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幼グレット

1名無しなメルモ:2007/01/11(木) 01:36:39
ある晴れた土曜日の朝、今年から大学に入って一人暮らしをはじめた私は
習慣の朝の散歩の途中公園の近くを通りかかった。
「おにいちゃん待ってよ〜」 「へへー、待たねぇよ〜」
子どもの遊ぶ声が聞こえる。
いいなぁ、楽しそうだなぁ、あの頃に戻りたいなぁ…
「あ、今、子どもに戻りたい!って思わなかった?」
え?と思って振り返るとそこには小学校低学年ぐらいの見た感じ普通の女の子がいた。
「どうしてわかったの?」
と聞くと
「不思議でしょ〜。それより子どもに戻りたいんでしょ?」
と聞き返してきた。
「そんなことできるわけないでしょ。大人をからかっちゃダメよ」
そう言って私は女の子に背を向けた。すると、
「できるもん!でもここでやるとお姉ちゃん困ると思うからお姉ちゃんの家に行こ!」
怒ったように言い出した。まぁこんな小さな子を家にあげても何か悪さできるわけないかと思い、
「わかったわ。ついてきて。」
とその女の子を私の住んでるごく平凡なアパートに案内した。
部屋に入るとその子とテーブルを挟んで座った。
「それでどうやったら子どもに戻れるの?」
「それはねー」
と女の子は一粒のラムネ菓子をポケットから取り出して渡してきた。
「これってヨー○レットじゃない!子どもの頃よく食べたわ。」
「いいから食べてみて」
私は半信半疑だったけど口に入れて、噛み砕いて、飲み込んだ。
「何も起きないじゃないの」
「ふふっ、そろそろよ」
すると私の(それなりにあった)胸が風船に穴があいたように小さくなっていく。
それと同時に手も袖の中に隠れてしまった。
背も低くなっていって、目線が目の前の女の子と同じぐらいになってしまった。
「本当に小さくなっちゃった!!」
と叫んだ声もすっかりかわいらしい幼い声になっていた。
「かわいくなっちゃったね、舞ちゃん♪ 鏡を見てごらん。」
なんでこの子は私のは私の名前を知ってるのかという疑問はおいといて、ずり落ちてしまいそうなスカートを押さえながら
立ち上がって鏡を見ると小学生低学年の頃の私の姿が映っていた。
私は女の子の前に座りなおして聞いた。
「これ、どうなってるの?」
「さっきのラムネは幼グレットっていってね、食べた人は肉体年齢が半分になっちゃうの。」
と得意げに話した。幼グレット?食べると肉体年齢が半分になる?そんな非現実的なことあるわけない…
でも現に私は子どもに戻ってしまっている。っていうかこの子も本当は大人?
「つまり、私は18歳の半分の9歳になっちゃったってことね。いつぐらいまで効果は続くの?」
「時間は個人差があるから。長い間そのままの人もたまにいるわ。そうだ、人によっては副作用が出るから注意してね。」
副作用?何が起こるんだろう?
「じゃ、そろそろ行くね。幼グレットを一箱置いてくから好きに使ってね。またね、舞ちゃん♪」
そう言って女の子はテーブルに箱を置くと立ち上がって玄関の方へ歩いていった。
「ちょっと待って!なんで私の名前知ってるの?っていうかあなたの名前は?」
女の子は振り返って答えた。
「あ、それはさっき家に入るとき表札見たから。 それと私の名前は小夜(さや)っていうの。」
表札見たのか。ちょっと拍子抜けしてしまった。
「またね、小夜ちゃん」
私はダボダボになった袖をまくって手を出して小夜に振ると、小夜もにっこり笑って手を振りかえして部屋を出ていった。

念願どおり(?)子どもに戻ったけど… 何しようかな。

19名無しなメルモ:2007/03/05(月) 22:49:55
二人ともダボダボのパジャマを着て風呂場から出てきた。
「パジャマがでっかい〜」
美奈ちゃんがつぶやくと舞ねぇが
「しょうがないでしょ、2着あるだけ感謝してよ。亮にぃももう寝る?」
と言ってきたので
「あ、俺もシャワー浴びてくるから」
と俺はさっさとシャワーを浴びて戻ってくると、二人はベッドに座っていた。舞ねぇが振り向いて
「ベッド一つしかないんだけど、どうしよっか?3人一緒に寝る?」
と言うと美奈ちゃんも
「いいよー。」
なんてのん気に言っている。
いくらなんでも女の子と一緒に寝るなんて、っていうか3人は狭いだろ!
「ベッドは二人で使って。俺は床で寝るから掛け布団一枚貸して。」
舞ねぇは残念そうに
「昔はよく寒いからって一緒に寝てたんだけどなー」
とつぶやいた。美奈ちゃんがいる前で恥ずかしいこと言うなって。
「へー。うらやましいなぁ。私もお兄ちゃんか弟欲しかったな〜」
って美奈ちゃんまで。子どもになる前からだったけど、美奈ちゃんってどっかズレてる。
「じゃ寝よ」
と言いながら舞ねぇは蛍光灯のヒモを引っ張ろうとしているけどちょっと届かない。
「俺がやってあげるから舞ねぇはベッドに入ってて」
舞ねぇがベッドに入ってから俺はヒモをカチカチカチっとひっぱって電気を消して床に横たわって布団をかぶった。
暗闇の中で舞ねぇは
「明日は三人でお洋服買いに行こうね。」
と言った。
「うん、行こ」
美奈ちゃんも答えた。
「ああ、行こう」
と俺がしゃべったのを最後に俺も舞ねぇも美奈ちゃんも疲れていたのかすぐに寝てしまったようだ。
・・・
背中が痛くて目が覚めた。床に寝たからだ。こんなことなら一緒に寝ればよかったか。
テーブルに置いておいたケータイで時間を見るとまだ7時だ。
俺は体を起こして隣のベッドを見ると、大人の女性が二人横たわっていた。もちろん舞ねぇと美奈ちゃんだ。
二人とも元に戻ってる!でもどうして?
「舞ねぇ、美奈ちゃん、起きて!」
俺は舞ねぇをゆすると
「亮にぃ〜もうちょっと寝かせて〜」
と甘えた声を出したが、色っぽくなっている。自分でもその変化に気づいたのか、舞ねぇはがばっと体を起こして、遠くにある置き鏡を見て叫んだ。
「あー!!元に戻ってる。よかったぁ。でも・・・」
「でも?」
「でも、なんだか寂しいな」
そうつぶやくと舞ねぇはベッドから降りて俺に抱きついてきた。
昨日とは別の所のやわらかさを感じる。舞ねぇって結構・・・じゃなくて、
「み、美奈ちゃんは起こさなくていいの?」
「ぐっすり寝てるみたいだから起こさなくてもいいんじゃない?ふふっ、起きたらびっくりするだろうな〜」
そう言うと、舞ねぇは俺をはなして背筋を伸ばすと、
「昨日はありがとね、亮にぃ♪」
と子どものような笑顔を、俺に向けた・・・

20名無しなメルモ:2007/03/05(月) 22:53:38
また遅れてしまってすいません。エピローグを書くかもしれませんが、ひとまずこれで終わりです。
妄想癖さんレスありがとうございます。そんなに褒められると照れてしまいます。

21名無しなメルモ:2007/03/18(日) 23:21:33
私が元に戻ってからから二日が経った。
亮くんもみーちゃんも帰ってしまった。
子どもに変身してた時は体も気持ちも軽かったのに、元に戻った今はまるで鎧を着込んでしまったようだ。
そんなこんなで大学を休んで家にずっといて、夕方ぐらいのことだった。
「ピンポーン♪」
ドアホンが鳴ったので出てみると、そこにはポニーテールで制服を着た中学生ぐらいの女の子が立っていた。
女の子は無言だったけど雰囲気でわかった。
「小夜ちゃんでしょ?」
私が口を開くと女の子は
「正解!よくわかったねぇ〜。今日は中学生バージョンだよ☆」
中学生バージョンって・・・この子、本当はいくつなの?
「ともかく入って」
と言って小夜ちゃんを家にいれて、お茶を出して、一昨日の話をした。
小夜ちゃんは
「へー。弟さん優しいんだね。楽しそうでよかった。実はね、あれって一晩寝ると元に戻っちゃうの。『寝る子は育つ』って言うでしょ」
私は驚いて
「え、いつ元に戻れるかはわからないんじゃなかったの?」
と聞くと小夜ちゃんは微笑みながら答えた。
「ふふっ。だって、いつ戻れるか知らない方が楽しいじゃない。心も頭も子どもになっちゃって結構不安になったでしょ?」
なんて腹黒なの!でも・・・
「本当に不安だったんだからね!でもその腹黒っぷり私達、気が合いそうね。」
「そうね。あ、私そろそろ帰るね。」
「うん、また来てね。」
私達はお互いに手を振って、小夜ちゃんは部屋から出ていった。
そっか一晩寝れば元に戻れるんだ。じゃあ・・・
・・・
舞ねぇ若返り事件から一週間経った。
黒沢はぷよぷよの特訓してるらしいが、再戦の機会は多分ないだろう。
美奈さんは元に戻った後、
「よかった〜。お帰り、私のムネ」
とつぶやいていた。その後、舞ねぇの話によると
「山本君より亮君の方が頼もしくて好きかなー」
って言ってるらしい。舞ねぇ情報だからアテにならないが。
その舞ねぇ本人は小夜ちゃんに会って幼グレットの効き目は一晩寝るとなくなると聞いたんだとか。
最近、舞ねぇは幼グレットを飲み、若返って子ども服を着るのにハマってるらしい。
今日は自分の姿をケータイのカメラに撮って俺に送ってきた。
写真の中で舞ねぇはお団子頭にしてワンピースを着てセーラー○ーンみたいなポーズを決めている。本文には、
「みーちゃんに撮ってもらったんだけどどう?似合ってるかな?」
と書いてあった。こんなの友達に見られたら確実にロリコン認定されるって!
あーもう、でもかわいすぎて消せない。しばらくはとっておこう・・・

22名無しなメルモ:2007/03/18(日) 23:23:07
また遅れてしまいました。これで完結です。
次回作の案もあるのですが、オチが思いつかないのと最近忙しいのでしばらく先になると思います。
ご愛読ありがとうございました。

23名無しなメルモ:2007/05/02(水) 22:57:36
亀レスだが、おもしろかったぜ。GJ!

