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没作品供養スレ

13迷いの末に訪れる冷静 ◆XBbnJyWeC.:2006/07/07(金) 13:52:30
「ねえ、尚紀君。」
「―――――。」
クスっと笑う千晶を、ただ見つめ、少年は言葉を待った。

「あたしと組んでみない?」
人との共闘。
それもいい。
だが、彼女を仲間と呼ぶにはあまりにも酷い仕打ちを、過去に行っていた。
「―――――また、君の好きな冗談かい?」
常人が聞けば、背筋の凍る口調で、少年は答えた。
一度、彼女を殺している。
いや、二度か…?
記憶が曖昧になるほど混沌とした世界で対立した幼馴染を今更仲間と呼べようはずもない。
彼はそう判断し、彼女へと回答した。

「そうよね。あんた、好きであたしを殺して、勇を殺して、独りになったんだもんね。」
千晶は少年の心の奥底で沸き起こる声と同じ内容を語る。
だが、冷静さを取り戻した彼には何を言われようとも動じることはない。

「悪いけど、今の僕にはそんな事、興味がないよ。」

やっぱりね。
そう言いたげに彼女は再び肩をすくめて微笑んだ。
「そんなに独りがいいなら――」
手に力を再び込める。
これまでにはない、異常なまでの覇気が彼女を包み込む。
タンッ!と地を蹴り、上空より少年へ拳と共にその身を飛び込ませる。


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