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【試験】ここだけ魔術のある世界 置きレス進行スレ【運用】
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非リアルタイムの絡み・イベント用スレです。
長期間の間がある置きレス(レスの書き置き)で進行してゆくスレです。
参加者同士で時間の都合が合わない場合や、イベントの長期化が予想される場合などに活用しましょう。
スレ立ては
>>900
>>950
>>980
>>1000
その他注意事項などは通常の本スレ参照。
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>>397
再び頬を動かしマスクが動く
「伝えておきましょう。ただ、東側は冷たいですからねえ。私の事など、知らないと言うと思いますよ」
虚をつかれた様子も、警告に動じる様子も無い。
また、隠す気もあまり無い。
彼らを捕まえ、干渉を公にしても東側は行動はいつもと同じだろう。
一部過激派の行動であり、東部自治政府としては関与していない。といった所だろうか。
上司は嫌がる様子も無く、騎士の要求を飲んだ。
彼も手を焼いていたのだろう。政治活動に熱心な部下が居ては出世にも響く。
上司は役人をこのように評価した。
「病気で頭がやられたとしか思えないよ。それか中身が入れ替わったのかな?」
一階の会議室に通されると、既に役人が待っていた。
「私に何のようかね? ま、掛けたまえ」
座るよう促される。
そしてテーブルには医者の所で飲んだお茶が。さっきよりも強烈な臭いだ。
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>>398
お茶の臭いには気づく。
「宣言通り、ちゃんとした手続きをふんで事情聴取。」
役人の側に歩み寄る。
「・・・さっき、貴方が診てもらった病院に行ってきた。」
右目をパチリと閉じて赤い左目だけで睨みつける。
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>>399
「我らが同志に会って来たのか…まあ、良い要件は何だ? ただ茶を飲みに来た訳でもあるまい」
役人が一瞬視線を逸らした。
睨みつけられた事にではなく、周囲の状況を再確認する為にだろう。
「座り給えよ。立ち話で済ます内容ではないのだろう?」
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>>400
「ん。」
そのまま隣に座り、茶を手元に引き寄せる。
「・・・珍しい香り。これは、貴方が?」
赤い瞳をそらさずにじっと見つめている。
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>>401
「ああ、そうだが? 嫌いかね」
僅かに役人の頬がつり上がった。
状況を楽しんでいるのだろう。
「さっきより上手く煎れれたと思うんだがね」
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>>402
「ん。」
役人の顎に手を伸ばす。
訓練された軍人の速度、かつオーガ属の腕力で捕獲にかかった。
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>>403
「このまま絞め殺すかね?」
あっさりと捕まり取り押さえられるが、余裕は消さない。
この余裕は何処からくるのだろう?
同時に背後からも気配と殺意を感じる。部屋の外からの侵入とは思えない。
元からそこにいたか、突然そこに現れたかだ。
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>>404
「殺す?解毒剤を探すだけ。」
頬を両側から圧迫して無理矢理口を開けさせる。
そのまま口を覗き込もうと考えたが、殺気を感じてそのまま立ち上がる。
「・・・屋内で戦うなら、ティスカぐらい連れて来ればよかった。」
キョロキョロと辺りを見回す。
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>>406
「解毒剤? 何に使うんだね?」
後ろには同じ役人の姿があった。
さらに左側にも同じ役人に姿が。
「いやぁ、動く屍にしよいと思ったんだが上手くいかなくてねえ」
更に右にも一人。今度はあの医者の姿だ。
「そりゃぁ、中身が違うんだ別人に感じるだろうねぇ」
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>>406
「・・・ん。つまりコレも屍。」
役人を握る腕にさらに力を込める。
「・・・狙撃手、だから。」
鋼鉄の警棒を手に持ち、ブンと振り、椅子を破壊してみせる。
「接近戦は・・・苦手。」
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>>407
「屍…まあ、間違いじゃらねえなあ」
医者はマスクを取った。
肉が爛れ腐っている。
「等の本人が屍みたいなもんだからな」
気がつけば手の中の役人も、周りの役人も医者の姿になっていた。
そして手の中の役人は事切れ、元の魔元素となり消えていった。
「観念してくれると嬉しいんだがね。なーに、命は取らないさ。監禁されてくれりゃあいい」
医者は姿を変え、
「後は…私が、やるから…ム、あんまり、似てない」
ルゥの姿となったしかし、よく見れば完成度が低い。相手をよく観察する必要があるのだろう。
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>>408
「それは無理。魔獣人を甘くみないほうがいい。」
空いた手でバンダナを下ろし、
片目をしっかりと隠してからテーブルを軽々と持ち上げる。
「陸軍隠密部隊所属【単眼鬼(サイクロプス)】ルウ。
この力も真似できる?・・・出来てもただで捕まるほど、優しくはないから。」
テーブルを軽々と振り回し、周囲の『屍』を薙ぎ払う。
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>>409
間が悪くテーブルが直撃した医者は魔元素へと戻っていった。これで残りは二体だが、魔術で作られた分身だ。力が続く限りは何度でも現れるだろう。
「こりゃ意外と大物だったねえ…ますます逃がす訳にはいかねえな」
医者はカワセミへと姿を変え、一瞬にしてルウとの間合いを詰めるそして間いれずに大蛇となり、ルウに巻きつこうとする。
もう一人は巨大なオオカミとなり、拘束に成功しようがしまいが、ルウへと噛み付く
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>>410
「・・・む!」
机をその場に落下させ、警棒を放す。
巻き付いた蛇を腕力で引きちぎり、
狼の口へと左腕を突っ込む。狙いは舌だ。
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引きちぎられた大蛇も他の者と同じように魔元素に還っていく。
狼は姿を消し、元の腕に戻った。結果的に医者の手を握った様な形になる。
力の差を考慮すると、握手という表現は妥当ではないのかもしれないが。
同時に熟練の魔術師であれば、彼もまた魔術によって作られた分身だとわかるだろう。
だが、然程遠くない所で状況を観察している筈だ。
遠方から、このような高度な分身を複数操れる魔術師は少ない。
「嬉しいねえ、ダンスでもしようってかあ」
掴まれていない腕を狼の頭部に変え、ルウの首もとめがけて牙を向いた。
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>>412
「・・・・む!」
取り敢えず握った手を振り回し、適当な方向に力任せに放り投げる。
狼の牙が食らいつこうが意に介さない。
分身だという確証は得られたが、ルウは魔術師ではない。
出来ることは狙撃と怪力のみだ。
闇雲に攻撃するよりほかは無い。
「・・・そうだ。」
再びテーブルを手に取り、空中へ放り投げた。
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>>413
牙は多少かすった所で振り投げられ、案の定魔元素となった。
「無限に出せるわけじゃねえが、まだまだ球はあるぜ?」
今度は5体ほどの医者が現れた。
「テーブルも管品だぜ? あまり壊さないでほしいねえ」
さて、どこに医者はいるのだろうか?