24あーるゆー:2009/12/19(土) 01:25:46
ちょっと時間ができたんで続編を書いてみます。
適当にハンドルネームも見繕ってきました。

おさらい
幼グレット 某ラムネ菓子に似ている錠剤。食べると肉体年齢が半分になる。副作用で精神年齢も退行してしまうことがある。
一晩眠ると元の姿に戻る。

主な登場人物
亮 主人公。高校2年。姉に振り回されるツッコミ役。
舞 亮の姉。大学1年。大学近くに下宿している。幼グレットを食べて若返って亮を振り回した。
美奈 舞の大学の友人。舞に相談しようと下宿に来た時にお菓子と間違えて幼グレットを食べて若返った。舞の教育によって妹キャラになった。
小夜 舞に幼グレットを渡した謎の少女。最初は小学生ぐらいだったが、次に現れた時は中学生ぐらいになっていた。

25あーるゆー:2009/12/19(土) 01:27:47
「亮にぃ〜また若返っちゃった〜 亮にぃ暇でしょ〜 おうちに来て遊そぼ〜」
舞ねぇからこんなメールが届いたのはこの前と同じような晴れた土曜日のことだった。特にすることもないし電車に揺られること1時間半、昼ごろ舞ねぇの下宿先に来た。この前の若返り事件以来だ。
舞ねぇの部屋のドアを開ける。舞ねぇの姿は見当たらない。
するとドアの陰から急に舞ねぇが出てきた。大人の姿のままだ。
「えっ!?」
俺は思わず口を開いてしまった。そこに舞ねぇは何かを俺の口の中にいれて、手で口をふさいだ。
ペロッ・・・これは・・・幼グレット!いや食べたこと無いからわからないが。
って俺、若返っちゃうよ!
「ん〜!ん〜!」
俺は必死にもがいたが舞ねぇは口から手を離さない。
俺は舞ねぇより背が高いはず。でも今、俺は舞ねぇを見上げている。
観念して暴れるのをやめた。体はどんどん小さくなって手がシャツの中に入って、履いてきたズボンも落ちてしまったところで若返りが止まったみたいだ。
舞ねぇごしに置き鏡を見た。そこにはかわいらしい小学校低学年の男の子が映っていた。
姉弟だけに若返った時の舞ねぇにちょっと似てる気がする。
それと周りのたんすや押入れがとても大きく見える。
「なんてことするんだよ!」
声が高くなってる。自分の声にびっくりした。
舞ねぇはしゃがんで俺の目線に合わせて言った。
「亮くんショタ化計画成功!亮くんは元々17歳だから大体8歳ぐらいになったのよね。騙してごめんね。それにしても・・・」
そういうと俺を抱きしめて
「かわいい〜!子どもテンチョーみたい!」
「うわ、やめろ!」
舞ねぇは俺を放して立ち上がった。
「おなかすいたでしょ〜。亮くんの好きなラーメン作ってあげるから、向こうにある子ども服に着がえて待っててね。」
「う、うん。」
子ども服まで用意しているとは計画的犯行だ。
俺はズボンを引きずりながら置き鏡の近くに置いてある子ども服を手に取った。
長袖Tシャツに、ジャケットに下着に・・・半ズボン!?
「は、半ズボン!?これ恥ずかしいよ。小学生じゃあるまいし。」
俺は思わず声をあげた。
「昔、クラスにいたでしょ。いっつも半ズボン履いてる子。そういうことよ」
と台所の舞ねぇが答えた。確かにいたけど俺は違うって!
着ていた服を脱ぐのに苦戦しながら
「舞ねぇ・・・妹になってる時の方がよかった・・・」
俺はつぶやいた。ともあれ、今日一日俺は舞ねぇに可愛がられるのであろう・・・

26とも:2009/12/19(土) 16:30:51
>あーるゆーさん
久々の続編ありがとうございます!
ショタ化された弟は可愛いですね☆
ゆっくり姉に可愛がってもらえそうで羨ましいです♪

27あーるゆー:2009/12/20(日) 01:21:28
苦戦したけど着替え完了。鏡で自分の姿を確認する。ほんっとに小学生だ。
それからしばらくして
「亮くん、ラーメンできたわよ〜」
と呼ばれたのでテーブルに座って舞ねぇと向かい合った。
「熱いからフーフーしてから食べるのよ」
舞ねぇはニコニコしながら俺を見てる。見られてると食べづらいんだけど。
俺は麺を箸で掴んで言われたとおりフーフーすると・・・
「あぁっ!もう亮くんのほっぺたかわいい〜」
と指で頬をツンツンつつきだした。
「もーやめろってぇ!」
そういや舞ねぇは若返った美奈ちゃんにも興味津々だったよな。舞ねぇの将来は大丈夫なんだろうか?
舞ねぇに聞いてみた。
「どうして俺を若返らせたの?」
「だって、この前は私が若返ったでしょ?だから今度は亮くんが若返る番かなと思って。予想通りかわいくって満足だわ〜」
そんな理由でか!
ラーメンを食べ終わったあと、舞ねぇが
「食後の頭の体操ってことでぷよぷよやらない?」
と聞いてきた。どーせ断れないのでやってみたが、瞬殺されてしまった。
「少しは手加減してよ〜」
「ふふっ、私の勝ち。じゃ罰ゲームね」
「え、罰ゲーム?」
「そう、これから亮くんにはお外で遊んできてもらいます。一人で」
舞ねぇはニコニコしながら近くの袋から子ども用の靴を取り出した。マジックテープの靴ってめっちゃ懐かしい。
「財布は私が預かっとくわ。かわりにこれでお菓子でも買ってね」
舞ねぇは自分の財布から300円を出して俺に渡した。
「ケータイは持っといた方がいいと思うわ。ほら、若返っちゃったから、家がわからなくなると大変だから」
いや、ケータイの使い方がわからなくなったらどうするんだよ。
「それとこれも持っていって」
舞ねぇは俺の手に何かを掴ませた。これって幼グレットじゃないか!
「こんなの何に使うんだよ!」
「もしもの時に」
一体、どんな時に使うんだ!?
「5時のチャイムが鳴ったら帰ってくるのよ。じゃあ、行ってらっしゃい」
舞ねぇは笑顔で手を振った。舞ねぇはほんと無茶苦茶だ。
でも子どもの姿で外を歩いてみるのもいいかもしれない。
俺ってこんなポジティブだったっけか。
「うん、行ってくる」
俺は靴のマジックテープをとめるとドアを開け、外へ出た。

28あーるゆー:2009/12/20(日) 01:22:27
>ともさん
コメントありがとうございます。
まさかの放置プレーです(笑)

29とも:2009/12/20(日) 10:32:42
>あーるゆーさん
放置プレイもまた良いものですね!
僕も幼児化されて子どもの恰好で外に放り出されたいです(笑)

