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【パラレル】ときめき★ドラキュラ学園【専門】

52おやゆび貴公子inドラキュラ学園その4 2/7:2006/06/22(木) 19:19:40
「おい、これ、自分で作ったのか?」
 袋を開けてみて、ずらずらと出てきた小さな服の豪華さにラルフは唖然とする。
 確かに男性ものではある。
 あるのだが、白いシャツにはフリルの襞襟、金色のブレードで飾ったゴシックな黒ずくめの上下に、
ベルベットのヴェストにマント、ロングブーツ、ずしりとした長剣まで揃っている。どこのファンタジー
の王子様かというセットだ。
「素敵でしょ? うちのサイトでも一番の人気商品ばっかりよ。ほんとなら万単位で売るところだけど、
お詫びがわりにタダにする。それに、前からあたし、アルカード君にはゴスの王子様の格好してみせて欲しかった
のよねえ」
 と夢見るように手を組むリディーに、ラルフは茫然と、
「サイトって……」
「あら、知らない? あたしこれでも、ドール服のジャンルじゃ有名なのよ。ネットでドール服のオーダー
メイドやってるんだけど、注文に追いつかないくらい」
 ……手芸部にいることは知っていたが、まさかそんな副業までしているとは。
 そこまで考えて、はたと気づいた。
「そういえば、どうやって今のアルカードのサイズがわかったんだ。まさか、また」
「そうよ? 当然でしょ。ジュストは『実験体のスリーサイズくらい、一目で見抜けなくて科学者を名乗れる
か』って豪語してたわ」

 ──あのマッド、やっぱり殺っとくべきだったか。

 俺だってアルカードのスリーサイズなんて知らないのに。
 歯ぎしりするラルフを横目に、アルカードは興味津々のようすで剣を引き抜いた。
 これもまたえらく凝った造りで、指ほどの長さのくせにちゃんと赤い革製の鞘がつき、柄には細かい装飾が
きちんと施されている。
 服についていた紙のタグの一枚を放りあげて、アルカードは目にも止まらぬスピードで剣をふるった。一瞬のうち
に寸断された紙きれが、白い吹雪となって舞う。
 ラルフは思わず、ちょっと引いた。


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