今までの流れからして、何か別の生き物になっているのだろう。
窓の外には猫が一匹、鴉が一羽。
他には部屋の隅にネズミが走ったぐらいだ。
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>>414
「・・・大丈夫。私も公務員。」
どこかずれた答えをして、放り投げたテーブルを思いっきり殴りつける。
テーブルの破片の散弾である。
狙いは部屋の隅のネズミが居たあたり。
その軌道上に医者が居てもある程度はカバーできるように砕いたつもりだ。
「・・・。」
すぐに後ろに飛んで出口に置いた自分の荷物へと寄る。
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猫と鳩を含む分身が全て消えた。同時に床が持ち上がり、隆起した土にテーブルが当たった
難を逃れたネズミは医者の姿となり、
「よくわかったねえ…その目に何か秘密があるのかねえ」
再び分身を作る事無く、窓を突き破り外へと飛び出したわ。
逃げか? それとも、己が有料な地形図に移動したかだ。
後を追った場合は、少し離れた場所で三体の分身とで会うだろう
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>>416
「・・・勘。あっちのカラスも撃つつもりだった。猫は・・・多分違うからその後。」
袋から大型のクロスボウを取り出し、巻き取り機を使わず腕力で引き絞る。
その場で狙えるのならそのまま足を狙って狙撃する。
狙えないのなら狙撃できる場所まで後を追う。
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>>417
「勘のいい奴め…」
そして矢は医者の足を貫き大地と繋いだ。
今度は魔元素とならず、血が流れ出す。
「…どうしてくれるんだ? 傷は埋まっても骨は苦労するんだぜ? まだ右足は俺のだったてのに」
矢を抜こうとはしない。抜けば血が吹き出してしまう。
瞬時に分身が八体現れ、詠唱をはじめた。役割分担をした大呪文だ。
地響きがし建物に亀裂が入る。
「大丈夫。生きてりゃ繋げてやるよ」
どうやら大地を隆起させ、建物を潰すつもりの様だ。
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>>418
「む。」
慌てて屋外に飛び出す。
続けて弓を引き搾り、矢を番えて構える。
「・・・おかげで仲間を呼ぶ手間が省けた。」
街中でこれだけの魔術を発動させれば
衆騎士団だけではなく聖堂騎士や下手すれば執行官も出てくるぞ
という意味の発言である。
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>>419
「その方が手間が省けて好都合だねえ」
足を射抜かれたというのに苦しむ様子はない。痛覚を遮断しているのだろう。
ルウが着地した場所は沼地になっていた。
いや、周囲一帯が沼地へと変化したというべきか。
沼となったおかげで医者は矢を大地から抜き取り、
「やはり動かねえか…ま、お前を仕留めるぐらいはできるだろう」
分身の医者達は沼の上を平然と歩き、ルウとの距離を詰める。彼らの足元だけが沼でなくなっている。
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>>420
「・・・こういう直線が開けた場所では、コレのほうが有利。」
クロスボウを構え、医者の分身を撃ち抜く。
可能ならば貫通できた際に本体を巻き込める個体を狙う。
「それにコレ、元々は攻城兵器。」
巻き取り機を使わず怪力で再び弓を引き搾り、一際大きな矢を番える。
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>>421
「あ、そうだ。一応聞いておこうかね」
矢は医者本体には届かず土によって防がれた。
「現地採用枠ってのがあってねえ。どうだ? 国を売る気はねえか? 悪い待遇ではねえぜ」
沼は消え、分身も消えた。魔力を集中するためだろう。
「それか、俺の情婦にならねえか? ラダには遊び相手がいなくてよ」
ニタニタと笑っている。会話そのものが時間稼ぎだろうか?