30あーるゆー:2009/12/22(火) 01:01:00
外に出て俺はその辺をテキトーに歩いた。
半ズボンは結構スースーするんだな。
周りの塀、後ろから近づいてくるスピードを出したチャリ、何もかもが大きくて怖い。
子どもってこんな感じなんだな。
ちょっと歩いただけで疲れてしまったので近くの公園に入ってベンチに座った。
公園では子ども達がサッカーをして遊んでる。ふと隣のベンチを見ると(今の)俺と同じぐらいの女の子がうつむいて座っていた。
どうやら泣いてるみたいだ。
「どうしたの?」
思わず俺は声をかけてしまった。
「う、うえ〜ん!!!!」
女の子は大きな声で泣き出した。そうだよな、声かけられると余計に泣きたくなるんだよね。そういえば舞ねぇに300円もらってたんだっけ。
「俺がジュースを買ってあげるよ」
と言うと女の子は
「え、いいの!?」
と言った。なんて現金な子なんだ!俺と女の子は自動販売機まで歩いた。
「あたし、コーラがいい」
自販機のコーラのボタンは高い位置にある。
「えぃ!」
背伸びしてコーラのボタンを押した。
俺はボタンに手が届く位置にあるコーヒーを買った。
「コーヒー飲めるの?」
と女の子に聞かれたので
「大丈夫だよ」
と答えて、さっきのベンチに戻って一緒に座った。缶を開けてコーヒーを飲んだ。
「にっっっっっっがい!!」
なんだこりゃ、めちゃくちゃ苦い。とてもじゃないが飲めない。
体が子どもに戻ったってことは味覚も子どもになってしまったということなんだろう。
「私のコーラで口直しする?」
とコーラを俺に手渡した。
「あ、ありがとう」
と俺はコーラを取って、飲んだ。すると女の子は
「これって間接キスだよね。」
と言った。間接キスって小学生か!と思ったが、この子は本物の小学生だ。
俺は本題に入った。
「どうして泣いてたの?」
「えっとね、私のお兄ちゃんが私をいじめるの。ご飯の時、私のおかず食べちゃうし、私のマンガ持ってっちゃうし、お気に入りのお人形隠しちゃうし」
ああ、それなら心当たりがある。現に俺が今やられてる。
「それってお兄ちゃんは君のことが好きなんじゃないかな?」
女の子は不思議そうな顔をして
「なんで?イジワルするのに好きなの?」
「好きな子はいじめたくなるって言うだろ?俺にもお姉ちゃんがいるんだけどね、
よく俺をいじって遊ぶんだけど、多分俺のこと好きだと思うんだ」
「ふーん」
「だから今度君のお兄ちゃんがいじわるしたら『お兄ちゃんって私のこと好きなの?』
って言ってみて。そうすれば恥ずかしくなってイジワルしなくなると思うよ。」
(舞ねぇにはこのやり方は通じないと思うけど)女の子は喜んで
「うんわかった、やってみるね!」
と立ち上がると
「じゃあおうちに帰るね。コーラありがと。また遊ぼうね」
と言って走っていった。二度と会うことはないと思うけど。
これからどうしようか。
立ち上がって水飲み場で飲み残しの缶コーヒーを捨てていると植え込みの向こう側の歩道を
見覚えのある童顔・巨乳・天然と三拍子揃った美少女が歩いていた。

31あーるゆー:2009/12/22(火) 01:03:36
>ともさん
よくよく考えると結構ひどいことしてるんですよね。
家の中だとずっと舞のターンになってしまうので外に出してみました。

32あーるゆー:2009/12/25(金) 01:23:01
植え込みの向こう側に歩いていたのは美奈ちゃん・・・もとい美奈さんだった。
「えぃ!」
子どもならではの無茶技で俺は植え込みを飛び越えると
「待って〜」
と美奈さんを追いかけた。
「ん?」
美奈さんは声に気づいて立ち止まったから追いつけた。
「どうしたの?ボク?」
と美奈さんは俺に目線を合わせようとかがんだ。胸がたゆんとゆれる。
「あ、あの俺、亮なんです!」
「りょう・・・?」
ピンとこないようだ。
「舞の弟の亮です!姉に無理やり幼グレットを食べさせられて若返っちゃったんです。
しかも外に出て遊んでこいって追い出されちゃって・・・」
ここまで言うと流石の美奈さんも気づいたみたいで
「えぇっ!あなた、亮さんなの!?こんなにかわいくなっちゃって・・・」
そう言うと俺に顔を近づける。
「うーん。かわいそうだし、うちに来ない?」
突然の提案にびっくりした。
「え、いいんですか!」
「うん、父と母は夕方まで帰ってこないからゆっくりしていって。」
「はい、ではお言葉に甘えて。」
「あ、でも、その・・・」
急に美奈さんは恥ずかしそうにして
「私のこと『お姉ちゃん』って呼んでほしいの」
男の兄弟が欲しかったとか言ってたよな。じゃあ。
「お姉ちゃん、いこっ!」
「うん、亮!」
俺と美奈さんは歩いて美奈さんの家に行くことになったのだが、若返った俺は歩幅が狭いせいか美奈さんについていけない。
美奈さんは俺が遅れてることに気づいて
「あ、ごめんね。ゆっくり歩こうね」
と声をかけてくれた。どこぞの腹黒姉と違ってお優しい。
美奈さんと一緒に歩いているとさっきまで周りが怖かったのに怖くなくなった気がする。
そんなこんなで美奈さんの家に到着。庭付き一戸建てだ。結構裕福な家庭なのかもしれない。
「さ、入って」
美奈さんがドアを持っていてくれる間に
「おじゃましまーす」
と言って家に入った。
「私の部屋二階が上がってすぐ左だからね。ジュースもってくから」
「はい、ありがとうございます」
と俺は二階に上がって美奈さんの部屋に入った。あー女の子の部屋だ。ぬいぐるみ置いてあるし。
座ってしばらくすると美奈さんがオレンジジュースを持って戻ってきた。
さっきのコーヒーはあんまり飲めなかったのでとてもおいしく感じた。
美奈さんは唐突に
「お姉さんっぽいことがしたいなぁ」
と言い出した。ほんとに天然なんだなぁ。
「そうだ、膝枕して耳掻きしてあげるってのはどうかな」
それいいかも。
「お願いします。」
と言って俺は美奈さんの膝の上に頭を置いて横になった。
「じゃあ、行くね〜」
ほじほじと耳の中を掃除してもらう。気持ちいい。
ボーっとしていると下の階からドアの閉まる「バタン!」という音がして意識を取り戻した。
「妹が帰ってきたみたい」
と俺を起こしてくれた。
美奈さんの妹ってどんな人なんだろう。

33とも:2009/12/25(金) 07:57:28
>あーるゆーさん
亮が美奈さんに可愛がってもらうシチュエーションがたまりません!
年上のお姉さんと一緒だと安心しますよね☆
膝枕なんてされたら…嬉しくてたまりませんね♪
また次回が楽しみです。

34あーるゆー:2009/12/26(土) 01:34:30
高校の制服を着た女性、美奈さんの妹が部屋に入ってきた。
舞ねぇとも美奈さんとも違うタイプの女の子だ。かわいいというより綺麗っていう感じだ。
「姉さん、ただいま。その子は誰?」
美奈さんは
「こ、この子は友達の親戚の子で亮くんっていうの」
と明らかに動揺している。
「こんにちは、お邪魔してます」
と俺はかわいく挨拶した。
「私は由香っていうの。」
由香さんははぁ、とため息をついて
「子どもっていいわね。私も亮くんぐらいの頃に戻りたい」
とつぶやいた。『子どもに戻りたい』その言葉を聞いて俺はポケットの中の幼グレットの存在を思い出した。
この美少女が若返ったらどうなるんだろう。
俺はポケットから幼グレットを出して
「これを食べれば子どもに戻れるよ」
と由香さんの前に差し出した。
美奈さんは血相を変えて
「食べちゃダメ!本当に若返っちゃうの!亮止めて!」
と叫んだ。由香さんは
「本当に?」
と言うと幼グレットを手にとって口に含んだ。
「何か、変な感じがする・・・うぅ・・・」
と言うと由香さんの背がどんどん縮んでいってすらっとしていた体も幼児体型になり制服のチェックのスカートがするっと落ちて
俺と同じぐらいの年の女の子になってその場に座り込んだ。
「由香!」
美奈さんが由香ちゃんに駆け寄る。
「私は大丈夫だよ、姉さん。本当に子どもになっちゃった・・・」
由香ちゃんはちょっと放心状態のようだった。
「さっきの食べると年齢が半分になっちゃうの。元々17歳だから8歳ぐらいになったの。でも一晩眠れば元に戻れるから安心してね。」
「詳しいね、姉さん」
「私も間違って食べちゃって若返ったことがあるの」
「姉さんも若返ったことあるの!?」
俺は完全スルーされてる。
「じゃあ、この子も本当は大人なの?」
由香ちゃんがようやく俺に興味を持った。
「うん。この子は大学の友達の弟でその友達に無理矢理若返らされたの。本当は17歳なのよ。」
と美奈さんが言うと
「私たち同い年なんだ。よろしくね」
「う、うん」
と急に由香ちゃんは俺に友好的になった。
美奈さんはすくっと立ちあがって
「亮、次やったら本当に怒るんだからね!由香はとりあえずお洋服着よ。その友達から子ども服もらってるから」
と言うとクローゼットから子ども服を取り出すと由香ちゃんに渡した。
由香ちゃんは洋服を受け取るとその場でダボダボになったYシャツを脱ごうとした。
「由香、男の子いるよ!」
と美奈さんが慌てて言うと、由香ちゃんは
「は、恥ずかしい」
と言うともらった服で体を隠しながら部屋を出て行った。由香ちゃんは精神退行が始まっているんだろうか。
俺にはまだはっきりと高校生の記憶がある。なんでだろう。

35あーるゆー:2009/12/26(土) 01:35:24
>ともさん
コメントありがとうございます。
本当に亮がうらやましいですね(笑)

