「私がおばあちゃんを生んであげるね」
どのくらいの時間がたったのだろうか、ふと気づくと境内は私だけとなっていた。
私は心の中で人呑みと狸神に感謝した。
これから子どもを育てるとなるといろんな困難があるだろう、でも絶対乗り越えてみせるんだから。
「千夏がんばるっ!」
期待を胸に大空に向かってお腹の子をしっかり育てていくことを誓った。
54
:
ふるだぬき
:2011/07/28(木) 21:45:39
あとがき
初めて長い文章を書いてみましたがどうだったでしょうか?
実はこの話、終わりのほうは一番最初に決まっていたんです。
最後が決まっていたせいかどうもカタイ文章になったなぁというのが正直な感想です。
少しでも読む人の心を楽しませたのならこの話も報われるでしょう。
55
:
名無しなメルモ
:2011/07/29(金) 03:23:42
ふるだぬき様
お疲れ様でした
とても良かったです
最近落ち込んでいたので「若返り」だけがテーマでなく
「ほのぼのできる」「元気になれる」のが嬉しかったです
ラストを決めて逆算して物語を作るのはとても良い方法なのではないでしょうか?
(私自身は創作をした事がないのに偉そうな事を言ってすみません)
千夏が18歳独身?(なのかどうかはっきりはわかりませんが)で
子供を妊娠して産むのは大変なのかな?等の疑問は残りましたが
(もしかしたらもっと年上なのかもしれませんし、結婚してるのかもしれませんけど)
はっきり決着をつけてきっぱり終ったのもとても良かったです
私も「ぽんぽこ」の大ファンです
狸神様のイメージは小さん師匠が声を担当していた和尚狸です
本当にお疲れ様でした
56
:
名無しなメルモ
:2011/08/01(月) 19:01:41
>>54
ふるだぬきさん長編お疲れ様でした。
桜の花びらと同じく私にとって忘れられない作品になりそうです。
今作の田舎の風景やひとのみや狸神の設定は出来ればまた
登場人物を変えて続編をお願いしたくなるほどのお気に入りになってしまいました。
グラビアモデルや不良少女、ギャルといった田舎とは無縁そうな女性で
いつかまた続編をよろしくお願いしますね。
57
:
とも
:2011/09/11(日) 10:44:53
>ふるだぬきさん
自分も桜のはなびらは大好きでよく読んでいました。
ほのぼのした作品をありがとうございました。
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