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>>422
「・・・幼女性愛嗜好?別の医者が必要。」
気の毒そうな目で見る。
「でも・・・どっちにしても興味ない。」
大型のクロスボウから巨大な矢が放たれる。
矢は途中で割れて無数の矢に分かれて襲い掛かる。
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>>423
「あら、意外と捌けてるんだな。多少恥じらうかと思ったが」
ルウの目の前がを鳥が一羽横切る。
そしてまた一羽二羽。
鳥だけではない猫やネズミや犬など小動物
も。
矢が放たれると同時に大量の様々な動物が押し寄せた。
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>>424
「むしろ引いた。」
子供の素直な感想である。
矢の散弾は動物たちに阻まれてほとんど届かない。
可燃性の液体を詰めたビンを叩きつけて地面にぶちまけ、自分の目の前を炎で覆う。
続けて今度は聖書を矢の代わりに番える。
「魔力の塊なら、これで仕留める。」
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>>425
「いや、この子達は可愛いしもべさ。動物とは仲良しでね」
医者はカラスとなり鳥に紛れた。
「俺はね、騒ぎが大きくなってくれればいいのさ」
目で追うのはかなり大変だろう。
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>>426
「・・・でも私は嫌い。」
聖書を射出する。
炎に包まれながらバラバラに分解された聖書は、
鋭い刃となって鳥を襲う。
「・・・眼を使う。」
拡大視の魔術で相手の場所を狙う。
倍率は最大の50倍だ。
同時に今度は貫通力の高い矢を番える。
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>>427
もし早い段階から目で追っていれば、背後に回るカラスに気がつくだろう。
しかし、途中で8羽に分身した。
分身する前に撃ち落とせていなければ、前後左右から、医者がメスで斬りかかる。
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>>428
分身した瞬間に狙撃するが、撃ち漏らしたため医者の分身に襲われる。
「・・・!」
右手のクロスボウで薙ぎ払い、左手で一体の顔面を握りつぶす。
しかし後ろまでは手が回らず、背中を切りつけられて負傷した。
「・・・っ!」
ルウの毒物耐性はオーガ種と同様。
一般人に比べればはるかに強い。
「油断・・・した・・・。」
背後の分身をクロスボウで薙ぎ払い、弓を引き搾る。
装填するのは巨大な鏃を持った矢だ。
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>>429
「狙いはこっちさお嬢さん」
ルウを後ろから羽交い締めにして、軽ければ持ち上げる。分身は劣りだったのだろう。
「さあ、どう遊んでやろうかねえ? 壊れるまで薬漬け? 奴隷小屋? いや娼館の方がいいか? ニッチな客には困らんからな」
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>>430
「言ったはず。私は【単眼鬼(サイクロプス)】。
新大陸原産のオーガ種の力を持っている。と。」
大地を蹴って一瞬のうちに城壁を登り弓兵を叩き潰すというオーガ種の新種。
知能は高くなく、群れは作らないため危険度はそこまで高くは無いが、
その巨体から繰り出される暴力はまさに桁外れだといわれている。
ルウはその筋力の6割程度しか持っていない。
しかしそれでも人間の体組織を破壊せしめるのには十分である。
その全力をもって思い切り医師の股間を後ろに蹴りあげた。
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>>431
医者は声も出さずに気を失い倒れた。
ゾンビ風の男だが、一応は生きている。このまま放置すれば死に至るだろう。
止めを刺すか事件の容疑者として捕まえるかは自由だ。
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>>432
「消えない。つまり本物。」
対特殊犯罪者用に作られた聖骸布の紐で縛り上げ
ヒョイと持ち上げて騎士団ではなく、大聖堂へと連れて行った。
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>>433
抵抗する様子は無い。正しくはまだ気を失っているようだ。
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>>434
何か手続きをしてから大聖堂の地下にある部屋へと医者をつれていく。
彼にとっても(ある意味においては)目的地であるだろう。
アーティファクトの保管場所であり、またそうではない場所。
【封印指定(ロストナンバー)】エジェリー・ノエル・ダランベールの部屋(せかい)である。
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>>435
部屋に着くと同時に目を覚ました。
「クソーあの女容赦ねえなあ」
傷だらけの身体を気にしてか動く気配はない。
「さて、ここは牢屋か? にしては変わった場所だなあ」
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>>436
「ここは、公国で一番危険で一番安全な場所。」
白い花が咲いている花畑に赤い絨毯が敷いてある。
絨毯の上には真っ白なテーブルと椅子があり、椅子の上には赤い髪の少女が座って優雅にお茶を飲んでいる。
医者とルウを興味深そうに眺めながら。
「尋問のために、ここに来た。」
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周囲を眺めながら簀巻きのままテーブルまで歩き、腰を下ろした。
「ああ、ここがアドルフの報告であった保管所か? 参ったね単騎で来ちゃ何もできん」
少女を上から下まで眺め、
「話の通り、後10年したらさぞ美人だろうねえ。でも歳をとらないんだったか?」
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>>438
エジェリー
「アドルフの知り合いのようだけど、随分不躾ね。」
むっとした顔をする。
ルウは出入り口――のあった場所から動かずにいる。
エジェリー
「まあいいわ、尋問をはじめましょう。紅茶でいいわよね?」
ルウも席に着き、テーブルの上に3人分の紅茶が用意される。
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>>439
「躾されてたら、こんな所こねえだろ? だが、気を悪くしたらすまんねえ」
「で、何を聞きたいんだ? それと砂糖は三つ頼む」
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>>440
エジェリー
「単刀直入に言うわ。東部の連中はこの国で何をしようとしているの?」
紅茶に砂糖をスプーンで3杯入れてから差し出す。
エジェリー
「ああ、どうせこの世界からは逃げられないから拘束は解いてあげていいわ。」
ルウ
「ん・・・。了解。」
拘束を解く。
エジェリーの言う通り一面に広がる花畑に転移の仕掛けのようなものは無い。
アドルフからの報告に上がっているのならば、
ここはエジェリーの思い通りに姿を変える世界であることが分かるだろう。
いわば巨大な魔物の胃袋に居るも同然だ。
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>>441
「お、悪いねえ。飲ませて貰おうか考えてところだ」
紅茶を一口飲み、
「上の真意はわからねえが、アーティファクトを持ち帰って来いって命令されてね」
「ここから盗むのは諦めて執行官から個人所有のを頂こうかなとね。後はラダにはうちの支部もねえから、その下地作りかねえ」
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>>442
ルウ
「・・・執行官は12人。そのほぼ全てが私よりも強い。」
ルウ
「・・・運が良かった?悪かった?」
出された紅茶に息を吹きかけてから少しだけ飲む。
エジェリー
「では貴方は何故一連の騒ぎを起こしたのかしら?