36とも:2009/12/26(土) 18:56:16
>あーるゆーさん
ほんと羨ましいですよね!
幼児化した由香も可愛いです☆
あ〜幼グレットを食べたくなってきました(笑)

37あーるゆー:2009/12/28(月) 01:50:44
「ちょっと恥ずかしい」
そう言いながら由香ちゃんが戻ってきた。
ジャンパースカートと中にシャツを着ている。とてもかわいい。
「由香、似合ってるよ。じゃあ3人で遊びましょう。何がしたい?」
と美奈さんが言うと
「トランプがいい」
と由香ちゃんが答えた。
「亮もそれでいいよね?」
「うん!」
3人で色んなゲームをして遊んだ。
笑ったり、怒ったり、喜んだり由香ちゃんが一番楽しそうだった。
由香ちゃんが若返りたかった理由って舞ねぇと同じで無邪気に遊びたかったからだろうか。
あっという間に時間が経って時計を見ると4時半になっていた。
「そろそろ帰らないと」
と言ったら
「舞が心配するもんね。一人じゃ危ないから送って行ってあげる」
「ありがとうございます」
美奈さんはなんて優しいんだ。
「由香はお留守番ね」
「はーい!」
三人で玄関まで行って
「お邪魔しました」
と挨拶したら由香ちゃんが
「今度は本当の姿で会おうね、バイバイ!」
と手を振ってくれた。
「またね!」
と言って二人で外へ出た。

外へ出て少ししたところで美奈さんが口を開いた。
「この前、一緒に歩いた時は私が若返ってたのに今日は亮さんが若返ってる。不思議な感じだね。」
美奈さんは俺の顔を覗き込んだ。俺は気になってたことを聞いてみた。
「この前デートした山本さんとはどうなったんですか?」
美奈さんの表情が曇った。
「実はあの後から話してないの。避けられてるみたいで・・・。私が若返ったってこと信じてもらえなかったのかもしれないし、
信じてもらったとしても変な女だって思われたのかもしれない。」
美奈さんはすっかり落ち込んでしまった。俺は慌てて
「でもお姉ちゃんはとってもかわいいし、すぐ彼氏できますよ!」
と励ますと
「ありがとね」
と美奈さんは笑ってくれた。そうこうしてるうちに舞ねぇの家に着いた。
「送ってもらってありがとうございます」
「どういたしまして。舞によろしく。またね」
美奈さんは帰っていった。美奈さんは天然だと思ってたけど子どもや由香ちゃんの前では面倒見のいいお姉さんなんだなと思った。
人間って色々な面を持っているっていうけど本当だ。
美奈さんを見送ってから俺は家に入った。

38あーるゆー:2009/12/28(月) 01:58:41
>ともさん
コメントありがとうございます。
由香はキャラがあまり定まらなかったです。反省。
俺も一日だけだったら若返ってみたいです(笑)

39とも:2009/12/28(月) 08:55:34
>あーるゆーさん
キャラ設定は難しいですもんね。
でもいつも楽しく読ませてもらっています☆
僕は本来なら自分より年下の女性にじっくりと甘えたいんでしばらく長期間若返っていたいです(笑)

40あーるゆー:2009/12/29(火) 01:31:28
「ただいまー」
「亮くん、おかえりー」
舞ねぇが笑顔で迎えてくれた。
「無事に戻ってきて安心した。外でおもしろいことあった?」
俺は今日会ったことを話した。
「みーちゃんの所にいたんだ。私も由香ちゃんと会ったことあるけど、あの美少女を若返らせちゃうなんて
亮くんは悪い子だねー。ところで・・・」
舞ねぇは俺に顔を近づけて、
「どう?心も子どもになってきた?」
と聞いた。
「いや、高校生だったことをはっきり覚えてる」
と答えたら
「そっかー。残念。ちょっと早いけど夕ご飯にしよっか」
と舞ねぇは料理をテーブルに並べた。ハンバーグやエビフライなど俺も舞ねぇも好きなものだ。
「いただきます」
二人であいさつして食べ始めた。
「おいしい!」
舞ねぇは料理上手だったんだ。
「ありがとう」
夕ご飯の量は子どもに戻った俺にちょうどよかった。舞ねぇは研究してるんだな。
食べ終わった後、俺は食器を洗うのを手伝った。
その後はしばらくテレビを見てた。
「そろそろお風呂入ろうか?」
と舞ねぇが聞いてきた。
「うん」
って言ったら舞ねぇはにやにやしながら
「亮くんの心も若返ってたら一緒に入って体洗ってあげるんだけどなー。中身が高校生の男の子に私の裸見られるの恥ずかしいのよねー」
と言い出した。
「な、何言ってるんだよ!先入るね」
お風呂に入り裸になって改めて見る自分の8歳の姿。体のパーツすべてが小さい。
「はぁー」
とため息をついてゆっくりと湯船につかってからお風呂を出た。
「出たよー」
「湯上りの亮くんもかわいいなー。そろそろ寝る準備をしてね」
と言って舞ねぇはお風呂に入った。その間俺は歯を磨いたり、テレビを見たりしていた。
しばらくして舞ねぇがお風呂から出てきた。湯上りの舞ねぇはとても色っぽい。
「見とれちゃったかな?寝てる間に元に戻るから来た時に着てた服に着替えてね」
と言われてダボダボの服に着替えた。
「じゃあ、一緒の布団で寝ない?」
舞ねぇの突然の提案に俺はびっくりした。
「えっ!?」
「何かまずいことあるの?私たち姉弟でしょ?それとも亮くんは私に変なことしちゃうの?」
「しないよ!」
「だから昔みたいに一緒に寝ようよ、ね?」
「う、うん」
俺と舞ねぇは一緒の布団の中に入った。

41あーるゆー:2009/12/29(火) 01:35:15
>ともさん
長期間若返ってると仕事やばいなーとか現実なことを考えてしまいまして(笑)
若返って実年齢では年下の女の子に甘えるっていう展開はすごく萌えますね。

42とも:2009/12/29(火) 08:52:27
>あーるゆーさん
なるほど〜!
確かに仕事のことは気になりますよね。
亮は舞姉と一緒に寝るんですね♪
羨ましい限りです!
精神も幼児化していたらお風呂にも一緒に入れますよね☆

43あーるゆー:2009/12/30(水) 01:02:35
真っ暗な部屋のベッドの中で俺は舞ねぇと距離をとるように壁際に寄っていた。
舞ねぇがしゃべりだした。
「昔を思い出すね。こうやって一緒の布団に入って。ところで・・・。」
舞ねぇは続ける。
「ねぇ、みーちゃんと由香ちゃんのどっちかと一日一緒に遊ぶとしたらどっちがいい?」
舞ねぇは突然何を言い出すんだろう。眠いせいか頭が少しボーっとする。
「二人とも優しいし、美人だし。悩んじゃうよね」
と舞ねぇがつぶやく。
「舞ねぇがいい!」
「えっ?」
「舞ねぇと一緒にいたい!」
俺は無意識のうちにそう言っていた。まさか・・・
「亮くんひょっとして・・・。ううん、気にしないで、私がついてるからね」
と言って俺を後ろから抱きしめた。俺は子どもの意識に支配されていく。でも後はもう寝るだけだからと無理に大人の意識を保とうとしなかった。
「お姉ちゃん、大好き」
「私も亮くんのこと好きだよ」
舞ねぇのその言葉を最後に俺は眠りについた。

朝、俺は目を覚ました。体を起こすと目線が高い。体を見てみる。元に戻ってる!胸をなでおろして周りを見ると舞ねぇがいない。
「舞ねぇ?」
と声を出すと。
「あ、亮にぃ起きたー?」
とキッチンから甲高い声がした。
「おはよー!」
とキッチンから若返った舞ねぇが出てきた。ちゃんとエプロンまでしてる。
「なんで!」
「今日は私が若返る番かなーと思って」
舞ねぇはうるうるした瞳で俺を見つめてくる。あーもう!
「明日は学校だから夜になったら帰るけどいい?」
「うん、いいよ」
すると舞ねぇは俺に抱きついてきた。
「今日もよろしくねー。あと昨日、私のこと好きって言ってくれて嬉しかったよ!」
「そ、それは家族として好きってことだから!」
「わかってるよー」
そう言いながら舞ねぇは笑っていた。今日もまた楽しい一日になりそうだ・・・。

44あーるゆー:2009/12/30(水) 01:05:30
<番外編 美奈視点>
私の妹、由香は大学の友達の弟の亮さんから渡された若返り薬「幼グレット」を食べて若返ってしまった。
お父さんとお母さんは予定が変わって、実家に泊まっていくって電話があったからこの状況を説明しなくてよくなったけど・・・。
夕食を食べた後、私と由香はお風呂に入った。

