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没作品供養スレ

10迷いの末に訪れる冷静 ◆XBbnJyWeC.:2006/07/07(金) 13:50:30
少年は襲い来る悪魔を執拗に砕いた。
彼の仲魔はその血を浴び、なおも狂気をもたらす。
肉が崩れ、辺り一面が赤く染まる快感。
骨が砕ける音は耳を心地好く擽り、悪魔ノ声ガ、助けてくれト聞コエル。
  (違う!)
同属同士で喰らい合う姿ヲ見ル悦ビが、俺ノ体を突き抜ケる。
  (僕の望みはこんな事じゃない!)

この悪魔たちの宴へ平然と何者かが近づく足音が響いた。
  (この人物を…)
悪魔とは別の気配。
  (僕はこの気配を知っている…)
気配が声を発スル…俺に向ケテ。

「―――へぇ。あんたもこのゲーム、乗り気だったんだ。」
誰ダ。俺ニ気安ク声ヲカケルナ!
お前モ死ニタイのなら殺シテヤロウ。
サァ、来ルガイイ!死ノ安息ヲ求メル者ヨ…

暗く闇を湛えた緋色の双眸を、その声の主へと向けた。
時刻は昼を迎えようと辺りを照らし、色彩の鮮やかさを魅せる中、
少年の周囲だけは刻を忘れたように闇の色に染まっていた。
心に巣食う闇は、なおも彼の表情へと伝わっていない。
声の主はクスリと笑うと、少年へと言葉を投げかけた。


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