愛国心?金銭目的?それとも・・・お友達の遺志かしら?」
何もない空間からスコーンとクロテッドクリーム、苺のジャムのセットを取り出し、テーブルの真ん中に置く。
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>>443
「元より正攻法で勝てると思っていねえよ。勝てないならその手を考えるのも役目の内だからなあ」
「無理だったとしても、無理だったという報告さえできれば十分だ」
取り出された菓子を摘み、口に放りこみ、
「悪くない味だな。だが、もっと雑な味でも野趣あっていいと思うぜ」
「騒ぎに深い意味はねえよ。反政府組織の支援なんてのは介入の定番パターンだしな。アドルフの意思を継いだのなら、こんな事はしねえよ。あいつが望んでいたとも思えねえし」
「逆に聞くが、お前たちは何故今の役目をこなしている? 自由意思によるものか? それとも強制されてか? 仮に自由意思で動いているとして、それは本当に自分の意思か? 他者の考えが混じっていねえか?」
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>>444
ルウ
「報告、できればいいけど。」
ぼそりとつぶやく。
ルウ
「今の役目の理由・・・やりがい?」
公務員らしい答えである。
エジェリー
「私は暇つぶし。他にやることもないし。
それに尋問とか交渉もやってみたかったのよね。」
空間から一冊の本を取り出す。
帝国・公国で大ヒットとなった著者の実体験を元にしたフィクション小説である。
騎士団の中間管理職が悪党に対して過剰な拷問を行い、
組織を追い詰めていくというバイオレンスアクションとサスペンスが
安全退屈な日々に刺激を求めていた貴族連中に大ウケしたのだとか。
なお、実際は地味な裏方作業や裏工作だけだったとあとがきに書いてある。
エジェリー
「それで、質問の本当の意味なんだけど・・・。
単刀直入に言うわ。あなたは『東』の出身?それともただの傭兵?」
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>>445
「報告? それは簡単さ。俺からの連絡が途絶えたという事は失敗したって上は理解する。そうすりゃあ違う獲物を探すだけだ」
本を手に取り軽く眺めた後、テーブルに置いた。
「答えなければ拷問か? あんまりお勧めしねえぞ」
「ま、怖いから正直に答えると、確かに生まれも育ちも東さ。でも今はどこだろうな? 偽装した公国の身分が生きてりゃ公国の人間だぜ」
工作員の割りには素直に喋る。練度が低いのだろうか? それとも高度な訓練を受けているのだろうか?
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>>446
ルウ
「ん。」
エジェリー
「そう。じゃあ次。私はその本の後書きのほうが私は興味があるの。」
裏工作の事だ。
エジェリー
「貴方、私のために働く気はないかしら?」
好奇心いっぱいの笑顔を向ける。
ルウは紅茶を思いっきり咽て咳き込んでいる。
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>>447
「俺に二重スパイになれって事か?」
「ま、面白い話ではあるが、東の何を知りたい? 何を奪いたい?」
話には割と乗り気であるようだ。さほど忠誠心を持っていなかったのだろう。
「敵対しているならまだしも、帝国の属領と自治州が張り合っても意味がねえだろ」
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>>448
エジェリー
「そう、敵対はしていない。だからこその二重スパイよ。」
エジェリー
「向こうの動きだけ教えてもらえればいいの。
そうすればこちらは最小限の労力で対処できる。
上手くコントロールして政の助けに出来たら素敵じゃない?」
ようするにガス抜きをさせようということらしい。
ルウは不満げだが、立場上反論できないらしく黙っている。
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>>449
「本格的な介入が始まらない様にコントロールねえ、悪くない考えだが…」
言葉が途切れ、沈黙が続く。今までの適当な態度が消えゾンビ顏なりに真面目な表情になった。
「問題は二つだな」
「俺の相方のマダラをどうやって出し抜くかだ。恐らく俺が連行された事は既に知っていると思う。無事に釈放される理由が必要だろう」
「最悪…始末するしかないが…あいつは武闘派だからな。それなりの代償が求められるぜ」
「更に、その後の本国の対応が読めない点だ。撤退になればいいが…更なる介入になった場合は面倒になるぜ? 過激派の暴走による軍事介入なんてのも帝都でやったぐらいだからな」
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>>450
エジェリー
「あなたを釈放する気は無いわ。あなたは“逃げる”の。
もしもそれでも交戦することになるというのなら、こちらも武闘派をぶつけるしか無いわね。」
コトッと水晶玉をテーブルに置く。
水晶玉から半透明な人物が幽霊のように浮かび上がる。
蜥蜴の腕で大剣を担いだ凶悪そうな女戦士、
泣き顔の仮面を顔の右半分に被った紫銀の髪の少女、
魔導書を持った3人の執行官候補、
粗暴そうな髭面の巨漢・・・そして鉄血教皇。
エジェリー
「帝国みたいに練度の高い大軍団は持っていないけれど、
個々の戦闘能力なら帝国の将官クラスが結構いるのよ?」
軍の規模としては小さいラダが帝国から独立し、
現在でも対等に近い関係で同盟状態が保たれているのはこういった事情あってのことだ。
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>>451
「騙せるかどうかはわからんが…追っ手はいるだろうな」
「俺も負傷したが、マダラは負傷もしくは死亡。そして本国へ撤退し、そこからあんた宛に情報を漏らせばいいんだな?」