「お姉ちゃんのおっぱいおっきいねー」
湯船の中で由香は私の胸をじーっと見ている。
「あ、あんまり見ないで!由香だって元々は高校生だったんだし・・・」
「でもお姉ちゃんに比べたら全然だよー」
由香はすっかり心も若返ってるみたい。私は疑問に思っていたことを聞いてみた。
「由香はどうして若返りたいなんて言ったの?」
「それはお姉ちゃんとお話したかったからなの。お姉ちゃんは将来の夢があって大学で勉強頑張ってるけど、
私は将来の夢がまだなくて・・・お姉ちゃんがうらやましいし、近寄りづらい感じがして・・・
だから昔みたくお姉ちゃんとお話したくて若返りたいって言ったの」
確かに由香は最近私を避けてるみたいだった。そんな理由があったなんて。
「今度から私に相談してね。きっと由香も将来の夢が見つかるよ!」
と言うと由香は嬉しそうに
「うん!」
と言った。
「じゃあ、私からもお姉ちゃんに質問していい?」
「何かな?」
「亮さんのこと好き?」
「えぇっ!?」
亮さんのことを好きかどうかって・・・
「亮さんは頼りになるし、かっこいいし、若返った時はかわいかったし・・・」
「つまり、好きなの?」
「う、うん」
そういうと由香は
「私も亮さんのこと気になるの。本当はどんな男の子なんだろうとか。私たちライバルだね♪」
と言った。
「もう由香ったら。そろそろお風呂出るよ」
お風呂から出た私たちはそのまま寝ることにした。
私の部屋に由香が入ってきて
「お姉ちゃんと一緒に寝ていい?」
と言うやいなやベッドの中に入った。
「いいよ」
私は電気を消して自分もベッドの中に入った。
「今日はとっても楽しかった。お姉ちゃん、ありがと!」
「うん、これからもずっと一緒だよ」
由香につられて私も恥ずかしいことを言ってしまう。
「おやすみ、お姉ちゃん」
「うん、おやすみ」
私はすぐに眠ってしまった。

朝、私が先に目を覚ました。隣で寝てる由香は元の姿に戻っている。
「う、うーん」
由香もすぐ起きた。由香は起きてすぐ
「おはよう、姉さん。き、昨日は色々恥ずかしいこと言ってごめんなさい」
と言って申し訳なさそうにしている。
「気にしないで。これからは悩みがあったら私に相談してね」
「はい、姉さん」
由香は満面の笑みを私に向けた。

由香が若返ったおかげで昔みたいにまた仲良くなれそう。亮くんに感謝しなきゃ!

45あーるゆー:2009/12/30(水) 01:13:14
<エピローグ>(舞視点)
亮くんを若返らせて数日後のことだった。
「ピンポーン♪」
とドアホンが鳴ったので出てみるとそこには小学校低学年ぐらいの女の子が立っていた。小夜ちゃんだ。
「こんにちは、お邪魔していい?」
「うん、いいよ」
またお茶を出してあげると、
「最近おもしろいことあったー?」
と聞かれたので亮くんを若返らせたことを話した。
「へー!今度は弟さんを子どもにしちゃったんだー。」
「かわいくってよかったわー」
「舞のところは姉弟仲良くていいなー」
「小夜ちゃんってきょうだい仲悪いの?」
「ちょっとね・・・」
小夜ちゃんはちょっとうつむいた。
「それより、これをあげるね」
と言って持っていたポシェットから幼グレットの箱を取り出した。
「そろそろ足りなくなってきたでしょ?」
「なんで私にこんなすごいものをくれるの?」
「それは内緒♪ じゃあまたおもしろい話聞かせてね。お邪魔しましたー」
と言うと小夜ちゃんは部屋を出て行った・・・


続編はひとまず終了です。ご愛読ありがとうございました。
また何か思いついたら書きますのでその時はよろしくお願いします。

>ともさん
いつもコメントくださってありがとうございます。
さすがの舞も中身が高校生の弟とお風呂に入るのは恥ずかしかったようです(笑)

46とも:2009/12/31(木) 18:06:05
>あーるゆーさん
亮は最後に舞お姉ちゃんに甘えて眠ることができて良かったです☆
それにしても亮はモテまくりですね(笑)
楽しい作品をありがとうございます!

47あーるゆー:2010/05/05(水) 00:19:39
「さっき、舞からメールが来て、明日うちに帰ってくるって」
金曜日の夜、母さんが言っていた。
うちの母の名前は恭子。昔、それはそれは美人で、同じ会社内で人気の高かった父に猛アタックして結婚したんだとか。
最近は
「また白髪が増えちゃったなー。はぁー。」
と鏡を見ながらため息ついたりしている。

土曜日の午後、舞ねぇが帰ってきた。
「おかえり」
「おかえりなさい、舞。元気にしてた?」
舞ねぇは笑顔で
「ただいま。元気にしてたよ。ところで・・・」
舞ねぇはいきなりポケットから幼グレットを取り出して
「これを食べて、すごいことが起きるよ!」
と母さんの前に差し出した。また突然すぎて止められなかった。母さんは
「これを食べればいいのね。」
と言うと食べてしまった。
「あれ?何かが・・・」
母さんの顔からしわがとれて、肌はきめ細やかになって、髪はツヤを取り戻して綺麗な黒になった。
「あ・・・あぁ!」
さらに美奈さん並みの胸が重力に逆らって持ち上がっていく。ちょっと痩せたようにも見える。話どおりの美人になった!
「わ、私どうなっちゃったの!?」
うろたえる若返った母さんに舞ねぇは
「はい、鏡」
とバックから鏡を取り出して手渡した。
「こ、これ昔の私よ!」
鏡に映った自分の姿を見た母さんは声をあげた。
「すごいでしょ?今のを食べると肉体年齢が半分になってしまうの。つまり、4○歳のお母さんは20代前半になったってわけ。
でも安心して。一晩眠れば元の姿に戻れるから」
舞ねぇが説明すると母さんは
「驚いたわ。だからこの前、亮が舞の下宿先に子どもの頃の服を持っていったのね。お父さんが出張中じゃなければお父さんにも若返ってもらえたんだけどなー。」
と言った。そして俺の方を見て
「ちょっと幼い感じはするけど、亮ってあの頃のお父さんに似ている感じがするわ」
母さんは俺のことを抱きしめた。とっても柔らかい・・・ってダメだろ!
「え、ちょっと母さん!」
「ふふっ、冗談よ」
母さんは俺を離した。その様子を見ていた舞ねぇは
「お母さんばっかりずるい!私も変身!」
舞ねぇも幼グレットを食べてしまった。美奈さんや由香さんが若返るのは見たけど舞ねぇが若返るのを見るのは初めてだ。
「うぅ!はうぅ!」
舞ねぇの背が急激に縮んでいく、顔つきはどんどん幼くなって、胸はまっ平らになってしまって、服もダボダボになってしまった。
「はぁ、はぁ・・・」
「舞!懐かしいわ、昔はこんなに小さかったよね」
母さんは少し驚きながら舞ねぇも抱きしめた。
「私、服がおっきくなっちゃったから着替えてくるね」
母さんも
「せっかく若返ったんだし、私もかわいい服が着たいな。舞の服借りていい?」
「うん、いいよー」
2人は2階へ上がっていった。

48あーるゆー:2010/05/05(水) 00:20:24
話をふと思いついたので久しぶりにまた書いてみました。
恭子とキャラが被りそうなので舞には若返ってもらいました(笑)

49とも:2010/05/05(水) 23:46:44
>>あーるゆーさん
美人なお母さんが若返る展開も良いですね!
舞姉は自ら若返ってるし、病み付きになってそうですね(笑)

50あーるゆー:2010/05/06(木) 23:31:03
「お待たせ」
二人が戻ってきた。
母さんは胸元の開いたシャツに普段はいているのを見たことがないジーンズをはいていた。
「ちょっと痩せたのかな。お腹が楽に入ったわ」
と満足そうだった。その様子を見ていた舞ねぇはちょっと怒りながら
「もー!私も見てよ!ぜったいりょーいき!!!」
ピョンピョンととびはねていた。舞ねぇは長袖シャツにフリフリのスカート、それにニーソックスを着けていた。
「はいはい、かわいいかわいい」
適当にあしらったら
「やっぱり亮にぃは巨乳じゃないと嫌なんだ・・・私だって元の姿だったら!」
舞ねぇはすねた。じゃあ小さくならなきゃいいのに。
「あらあら、二人は本当に仲がいいわね。舞が帰ってきたし、今日はごちそうにしましょう」
と母が言うと舞ねぇは
「わーい!」
と目を輝かせた。
「亮は荷物をお願いね。それと私のことは外では恭子さんとかお姉ちゃんって呼んでね」
「わ、わかったよ」
「はーい!」
「じゃあ、行きましょう」
俺たち3人は外へ出た。
20代前半の女性と男子高校生と小学校低学年の女の子ってアンバランスな組み合わせだ。
きょうだいにしては年が離れすぎだし、家族連れって見た目でもないし。実際は家族連れなんだけど。
「舞は何が食べたい?」
「うーんとね、エビフライ!」
「じゃあ、亮は?」
「ハンバーグかな」
「ふふっ、昔から二人ともそれが好きよね」
母さんは思った通りという顔をした。
「まず惣菜屋さんから行きましょう」
惣菜屋に行って母さんが
「エビフライ6本ください」
と言うと店員のおじさんが
「お姉さん美人だから1本おまけしちゃうよ!」
と1本おまけしてくれた。
「そんなことないですよー、ありがとうございますー」
母さんは笑顔を見せたが、店を出た後、
「あのお店よく行くんだけど、常連だって気付かなかったみたいね。この姿じゃ当然かしら」
と複雑そうだった。
「でもおまけしてもらえるなんてすごいよー。私なんて普通の時、おまけなんてしてもらえないよー。
若返って買い物行くと、『お嬢ちゃん、かわいいね』っておまけしてもらえるけど」
舞ねぇ、若返ってそんなことしてるんだ・・・
その後、八百屋でも肉屋でも母さんはおまけしてもらっていた。
「ちょっと悪い気がするわね・・・」
母さんは申し訳なさそうだった。
「じゃあ、家へ帰りましょう」
「はーい!」
「ちょ、ちょっと重い・・・」
俺たちは家へ向かって歩き出した。

