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没作品供養スレ

12迷いの末に訪れる冷静 ◆XBbnJyWeC.:2006/07/07(金) 13:52:00
「あらあらあらあら。随分とお友達の多いこと。」
「――――君も、随分と手を焼いているようだね。」
少年は千晶の腕を見つめて答えた。
肘から下が消えうせ、マガツヒが渦巻くその姿を。

「でもね、みんなつまらないわ。」
千晶は肩をすくめ、悪魔に姿を変えた少年へ言葉を紡ぎ出す。
「本気でかかってきてくれないんだもの。」
異形の腕に力を込め、ぎりりと握り、拳を少年へと浴びせかけた。
少年はその破壊力のある一撃を、軽く避けると少女へと答えた。

「そう――。でも、君は楽しそうだね。」
次々と繰り出される少女の攻撃。
その全てを上半身の動きだけで避けていく。
「ええ。とぉっても楽しいわ――」
更に力のこもった一撃が、少年へと発せられる。
「だって、もう一度あなたと出会えたんですものッ!」
手を全く使わない回避。
人との対峙を避けたかった彼の取った行動は、人を、それも最も良く知る人物との遭遇を招いた。
だが、あえて手は出していない。
ただひたすら回避行動を起こすに留まっていた。

「ふふっ。やっぱりこれくらいじゃないとね。」
己の攻撃を全て避けられながらも、彼女は一段と喜びを増していた。
少女は、はらりと舞い、距離を取るため背後へ飛び退いた。
少年の瞳に攻撃の色はない。
感情を全て廃した表情。
卑下の目を冷たく少女へと浴びせかけるだけの動き。
千晶は少年への動きをぴたりと止め、もう一度言葉を発した。


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