紅茶を一気に飲み干し、
「だが、俺はマダラとは戦わないし、あいつの事も教えないぜ。直接殺すのは気がひけるからな」
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>>452
エジェリー
「その追手の人選が悩みどころなのよね・・・。」
エジェリー
「この子はあなたとの戦いで大分消耗しているからまず除外。
今見せた連中の中でも先生・・・ビスマルクは動けない。
髭の男、バモンは執行官第二位。立場上動かすのは拙いわ。
仮面の娘、ティスカは難しい命令を理解できないし、
トカゲ女のリゲータの場合はそもそも命令に従わないでしょうね。」
エジェリー
「ジャンヌ、オルガ、ジルはそれぞれ別件で帝都の方へ向かっているし・・・。
そうなると、引退して教官職に就いているアスティか、
万年補欠のファマル、あとはこういう事が得意なマーレと
つい最近やっと戻ってきた私の同類ぐらいかしら・・・?」
ルウは黙って空になった医者のカップに新しく紅茶を注ぐ。
エジェリー
「追われるのは貴方だし、貴方が選んではどうかしら?」
エジェリー
「1・多くの武器が使えて、魔術もそこそこ使えるお姉さん。
2・近接・間接戦は得意なアホの子。
3・勤務態度の悪い不良騎士の姐さん。
4・射程距離はクロースレンジから超アウトレンジの年齢不詳魔導戦士。」
エジェリー
「・・・あと、一応もう一人。
最悪貴方も巻き込まれるから推奨しないけど
5・公国の汚点、山賊紛いな快楽殺人サイコ女。」
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>>453
「…1か3か5だな」
席を立ち、
「時間はかかるのか? 早い方がいい。あいつは俺ほどバカじゃないが、真面目だからな」
「俺の奪還を考えるかもしれねえ。軍は来ないだろうが…商会連中の方がタチが悪いからな」
商会。エレリ商会の事だろう。東部の代表的な商会だが、黒い噂が絶えない。自治政府と強い繋がりがあり、戦力は東部諸侯軍より多いとも噂がある。
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>>454
エジェリー
「では一番近い3番ね。
ルウ、彼に少しのお金を渡してあげて。」
ルウ
「・・・ん。」
小さい袋に数枚の銀貨が入った袋を差し出す。
エジェリーの意図は理解できていないようだ。
エジェリー
「それは今回の必要経費。
報酬はまた後で話し合いましょう。」
エジェリー
「ほんの数分だけ待って、マーレを呼び出すから。」
地面から突如生えた魔導機に向かって
”マーレ”という人物を寄越すように話しかける。
エジェリー
「時間が無くて彼女に詳しい事は話せないから、
ちょっと予定とは違う動きになるかもしれないけど・・・いいわよね?」
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>>455
「計画に変更は付き物だからねえ、多少は構わないさ」
銀貨を受け取り、
「俺は逃げ出せばいいのかい?」
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>>456
エジェリー
「いいえ、今からやってくる彼女に連行されればいいのよ。」
空間に突如ドアが現れ、眠そうな目をした女性が入ってきた。
女騎士
「衆騎士団警邏隊マーレ・メディオ。只今参りました。」
癖のある黒髪を首の後ろで縛っており、それなりにスタイルも良い。
身長は160cm前後で刀を佩いている。
見た目は20代前半のようだが、それにしては落ち着いた雰囲気をしている。
エジェリー
「早かったわね。この男を牢へ連れて行きなさい。」
マーレ
「はい。・・・で、なんで私が?」
エジェリー
「貴女が一番ヒマそうだったからよ。気を付けなさいね。」
マーレの耳元でエジェリーが何かボソボソとささやく。
それに対して適当な感じにハイハイと返事をしてから医者へと近づく。
マーレ
「って事で、お前を牢まで連行する。キリキリ歩け。」
医者の両手をロープで縛って引っ張り始めた。
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>>457
「怪我人なんだから、優しくして欲しいねえ」
(救出に来たマダラを倒し、その隙に俺が逃げるって算段か?)
素直に引っ張られるゾンビ男。姿を変えずにゾンビ姿なのは仲間に気がついて貰う為だろう。
「美人だねえ。彼氏はいるのか?」
(ま、このねーちゃんの腕に期待かねえ。即死しなきゃいいが)
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>>458
「るせぇ、何でパクられたのか知らないが、キリキリ歩け。」
エジェリーの部屋を後にした。
「ま、それなりにだな。」
階段を上り、地下納骨堂を出る。
「それよりもだなあ、最近私はちょっと物覚えが悪くなってだなあ・・・。」
非常口の前で立ち止まり、縄を持ったまま腕組みをしてチラチラと医者を見る。
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>>459
「…ああ、すまないね。じゃあ、よろしく頼むよ」
非常口から出て行こうとするゾンビ野郎。
敢て縄を解いて貰わず、雰囲気を出すようだ。
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>>460
「ゲホンゲホン。本当に物覚えが悪くなってねえ。
それに疲れていてねえ、仕事なんか忘れてつい転寝しそうになる。」
大げさに咳払いをしながらそのまま一緒に非常口から出る。
右手で縄を掴んだまま腕を組んでいる。
よくみると左手を右の脇の下から出している。
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>>461
(逃がして来れるじゃねえのか?)