51あーるゆー:2010/05/06(木) 23:35:43
>ともさん
コメントありがとうございます。
女性が子どもじゃなくて年頃ぐらいに若返って・・・って話をふと思いついたんで書きました。
舞は若返りを確実に楽しんでますね(笑)

52あーるゆー:2010/05/09(日) 23:34:38
「ただいま」
俺は家に着いて、荷物を下ろした。
「亮、お疲れ様」
母さんは俺をねぎらった。
「少し休んでから夕ご飯作るね」
「舞も手伝うー」
舞ねぇが元気よく手をあげる。
「ありがとう。亮は・・・手伝わなくていいわ」
戦力外通告だと・・・
2人が料理を作っている間、俺はリビングでテレビを見ていた。
台所に視線を移すとエプロン姿の若い母さんが料理をしているわけで・・・。
若妻って感じでいいなーと思っていると舞ねぇが
「あー、亮にぃがお母さんのこと『若妻って感じでいいなー』ってエッチな目で見てるー!」
と叫んだ。読心術!?
「ち、違うよ!」
「亮も男の子だからしょうがないよね」
と母さんは笑った。
しばらくして
「亮も料理を並べるのを手伝って」
と言われて料理を並べた。ご飯、エビフライ、ハンバーグ、コーンスープそれにサラダがテーブルに並んだ。
「いただきまーす」
3人であいさつして食べ始めた。
「おいしい」
「私もお母さんぐらい料理が上手になりたいなぁ」
と2人で褒めると、母さんは
「ありがとう。若返っても料理の腕が落ちてなくてよかったわ」
少しの間、無言で食べていたけど舞ねぇが急にしゃべりだした。
「お母さん聞いてよー。最近の亮にぃってひどいんだよ。私の大学の友達とその友達の妹を手玉にとって遊んだり、
私に『お姉ちゃん大好き』って告白したりするしー」
「そ、それは・・・」
俺は慌てて否定しようとすると母さんは
「それで今度は私を狙うつもりかしら?私はお父さん一筋だから無駄よ」
と言ってまた笑った。
「母さんまで・・・」
食べ終わった後、
「亮、洗い物手伝って。舞は作るの手伝ってくれたからいいわよ」
と母さんに言われたので俺と母さんは並んで食器を洗っていた。
近くであらためて見ると本当に綺麗だ。洗い物している手を見ると肌はきめ細やかで指はとても細くて美しい。
舞ねぇより色っぽい感じがする。舞ねぇも数年経ったらこうなるんだろうか。
「亮、手が止まってる。私にみとれちゃダメよ」
というと母さんは俺にウィンクした。
こ、これは・・・。父さんも他の女性じゃなくて母さんを選んだのもわかる気がする・・・。

53とも:2010/05/11(火) 11:36:46
>>あーるゆーさん
亮にはお母さんが刺激的過ぎるようですね(笑)
ほのぼのした家庭の雰囲気が伝わってきて良いです。

54あーるゆー:2010/05/13(木) 23:41:33
食器を洗った後、俺は先にお風呂に入った。俺が入った後、舞ねぇと母さんは一緒にお風呂に入った。
「お母さんに髪を洗ってもらったのー」
「舞の髪はサラサラでうらやましいわ」
お風呂を出た後、舞ねぇは母さんにドライヤーをかけてもらっていた。舞ねぇはとてもうれしそうだった。
しばらく3人で色々おしゃべりしたり、テレビを見ていたりしていたら、舞ねぇは
「ふあぁー」
とあくびをした。
「私、眠くなってきちゃった。今日はお母さんの部屋で寝ていい?」
「いいわよ」
「わーい!じゃあ先に行ってるね!」
舞ねぇはトントントンと階段を上っていった。
「舞は精神的にも幼くなってる気がするわ」
母さんが不思議そうだ。
「副作用で精神年齢も若返っちゃうんだ」
「そうなんだ。私はこの頃からあまり変わらないってことかしらね」
俺は母さんに聞いてみた。
「ずっと若いままでいたい?」
母さんはちょっとまじめな表情になって答えた。
「ううん。私はもういいわ。年をとったらとったなりの良さがあると思うの。
あなた達の成長も年をとらなければ見られなかったし。それに・・・」
母さんは俺の顔を見つめる。
「もう少ししたら孫の顔も見られるかもしれないし」
「なっ!」
「舞と亮、どっちが早いかな。美奈ちゃんと由香ちゃんだっけ?どっちにするの?」
「なんで知ってるんだよ!俺ももう寝るよ!」
「うん、おやすみ」
母さんの満面の笑みを背に僕は自分の部屋で寝た。

翌朝、起きてリビングに行くと、元に戻った舞ねぇと母さんの姿があった。
若返った母さんを見た後だと、確かに昔の面影があるように感じる。
「おはよう」
「おはよう、亮くん」
「ちゃんと元に戻れたわ」
「ねぇねぇ、お母さん、今日は亮くんに若返ってもらおうよ!」
舞ねぇはニヤニヤしている。
「嫌だよ!」
「無理矢理若返らせたりしたらダメよ。」
「はーい。お母さん。じゃあこの前、亮くんが若返った時の写真見る?」
え、そんなのあるの!?
「この前、亮が若返った時、私より先に寝ちゃった後に撮ったの」
「は、恥ずかしいから見せないでよ!」
「本当にかわいいんだよ」
俺たちのやり取りを見ていた、母さんは
「ふふっ、二人は本当に仲がいいんだから」
母さんは若い姿の時と変わらない、いい笑顔を見せた。

55あーるゆー:2010/05/13(木) 23:42:26
ということで短いんですけどこれでひとまず終了です。
ご愛読ありがとうございました。

>ともさん
コメントありがとうございます。
亮にとっては初めてのタイプの女性だったんでしょうね(笑)

56れあちーず:2010/05/16(日) 18:36:10
GJ!!
ほのぼのした感じでとても読みやすかったです。
素敵なお話をありがとうございました

57あーるゆー:2010/05/20(木) 23:18:54
>れあちーずさん
コメントありがとうございます。
ほのぼのとした話を書く方が好きなのでまた何か思いついたら書きますね。

58あーるゆー:2011/09/24(土) 22:55:00
【同い年 その1】

「手伝ってもらってごめんね」
「ううん、気にしないで」
放課後の教室で僕は学級委員の佐藤さんと2人きりで生徒会アンケートの集計の手伝いをしていた。
学級委員は男女一人ずつなんだけどうちのクラスの男子の学級委員は部活に行ってしまったから
僕が代わりに手伝っていた。
「本当に助かったよー」
と佐藤さんが言った直後、教室の扉がガラッと開いた。
二人で扉の方を見ると女子生徒が一人立っていた。美人というよりかわいい系の女の子だ。
同じ学年じゃ見たことが無い。僕達は1年生だから下級生はいなし、じゃあ先輩か?と色々考えていると、
女の子が突然、
「大輔お兄ちゃんいたー!」
と僕に駆け寄ってきた。
「お兄ちゃん?村田君の知り合い?」
「いや知らないけど」
僕がそう言うと女の子は僕に顔を近づけて、
「見覚えない?私だよ、私。奈月だよ!」
奈月ちゃん。僕の隣の家に住んでいる小学2年生の女の子で、今まではずっと兄妹のように仲が良かったけど、
今年僕が高校に入学してからあまり会わなくなっていた。
「君が奈月ちゃんなわけがないよ!」
目の前にいる女の子はどう見ても僕と同年代だ。ありえない。
でも女の子は得意げな顔をして
「それがねー、魔女さんにお願いして大きくしてもらったの!」
魔女?大きくしてもらった?ますます意味がわからない。
僕にわかってもらえないせいか、女の子は目に涙を浮かべて
「せっかく大きくしてもらったのになんで信じてくれないの!お兄ちゃんのバカ!」
と叫んで教室を飛び出していった。
「い、今の子なんだったのかしらね。魔女がどうとかって…」
佐藤さんがつぶやいた。
でもあの子のことが気になる。よく考えればあんな嘘をついたところで何の意味もない。
ひょっとしたらあの子は本当に奈月ちゃんだったのかもしれない。
「ちょっと追いかけてくる!」
「え!?」
驚く佐藤さんを背に僕は廊下へ出た。
辺りを見回すと廊下の突き当たりでさっきの女の子が座り込んで泣いていた。
近づいて
「奈月…ちゃん?」
と声をかけると女の子は振り返った。
「お兄ちゃん…」
「事情があるなら話して」
「えっとね…」
女の子はゆっくり話はじめた。

