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緊急投下用スレ

26謎のミーディアム:2006/11/01(水) 00:37:56 ID:pt6bfRMM
>>25
「おや、これから何処へお出かけへフロイライン?」
芝居がかった口調で尋ねるラプラスに少女は誰にも見せた事のない
ような愉悦と憎悪、悪意と愛情を込めた笑みを浮かべる。
「御都合主義の劇(デウスエクスマキナ)の開幕ベルを鳴らしにですわ、兎。
 それに、私といえども遊びに興じたい時だってありますの」
「それはそれは……」
そう言うとザキエルに向かってエノクは言葉を投げかける。
「ごめんなさいね、彼らの相手は貴方達に任せるといったけど少し破りますわ。
 だけど安心して。殺しはしないわ、少し、ちょっとした挨拶をするだけだから」
返せる言葉などあろうはずもない。無言でザキエルは主を見送る。
少女にしか見えぬ獣は広間を去っていく。
兎はその少女に侮蔑とも愉悦ともつかぬ笑みを送る。
「ああ、ああ、なんと美しい憎悪!それは愛しき者を奪われた者の悲哀!
 それは憎き者を討つ歓喜!ああ、実に、実に素晴らしい!
 ですが、まだ劇は幕を開けるだけ、終わりはいよいよ近づくがまだまだ先の先。
 ああ、ああ、なんとトリビアル。
 だが、それはいつしか巡り出会う狂気と狂喜と驚喜の窮極劇!!
 ああ、ああ、楽しみだ。いや、いや、本当に楽しみだ!!
 ええ、貴方もそうでしょう――――大導師(グランドマスター)?」
兎の面の奥、ラプラスの瞳が深遠の闇を見つめる。
それはこの宇宙の何処にも属さない、無銘の(NAMELESS)空間にて
謳う独りの金色の獣への詩だった。




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