「体調悪いなら早く寝た方いいんじゃねえか?」
(クソ、両方始末する気か? そんな事考える娘には見えなかったがな)
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>>462
「・・・察しが悪い奴だな。
魚心あれば・・・ほれ、あんだろ?」
左手の親指と人差し指で輪をつくり、パタパタと手招きするように振っている。
ようするに賄賂を要求しているのだ。
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>>463
(ああ…不良騎士とか言ってたなあ)
「ああ、こりゃ気がきかなくて」
先程手渡された銀貨を渡す。
「少なくてすまんねえ」
そして、自由になったのならそさくさと逃げ出すだろう。
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>>464
「さて、どんな任務を受けていたかな。」
縄を持つ手を離し、そのまま木陰に移動して座り込む。
縄はそこまで特殊な結び方ではないので、
端を握られておらずかつ縄ぬけの心得があれば簡単に、
そうでなくとも仲間がいれば簡単に解いて貰える程度だ。
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>>456
「ま、こんな具合だ。どうせそこで見てやがるんだろ?」
壁に話しかける医者。すると反対側の壁から、
「失敗したようだな?」
「まーな、だがどの道無理な任務じゃねえか」
医者は一瞬だけ小鳥に姿を変え、縄から抜けると元の姿に戻った。
「さ、どーするんだ?」
「…あの組織は使えんな。次のプランに移ろう」
壁から小柄な男が姿を現した。腰には東方の剣が下げられている。
「そこの女。国を売る気はないか? 金なら積むぞ?」
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>>466
「金は好きだけど、そんな面倒な事に一生懸命になるのはお断りだね。」
小柄な男が現れたことにはまったく動じていない。
まるでいる事が予め分かっていたかのようだ。
「私は騎士になって5年になるが、
世の中とか人間ってのが信じられなくなっててね。」
ジリ・・・と小柄な男の周りを回るように歩を進める。
「うすぼんやりとした昼行燈で結構。
ヤミ本や密造酒、泥棒市の売人を絞って小遣い稼ぐだけでいい。」
左手で腰の刀の鯉口を切り
感知強化魔術で相手の攻撃の起こりに警戒をする。
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「ふむ…工作員を逃がすのは面倒ではないのかね?まあ、やや合点はいかぬが、後で考えるとしよう」
「おい、ゾンビ野郎。お前はさっさと逃げろ。処分は後で考える」
仔細を敢て問い詰めず、先ずは騎士の処理を優先すると決めた様だ。
刀を抜き八相の構えを取った。
「正味の戦いは久しいな。たまには武を競うのも悪くあるまい」
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>>468
「逃がすつもりは無かったよ。
あんたがそこまで強い奴じゃなかったら一緒に叩っ切るつもりだった。」
刀を抜き、下段に構える。
ただの警邏隊とは思えないほどに落ち着き払っている。
「こっちも伊達でカタナ使ってるわけじゃねぇんだ、キッチリ殺(と)らせてもらうよ。」
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>>469
「殊勝な事だな。それともそういう任務か?」
マーレを中心に円を書くようにゆっくりと足を運ぶ。
間合いは互いに正眼でも切っ先が三十センチ程度離れた距離だ。
「名はマダラ。既に知っているかもしれんが、名乗っておこう。滅多に無い機会なのでな」
刀をゆっくりとだが寝かし、同時に腕もゆっくりとだが上げた。
呼吸は非常に落ち着き払っている。それどころか、全くわからないぐらいだ。
そういった術も長けているのだろう。
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>>470
「公国衆騎士団警邏隊班長、マーレ・メディオ。
私が受けた任務は逃がした奴を牢屋に護送するだけだ。」
碧の釣り目が鷹のように鋭くなる。
「色々と悪事をやらかしてる連中の一味だから
くれぐれも奪還されないようにって注意されたからな。」
「それよりもあんた、真っ当な剣士じゃねえな?