59あーるゆー:2011/09/24(土) 22:58:29
【同い年 その2】

「お兄ちゃんに会いたいなー」
奈月は家で大輔のことを考えていた。
小さいころから一緒に遊んでくれた兄のような存在の大輔。
しかし大輔が高校に入学してから帰ってくるのが遅くなってほとんど顔を合わせていなかった。
「お兄ちゃんに会いたいよー!」
奈月はベッドの上でゴロゴロした。すると
「お兄ちゃんに会いたいの?」
と声がした。
「えっ!?」
ブレザーの制服を着たハイティーンぐらいの美少女がいつの間にか部屋の中にいた。
「お姉ちゃん誰?どこから入ってきたの?」
「私は魔女よ」
「魔女?そうは見えないけど…」
「ふふっ、魔女が黒っぽいローブを着てとんがり帽子をかぶらなきゃいけないなんて決まりはないわ。
そんなことより、お兄ちゃんに会いたいのよね?」
魔女は妖しい笑みを浮かべながら奈月に問いかける。奈月は魔女に事情を話した。
「じゃあ、お兄ちゃんと同じ学校に通えばいいんじゃない?私の魔法であなたを高校生にしてあげるわ」
「えっ、ほんとに?」
奈月は目を輝かせた。
「本当よ。準備はいいかしら」
「うん!早くお兄ちゃんに会いたい!」
奈月は元気よく答えた。
「いい返事ね。それじゃ、行くわよ」
魔女は奈月の頭の上に手をおいて、目を閉じて念じた。
すると奈月の背がどんどん伸びていく。途中から胸が膨らんでいってTシャツを押し上げる。
スカートも足が伸びていって太ももが見えるようになってしまった。
「ううっ、服が食い込んで痛いよー!!」
奈月が悲鳴を上げた。
「あら、気づかなくてごめんなさい」
というと奈月の体が光に包まれて、その光がすぅーと消えると奈月は大輔の高校の制服に身を包んでいた。
「わぁ、すごい!」
「これで、完成。あなたはお兄ちゃんと同い年になったわ」
魔女は奈月を見つめながら周りを一周した。
「なかなかの美少女じゃない。これならお兄ちゃんはイチコロね!」
「わぁーい!でも…」
ちょっと奈月はうつむいた。
「でも…どうしたの?」
「お母さんみたいにおっぱい大きくならなかったなーって」
そう言われた魔女は奈月の胸をじーっと見つめてから言った。
「うーん、並以上はあると思うけど。あなたのお母さんは巨乳なのね。
今の姿はあなたの16歳の姿だからこれからまだ成長するかも」
魔女はまた奈月の頭の上に手を当てた。
「次はお兄ちゃんの所へワープさせてあげる」
「えっ、いいの?」
奈月は再び目を輝かせる。
「いいものを見せてもらったサービスよ。さぁ、目を閉じて」
奈月は目を閉じた。一瞬ふわっとめまいを感じた後、目を開けると奈月は大輔の通う高校の昇降口に立っていた。
(お兄ちゃんは1年3組だったよね)
奈月は校舎へ入っていった。

60あーるゆー:2011/09/24(土) 23:01:45
【同い年 その3】

「ってことがあったの」
奈月ちゃんは目で訴えてくる。
「君は本当に奈月ちゃんなんだね。信じるよ」
奈月ちゃんは一気に明るい表情に変わって、
「やったー!お兄ちゃん大好き!」
と言って抱きついてきた。いつもの奈月ちゃんもやるんだけど今は力が強くなっていて僕はどさっと押し倒されてしまった。
奈月ちゃんの顔が近い。確かによく見ると顔に元の奈月ちゃんの面影がある。
こんなところを人に見られたらまずい!
「あ、お兄ちゃんごめんね」
奈月ちゃんは僕から離れて僕は起き上がれた。
「とりあえず教室に戻って佐藤さんの手伝いが終わったら一緒に帰ろう。」
「はーい!でもその前にトイレ行きたい」
奈月ちゃんをトイレに連れて行って僕はトイレの前で待っていた。
すると中から
「わっ!」
と奈月ちゃんの悲鳴が聞こえた。気になるけどもちろん中には入れない。
少し経ってから奈月ちゃんが出てきた。
「さっき悲鳴が聞こえた気がするんだけど大丈夫?」
僕が聞くと奈月ちゃんは恥ずかしそうにしながら言った。
「え、あの…おしっこしようと思ったらお母さんみたく毛がもじゃ…」
「わーっ!わかった、わかったから!」
変なことを聞いてしまった。

二人で3組の教室の前まで来た。
「うまく話を合わせてね」
「うん」
僕たちは教室に入った。
「佐藤さん、ごめん」
「あ、帰ってきた。その子は一体…」
「いやぁ、この子は遠い親戚の奈月ちゃんって子で昔はよく遊んでたんだけど、
最近全然会ってなくて一緒の高校に入ってたことも知らなかったんだ。
奈月ちゃんは昔から冗談が好きでさっきも魔女がどうとかって変なこと言っちゃってたけど気にしないでね!」
佐藤さんが話し終わる前に僕は一気にまくしたてた。
「そうだよー。私達、遠い親戚なのー」
奈月ちゃんも棒読みだけど合わせてくれた。
「そ、そうなんだ」
佐藤さんは引いているように見えた。
「じゃあ集計の続きを」
僕が席につこうとすると佐藤さんは
「久しぶりに会ったんだったら奈月ちゃんと遊んできたら?あとは一人でできるから」
と言った。
「やったー!ありがとう、お姉ちゃん!」
奈月は両手を上げて喜んだ。
「佐藤さん、本当にいいの?」
「うん、大丈夫!」
「じゃあ、お言葉に甘えてお先に。」
「ばいばい、お姉ちゃん」
奈月ちゃんが佐藤さんに手を振った。
「お疲れ様ー」
佐藤さんは僕達に手を振りかえした。

61あーるゆー:2011/09/24(土) 23:02:31
新しいスレを立てるのもどうかと思ったんでスレ再利用で新作を書きます。
今度こそはAP物です。

62あーるゆー:2011/09/27(火) 00:15:31
【同い年 その4】

高校から出た僕達は家路につくことにした。
高校から駅まで徒歩十数分、そこからまだ十数分で僕達の最寄り駅だ。
僕は一緒に歩いている奈月ちゃんをちらっと見た。
あの「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と僕の後をついてきた女の子が、
天真爛漫な性格と僕への好意そのままに体が高校生に急成長したなんてとんでもない話だ。
つい、小さすぎず大きすぎない胸やスカートからのぞく締まった太ももに目が行ってしまう…
って僕は何を考えてるんだ!元々は小学生なんだぞ!
「お兄ちゃん!」
「え!?何?」
奈月ちゃんに呼ばれて僕は我を取り戻した。
「たい焼き食べたい!」
奈月ちゃんの視線の先にはたい焼き屋があった。
「夕ご飯食べられなくなっちゃうよ」
「じゃあ、半分こしよ!」
奈月ちゃんは目を輝かせてせがんでくる。
「うん、それならいいよ」
僕はたい焼きを一匹買って二人で近くにあったベンチに座った。
隣のベンチに大学生ぐらいの女性と小学低学年ぐらいの女の子がたい焼きを食べていた。
姉妹にしても友達にしても年齢が離れすぎている。二人の会話が聞こえてきた。

「う〜、たい焼き全部食べきれないよー」
「その姿じゃ1匹まるごとは食べきれないって言ったでしょ」
「じゃあ、残ったのみーちゃん食べて。あーん」
「ありがとう。はむっ」
「みーちゃんって食いしん坊だね。太ったら亮にぃに嫌われちゃうよ〜」
「もう!舞が食べてって言ったんでしょ!」

「あの二人楽しそうだね。私たちも食べよ」
「あ、うん」
僕はたい焼きを二つに割ると頭の方を奈月ちゃんに渡した。
「いただきます!」
僕と奈月ちゃんはたい焼きをほおばった。おいしい。
「おいしいね」
そう言いながら奈月ちゃんはすぐに食べ終わって
「体が大きくなったからかな、すぐ食べ終わっちゃった」
と物足りなさそうだった。
「ごちそう様。ありがとね、お兄ちゃん」
そう言うと奈月ちゃんはにっこり笑った。かわいすぎる!
「う、うん」
僕の返事はちょっと声が裏返った。放課後一緒に帰って買い食いするなんてまるでデートだ…
「じゃあ、早く帰ろう。お母さん心配してるよ」
「はーい!」
僕達はまた駅に向かって歩き出した。

