したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

没作品供養スレ

3第二の、或いは最悪の再会(別ver.)  ◆F2LGKiIMTM:2006/07/05(水) 02:44:14
ヒロコが死んだのが初回放送後で、
アレフがヒロコの死を知らないままゾンビヒロコと遭遇していた場合の展開です。

-------------------------------------------------------------------------------------

双眼鏡を覗き込んでしばらくは、レンズ越しに見える風景の中に動くものは何もなかった。
レーダーの範囲が一キロなら、双眼鏡で見えたらすぐ反対側に逃げれば大丈夫だろう。
相手の速度がこちらを大幅に上回ってでもいない限り、だが。
「追ってきた奴って、車とか乗ってる……んですか?」
「いや……ただ」
ザ・ヒーローが答えたのと、視界に変化が現れたのはほとんど同時だった。
思わず双眼鏡から目を離し、息を呑む。その反応に、ケルベロスの上の二人も気付いたようだった。
「――見えたのか」
少女が硬い声で問う。答える言葉は、すぐには出てこなかった。
心臓が激しく脈打ち始める。この二人が来たのは、そちらの方向からだ。
逃げようとする者を追ってくるほど殺意を漲らせた敵がいて、人間の場所を探知しているのなら、
その同じ方向で無事に歩いている人間がいるはずはない。
だから、その人の姿がそこに見えるはずはないのだ。
しかし一瞬見えたあの姿は、紛れもなく――
「アレフ? どうしたの?」
「……ヒロコさんだ」
警戒した様子もなく、ふらふらと歩いているように見えた見覚えのある姿。
ヴァルハラで出会った、テンプルナイトだという――それより前から知っていたような気がしていた、不思議な女性。
彼女もここに呼ばれていることは名簿を見て知っていた。どうにか合流して助けたいと思っていた。
出会えたのは、嬉しいはずだった。
しかし、敵がいるはずの方向に彼女がいるという事実が疑心と不安を呼んでいた。
(……いや。二人を追ってた奴を、ヒロコさんが倒したのかもしれない)
頭に浮かんでしまう恐ろしい可能性を、希望的観測で振り払おうとする。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板