私と同じ邪剣・暗殺剣の類か、あるいは相当血を吸ってるだろ?」
剣をゆっくりと正眼に構えなおす。
そのままでは埒が明かないと、左手の小指と薬指で短刀を掴み、投擲する。
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>>471
「んっ…」
右足を踏み出し、刀を振り下ろした。放たれた小太刀を切り落とした。
小太刀は見事に両断されていた。
追撃を想定し、更にもう一手打った。
地を滑らしながら左足を前に滑らしながら刀を突き上げた。
間合いが変わっていなければ、マーレに軽く刺さるだろう。
しかし、この程度の事で打ち崩せると思っていないのだろう。更に踏み込まずに左足を後ろに大きく引き、正眼の構えをとった。
「剣士? 俺は剣士ではないさ。ただ、殺すだけさ」
-
>>472
最初から釣るつもりで投げていたため追撃はとらない。
刀の腹で切っ先を逸らし、こちらも正眼の構えをとる。
「なんだ、やっぱり同類か。面倒で嬉しいね。」
うんざりといった顔をする。
「そんな事よりソレ、結構高かったんだけどね。
さっきの小遣いじゃ早速足が出ちまったよ。」
ジリと半歩後ろに下がる。
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>>473
「何を迷う? 引いても我が身には届かぬぞ」
構えを大上段に取り、間合いを詰めた。
間合いは交刃程度。相変わらず呼吸に乱れは無く、言葉を発する様子はない。
強敵と認めたのだろう。互いに打ち合うことができる間合いだ。言葉を発し呼吸が僅かでも乱れるのを嫌がっているのだろう。
気は充実しており、更に攻めの構えである大上段がそれを助長し、威圧する。
暗殺が主な仕事であったという。だが、その世界に足を踏み入れねば、それなりに名を馳せれただろう。それほど迫力がある。
ジリ、ジリっと僅かにだが右回りに動く。
亀がより遅い動きだ。
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>>474
「じゃ、まあ、遠慮なく。」
ゆらり、とマーレの気配が揺らぎ、まるで背景のように溶け込む。
と、同時に瞬時に一歩踏み込み、マダラの右腰側から左肩側へと抜ける高速の一撃を放つ。
攻撃の起こりよりほんの一瞬遅れた不自然な殺気を感じるだろう。
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異質な気配に臆する事なく、刃を振り下ろす。元よりそれしか出来ぬ構えだ。
しかし、それに特化してるが故に、その威力は絶大な物だ。
振り下ろされた刃は大気を裂き衝撃波を生みながら大地をも僅かに斬った。
回避行動は一切せず、攻撃に攻撃をぶつけたのだ。
相打。剣の極意の一つを試したに過ぎない。
「我ながら、らしく無いことをした」
暗殺を得意とする男が小細工無しで挑んだのだ、珍しい事であるのは間違いない。
深い理由はないだろう。何気無しに己の腕を試したくなったぐらいだろうか。
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>>476
「参ったな、こりゃ・・・。」
踏込が異常に深く、身体が低かったため致命傷は避けられたものの、
衝撃波によってかなり吹き飛ばされる。
「こうなりゃ久しぶりに使うっきゃないか。」
立ち上がり、土を払う。
「・・・北辰一刀流・浮蝶剣。」
刀を寝かせ、右顔面前に構えて切っ先をマダラに向ける。
切っ先はフラフラと蝶のように舞い、時々光を反射してキラキラと輝いている。
マーレの気配もまるで蛍の光のようにユラユラと明滅を繰り返し続ける。
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>>477
「ほう…凌いだか」
落ち着き払ってはいるが、今ので仕留められなかったのには少し驚いたようだ。
「面妖な…」
未知なる技に挑むのは危険な行為だ。普段のマダラならば撤退しただろう。
武人ではないのだ、いかに生き残り、いかに相手を殺すかしか重視しない。卑怯な手を使う事に何の躊躇いも持たなかった筈だ。
「陰流、幽明剣」
だが、今回は違う様だ。全身全霊を持って応える。
構えは下段。それもかなり右に開いている。
自然体で右手だけで刀を垂らし、左手は形だけ添えてる程度だ。
証拠に筋肉が弛緩している。
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>>478
斬りかかる様子はない。
ただひたすら蝶のように剣先がゆらゆらと舞っている。
攻撃の狙いを悟らせないために切っ先をゆらす北辰一刀流。
その揺れが蝶のように舞うことで相手の集中力を乱す魔剣だ。
「小細工は効かない、剛の技では足りない。」
「だったら比較的この体に向いてる柔の技ってね。」
気配がだんだんと薄くなるが、剣先はキラキラゆらゆらと舞い続けている。
まるで本当の蝶であるかのように。
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>>479
「ふむ…見誤ったか」
どうやら、マダラが取った手もどちらかといえば待ちの技だったようだ。
「ならば我が全霊を持って打ち破ろう」
刀を持つ手に力を込める。
構えは取らずに片手で握るだけだ。
「未来知新流、飛竜剣」
ナイフを投げややタイミングをずらし斬りかかる。
投げたナイフは3本。どれもマーレ目掛けて真っ直ぐに進んでいく。
マダラの技量と刀の斬れ味からすれば片腕でも人を斬れるだれう。
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>>480
同時に舞っていた蝶がまるで燕のような速度で翻り、ナイフを叩き落とす。
斬りかかったマダラの刀には堅い感触がある。
「今度はそっちが小細工かい。
期待を裏切ったかもしれないけどこっちの刀は安物でね。
アンタみたいな鮮やかなマネは出来ないが――」
マダラの刀はマーレの左逆手に握られた東洋の警棒『十手』に根本を挟まれていた。
「コイツはそれなりの高級品だ。カタナで、まして根本じゃ切れやしないよ。」
十手に力を込める。
並みの刀だったら簡単に折れてしまうだろう。
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>>481
「ほう、良い捕物を持っているな。しかしなぁ、打撃に使うべきだったかもしらんな」
折ろうとする力に逆らわず、刀を手放した。
そしてマーレの刀を掴もうとしながら、足を払った
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>>482
こちらも刀を簡単に手放す。
足払いに気づくのが遅れたため、
そのままマダラの背中に体重を預けるように倒れ込み、クルリと回転する。