63あーるゆー:2011/10/10(月) 23:04:30
【同い年 その5】

僕達は駅に着いた。帰宅ラッシュの時間で駅は少し混んでいた。
「僕は定期あるけど、奈月ちゃんの分の切符買ってくるからちょっと待ってて」
と言うと奈月ちゃんは
「私、切符ぐらい自分で買えるよ!お金貸して」
と言ったので500円玉を渡した。
「ありがとう、お兄ちゃん」
券売機に向かう奈月ちゃんに僕は
「ちゃんと大人料金で買わなきゃダメだよ」
と声をかけた。奈月ちゃんは振り返って驚きながら
「あ、そっか!私、大人料金なんだ〜。高校生になると不便なこともあるんだね」
切符を買っていた。
僕達は少し混んだ電車に乗った。
「こんなに混んでる電車に乗ったの初めて!」
「ちゃんと手すりにつかまってね」
「はーい!ってきゃあ!!」
奈月ちゃんは早速バランスを崩して僕の方に倒れてきた。
「危ない!ってうわぁ!」
僕は奈月ちゃんを支えようとして奈月ちゃんの胸を触ってしまった!
「ごめんね、お兄ちゃん。」
「う、うん」
「あれ?顔真っ赤だよ?どうしたの?」
奈月ちゃんは不思議そうな顔で僕を見つめる。
心が子どものままだから胸を触られてもなんとも思わないのか。
「こっちこそ、ごめんね。何でもないから安心して」
僕は苦笑いして答えた。

十数分後、僕達は最寄り駅で降りた。駅から家に向かって歩いている途中
「あ、さっちゃんだ!さっちゃーん!」
奈月ちゃんは友達を見つけたらしく一組の母娘の方へ走っていった。
「ちょっと待って!」
僕は奈月ちゃんを追いかけた。
「さっちゃん!」
「え?お姉ちゃん、誰?」
さっちゃんと呼ばれた少女は戸惑っている。
「私、奈月だよ!」
「奈月ちゃん?」
「そう。魔女さんにお願いしておっきくしてもらったの!」
奈月ちゃんは得意げにしているがさっちゃんは母親の後ろに隠れてしまった。
「すいません、娘が怖がっているんで失礼します」
母親は女の子の手を引っ張って去ってしまった。奈月ちゃんは呆然と立ち尽くしていた。
「大丈夫?そんなに変わったらわからないって」
僕は奈月ちゃんを励ました。
「お母さんは私のことわかってくれるかな?」
奈月ちゃんは不安そうだ。
「きっとお母さんはわかってくれるよ」
また励ますと奈月ちゃんは笑顔に戻った。
「そうだよね、お兄ちゃんはわかってくれたもん!」
「そろそろおうちだね。行こっか」
「うん!」
僕は奈月ちゃんと手をつないで歩き出した。

64あーるゆー:2011/10/10(月) 23:05:10
続きが遅くなってしまってすいません。
あと2話か3話ぐらいでおしまいです。

65あーるゆー:2011/10/15(土) 00:41:42
僕の家の隣にある、奈月ちゃんの家に着いた。
僕はドアホンを鳴らした。
「はい」
奈月ちゃんのお母さん、順子さんが出た。
「大輔です」
と僕が言うと順子さんは慌てて
「大輔君!?ちょっと待ってて!」
玄関から出てきた。奈月ちゃんは僕の後ろにさっと隠れた。
「大輔君!奈月を見なかった?靴はあるから外に出てないはずなのにいなくなったの!」
順子さんはだいぶ取り乱していた。
「そ、それが…」
僕がしゃべろうとすると
「その子、ひょっとして奈月?」
順子さんは僕の後ろの奈月ちゃんの存在に気づいた。
「お母さん、わかるの?」
奈月ちゃんは僕の後ろからひょっこり顔を出した。
「あたりまえじゃない!大切な娘を見間違えるわけないわ」
「お母さん!!」
奈月ちゃんは僕から離れて順子さんの方へ走っていった。
「もう!どうしてそんなに大きくなっちゃったのよ!」
順子さんは奈月ちゃんを抱きしめた。
「だってお兄ちゃんと一緒にいたかったんだもん」
「話は中で聞かせて。大輔君もどうぞ」
「はい」
リビングで僕は奈月ちゃんの身に起こったことを話した。
「魔女の魔法で大輔君と同い年に急成長した…。信じられない話だけど現に奈月は大きくなってるし。
どうしたら元に戻れるか聞いてる?」
順子さんは奈月ちゃんの頭をなでながら困った顔をしている。
「ううん、わからない。っていうか元に戻らなきゃダメなの?」
奈月ちゃんは不思議そうな顔をしている。
「元に戻らなきゃダメよ!」
「なんで!このままお兄ちゃんと一緒の学校に通って、勉強して、放課後は一緒に遊んで、いつでも一緒にいるんだもん!」
奈月ちゃんは少し興奮して叫んだ。順子さんはますます困った顔をした。
「奈月はまだ子どもなの。大輔君、何か教科書貸して」
僕は国語の教科書を出した。
「これが高校の教科書よ。わかる?」
奈月ちゃんは教科書を受け取ると難しい顔をして教科書を読んでいたが、はーっと溜息をついた。
「全然わからないよ」
「でしょ。奈月にはちゃんと勉強して色々なことを経験してから大人になってほしいの。わかった?」
順子さんが諭すと奈月ちゃんはすっきりしした表情で
「うん、わかった。でもお兄ちゃんに一つ約束してほしいの」
と僕の方に向き直った。
「これからはまた一緒に遊んでくれる?」
「うん、もちろんだよ」
奈月ちゃんは
「わーい!お兄ちゃん大好きー!」
とまた抱きついてきた。
「わわっ!」
僕はまた押し倒されてしまった。
「奈月がわかってくれたのはいいんだけどどうやったら元に戻れるのかしら」
順子さんがまた困っていると…
「あら?せっかく成長させてあげたのに元に戻りたいの?」
声のした方を向くとそこには知らない高校の制服を着た美少女が立っていた。

66あーるゆー:2011/10/15(土) 23:38:58
【同い年 その7】

「あ、さっきの魔女さんだ!」
奈月ちゃんが突然現れた女子高生を指さす。この女の子が魔女?容姿は普通の女子高生だけど妖しげな雰囲気を漂わせている。
「魔女さんごめんね。私、元に戻らなきゃいけなくなったの。どうやったら元に戻れるか教えて」
奈月ちゃんは頭をペコリと下げた。
「そんなの簡単よ。奈月ちゃんが両想いの男の子とチューすると元に戻るわよ」
え!?魔女はニヤニヤしながら続ける。
「王子様のキスで魔法が解ける。素敵じゃない。でもお兄ちゃんは奈月ちゃんを元に戻したいのかな。
押し倒されたり、買い食いデートしたり、おっぱい触ったりして楽しそうだったじゃない」
み、見てたのか!
「だ、だ、だ、大輔君!うちの娘に何してるの!」
順子さんはものすごく動揺してる。
「それは誤解ですって!それに僕も奈月ちゃんを元に戻したいと思ってます!」
僕が弁解すると魔女はクスクス笑いながらしゃべりだした。
「じゃあお兄ちゃんはロリコンなんだ。」
「違うって!僕はただ奈月ちゃんに元に戻ってほしいだけなんだ!」
「そもそもお兄ちゃんが奈月ちゃんのことが好きじゃないと元に戻れないんだけどね」
ちょっと必死になる僕を魔女はからかった。魔女はこの状況を楽しんでいるように見えた。
僕は奈月ちゃんの前に立った。
「お兄ちゃん、私を元に戻して」
奈月ちゃんは頬を赤らめていた。僕は奈月ちゃんの顔を見た。かわいい。
さっきから妖しく笑っている魔女とは違って健康的な美少女。
でも元に戻してあげなきゃ。
「じゃあ、行くよ」
僕は奈月ちゃんを抱きよせるとそっと口づけをしてさっと放した。
「はぁはぁ、なんだか体がぽかぽかするよぉ…」
奈月ちゃんの背がみるみるうちに縮んでいく。制服の上からでもわかった胸の膨らみが無くなっていく。
手も制服の袖の中に入って行って、顔は幼さを取り戻した。
「私、元に戻った!せーふくがダボダボ!」
奈月ちゃんは袖が余った制服をバタバタさせている。
「奈月、本当によかった!」
順子さんは奈月ちゃんを抱きしめた。
「お母さん、ちょっと痛いよー。あれ?魔女さんは?」
部屋の中を見回してみたが、魔女の姿はなくなっていた。
「どこへ行ったんだ」
僕が首をかしげていると奈月ちゃんが僕に近づいてきた。
「お兄ちゃん、元に戻してくれてありがとう。
元に戻れたってことは私とお兄ちゃんは両想いってことだよね。嬉しいなー」
そうだった!
「そうね、大輔君なら奈月を任せられるわ。奈月が大人になるまでちゃんと待ってあげてね」
順子さんはニコニコしている。
「は、はい。」
今日のことは僕が奈月ちゃんに会えなかったから起きたとも言えるし注意しないと。
「お兄ちゃん、大好き」
奈月ちゃんは、満面の笑みを僕に向けた。

67あーるゆー:2011/10/15(土) 23:39:36
ということで今回もなんとか完走です。
ご愛読ありがとうございました。

68oh:2012/01/16(月) 18:47:42
あーるゆーさん、なかなかおもしかったでしたよ。


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