「生憎腕は二本しか無いんでね。
それに女の細腕での打撃なんざアンタには効かないだろ?」
着地して一旦距離を取り、マダラの刀をそのまま地面に突き刺す。
「アンタの仲間はもう随分遠くまで逃げたみたいだな。・・・こりゃ始末書モンだな。」
十手を右手に持ち替え、握りの紐をほどいて左手に巻き付けて構える。
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>>483
「なに、気にする事はない。始末書は貴様の上司が家族に書く事になるさ」
奪った刀を構える。しかし睨み合う事はせずに間合いを詰めるべく駆け出した。
「タイ捨流奥義・嵐勢刀」
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>>484
(続き)
間合いを詰め、マーレを突いた。
浅い一撃ではない。が、回避されたとしても次の一手を打てるだろう。
嵐勢の名に恥じぬ連続攻撃だ。しかし、刃を絡め取られた場合はその限りではないだろう。
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>>485
「チッ・・・やっぱタダもんじゃないな。」
一度大きくバックステップ。
右半身に十手を構えて今度はダメージを顧みずに十手で突きを見舞う。
狙いは刀の鍔。
上手く行けば十手が絡みついて技を殺せるが、
失敗したとしても右半身であれば致命傷は避けられる。
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>>486
マーレの策略通りには事は運ばなかったが、
「見事だな」
十手は鍔にこそ当たらなかったが、マダラな前腕を砕く事はできた。
右腕は使い物にならないだろう。普通ならば、ここで勝負は終わりだ。片腕では人は斬れぬ。
首刈りならば、片腕でも人は斬れたかもしれないが、今彼が手にしている刀は違う。
しかし、マダラは諦めずに刀を肩に担いだ。
「生け捕りなど考えぬ事だな」
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>>487
「ヘッ、そこまで自惚れちゃいないつもりだ。
仮にアンタが素手だったとしても、頭骨ぐらい簡単に潰せるだろうしな。」
左手に巻き付けた紐をキリキリと鳴らしながら握りこむ。
「油断はしない。確実に仕留めさせてもらうぞ。」
右手の十手を後ろに溜め、突きのような構えをとると。
攻撃の起こりが見えない奇妙な気配と共に一気にマダラの懐に飛び込んだ。
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>>488
マダラは避けもせずマーレの一撃を無防備に受けた。
読めない動きでも攻撃を受けた瞬間ならば腕が伸びぬ限り間合いはわかる。
その感覚だけを頼りに刀を振るった。
片腕とは思えぬ鋭さ、鎧を着ていなければ胴を両断できるだろう。
しかし、マダラにその意思がないのか太刀筋は浅く、精々頬か髪を僅かに斬る程度だろう。
「悔いはない。最期に己が力を試せたのだ」
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>>489
マダラの意志を汲んでか、あえて正直に突きを繰り出す。
「・・・戦士として戦ったアンタには悪いが、
こっちも目ェつけられると厄介なんでね。
誇りある死を冒涜するようで悪いが
公的な記録じゃアンタは『逃げた』ってことになってもらうよ。」
倒れるマダラをそのまま近くの川へと投げ込み、
その愛刀もついでに投げ込んだ。
「昼行燈も楽じゃぁ無いねえ・・・。
それに・・・あとでお嬢様には事情を説明してもらわなきゃあね。」
マーレ・メディオ――全治1か月。及び2か月の謹慎・減俸。
-
医者は東部に逃げ帰り報告を済ませた様だ。
彼が飽きない限り東部の情報はラダに流れるだろう。
しかし、有益な情報は少ないかもしれない。
マダラは東部内では作戦中行方不明として処理された。
確かな腕を持っていたが、暗殺を嫌がる様になり、処分する為に此度のミッションに駆り出された。
本人も気がついていたのだろう。故に最期に相打ちに持っていこうともしなかったのだ。
-
――港にて――
「ふぅーー。疲れた……」
思い付きの旅から帰還し、久しぶりに帝国の土を踏む。
「俺の故郷<クニ>だったら、翼でひとっ跳びなんだけどなー。ここにいると、何故か翼が出ないってわけだ」
「まっ、代わりに……」
旅の収穫として、今までは粗末な服装しか用意していなかったが、
赴いた各地で調達した衣服を纏い、見た目だけはなんとかマトモを装うことができた。
「うひひ、そんじゃ遊郭でひと遊びだぜー!」
駆け足で帝都方面へと姿を消すエメであった。
-
帝都にて
「おう、お前久しぶりだな!元気してるか!!」
通行人A「え、あぁ……(誰だコイツ)」
「そこの学生!ハンカチーフを落としたぞ!」
学生B「(俺のじゃねーよ)」
「姉ちゃん!頭に萎れた花ついてるぞ!」
姉ちゃんC「(アクセサリーじゃボケ!)」
「いやー、人と仲良くなるって良い気分だわー」
にこにこと街道をかっ歩する魔族。
彼は街ゆく人々と仲良く話をしているつもりであるが、
話し掛けられた人々は特異なものを見る目つきでエメに視線を送る。
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「う〜ん……どうしよう……」
同じく帝都の街道を行くのは、思い悩んだような表情を地面に向けるまだ子供と言っても良い位の少女
時折辺りをきょろきょろ見渡してはまた地面に視線を向けて歩く
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>>494
「どーしたー?」
地面に視線を向けながら暫く歩くと、座ってサンチェリーを見上げる男の姿が視界に入る。
突然の人影に多少驚くかもしれない。
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>>495
「うわっ!え、え〜と…その、あんまり会いたくない人に会わなきゃなあって思ってて……
って、あなた誰?いきなり話しかけてきて……」
こちらを見るエメから半歩下がって彼を見下ろして
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>>496
「ん、俺はエメ。オマエの友だちだ」
口元を大きく開けて悪がきのような笑みを浮かべる。
「なるほどな、それで俺様に一緒に来て欲しいということか……しょうがないな、付き合ってやろう」
サンチェリーは何も依頼していないのに、エメは勝手に話を2,3歩先に進めてしまった。
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