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TSFのSS「ウツロナココロノイレモノ…」

1luci★:2008/03/11(火) 12:45:54 ID:???0
 彼が、というより今はもう彼女が、だけれど、目覚め辺りを見回すと、変わることなくコンクリートの天井と壁があった。自分と同じ筈の人物に、心のある人形同然に扱われる毎日が繰り広げられる空間。一番最初に目覚めてから、四方をコンクリートで囲まれたそこだけが唯一生存を許されている場所だった。
 毎夜、飽くことなく工藤は自分と魂を分かつ創られた人形を抱きに現れ、そして去っていく。工藤のもう一つの魂を持つ少女は自分に犯されるという言い難い汚辱と屈辱はにまみれながら、それを甘んじて受け入れる他無かった。ここにいる自分は工藤だと言っても誰も納得などする筈もない。勿論、この部屋から出ていければの話だったが。
 少女は、最初肉体も精神も犯されながらも、賢明に自我を保とうとしていた。いつか逃げ出せるチャンスを伺おうと。しかし、何度工藤が出入りしている辺りを調べてみても、そこには細い筋位しか見つけられなかった。用意周到なことに、工藤が少女を犯す時には必ず手枷を着け自由を奪っていたから、工藤の衣類のポケットを調べる事も出来なかった。
 そして次第に逃げる事が無駄なことだと思い始めていた。親しい友人がいる訳でもないし、本物の工藤がいる世界に「自分も工藤なのだ」と名乗り出ても信じる奴などいないだろう。
 どうにか三十回の目覚めを数えたけれど、それ以降は数えなくなっていた。
「今日はまだ来ないんだ……」
 工藤がいない時間は誰とも話す事が無かった。自然と思う事を声に出して言う習慣が、少女には出来ていた。そうしないと静かさと人恋しさで気が狂いそうになってしまう。
「昼の食事を済ませてから……大体三時間? いつもならくる時間だけど」
 自分の姿形をした男に身体をまさぐられるのは嫌いだった。しかし、いつもの時間に来ないというのは不安をかき立てられてしまう。工藤を心配するからではなかった。仮に工藤が何らかの事故で死んだ場合、誰にも知られずにこの場所で自分も餓死する可能性があるのだ。それを想像するとゾッとしていた。
「遅い、遅い、遅い……」
 始め、長く延びた髪を指先でくるくると弄っていた少女は、やがてスモックの裾を両手で掴み皺を伸ばすように動かしていた。四、五分もするとベッドから立ち上がり、室内をうろうろと歩き始めていた。
 イライラが募り始め扉に背を向けた時、音もなく扉が開いた。少女は外から入る空気が扉が開かれた事を理解できた。そしてその気持ちとは裏腹に嬉しげな表情を見せた。
「ーーあ、あれ? すみません、工藤以外いないと思って、ました……」
「えっ?! あ」
 工藤の声とは違う男の声。急いで振り向いた少女の目に映ったのは、スーツを着た男。年の頃は工藤と同じだろうか。もしくは少し若いかもしれない。少女はその顔に見覚えがあるような気がしていた。
 驚きは少女の方だけでは無かった。男もそうだった。普通なら窓もなくベッドだけしかない部屋にいる少女をおかしいと思うところだろう。しかし彼は狼狽しそこに考えが至らなかった。
「じゃ、じゃあね。突然でごめんね」
 慌てた素振りで背を向ける男を、不覚にも少女は扉が閉まるまで見送っていた。そして再び自分しかいない空間になった時始めて、外に出るチャンスだったと思い返していた。
 予期せぬ出来事が起こったとしても、すぐに対応できると思っていたのだが、実際には何も出来ないでいた自分が恨めしく思えていた。そして、なぜそうだったのかを考えるに、原因の一つとして突然の来訪者にあるのではないかという仮説に行き当たっていた。
「あの男……覚えがあるような、ないような……。『工藤以外いない』って言ってたって事は、少なくとも自分の事を知ってる人だと言うこと?」
 頭の中を整理し、どこであったのかを思いだそうとするけれど、深い霧の中にいるように全く見つける事は出来なかった。それよりも、扉が閉まる前に見た、少しばつの悪そうな表情が、脳内のスクリーンに何度も何度も繰り返し映し出される。それがどういう事なのか、少女は気づかなかった。

* * * * * * * * * *

2luci★:2008/08/02(土) 20:51:39 ID:???0
* * * * * * * * * *

「今日は乱れないな」
 工藤が少女の中を埋め尽くしながら、言った。慣れ親しんだ感覚だった。少女は喜悦の表情を工藤の腹の下で見せていた。けれど、決して声には出さなかった。
 何かが少女の頭の中で響き、肉体の喜びを表現する事を拒否していた。
「何かあったのか?」
 興を削がれたように工藤は少女から身体を離した。どんな事があっても果てるまで少女を突いていた工藤が、そうしないなど少女には考えられなかった。
「……何も、あるわけないでしょう」
 手足の自由を奪われたまま、毎回犯されていた少女は一つ息を吐きながら答えた。
 唇の端を器用に歪ませたが、少女はそれに気づけなかった。
「そういえば、珍しい事に俺に客が来たんだが。記憶を持っているかどうかしらないが、俺の同期だ。名前を竹中というんだ。今度紹介してやろうか」
 肉茎で繋がったまま、工藤はそれがいい、と少女を見ないで一人ごちた。
 工藤が自分を離す事はないと確信していたけれど、あり得ない何かを期待してしまっていた。きゅっと秘肉を締めつけ、工藤に甘美な悦びを与えていた。
 何かいつもと違うと言うことを、工藤も敏感に感じ取っていた。元はと言えば自分自身なのだ。気づいてしかるべきだった。しかし、彼はそれを巧妙に隠匿した。
「ん、くぅ……っ」
「乱れなくてもイクんだなぁ、くくっ」
 耳元で囁く言葉には侮蔑と軽蔑と、そして安心があったけれど、少女には解らなかった。

* * * * * * * * * *

(んん〜? 何か変だな)
 ベッドに横になった竹中は、その時は気にも止めていなかった事が気になり始めていた。工藤の家で出会った少女の事。何も無い、コンクリートで囲まれた部屋に、ベッドが一つ。それ以外は何も無かった。そこにいたのだ。扉を閉める時、声を掛けようとする意志も追ってくる気配も見受けられなかった。しかし時間が経つにつれ、疑問は大きくなっていたのだ。
(ああいう部屋は附属病院の方で見覚えがあるよな)
 工藤と竹中が在籍している大学は、附属病院を持っていた。薬物中毒患者や精神疾患患者用の病棟は、工藤の家で見たあの部屋とそっくりなのだ。そうなるといくつかの考えが浮かぶ。
(たまたま質素な佇まいが好きな工藤の妹だった。精神疾患の家族だった。……妹の線はあり得るんだろうけど、精神疾患の患者を自宅でってのはあり得ないか。まして工藤も俺も医者じゃないし)
 生命工学系の専攻と研究者である工藤と竹中。医療系にも興味はあるけれど医師ではない。
(工藤に限って、拉致監禁はあり得ないだろうしなぁ……。関係ないっちゃ関係ないんだけど、あの瞳が気になるんだよな……)
 竹中の侵入に驚き見開いた眼と、そして扉を閉める直前に見えた縋るような瞳。それが竹中を掴んで放さなかった。何度も寝返りを打ちながら明日の予定に、些事を一つ頭の中で書き入れ、そして漸く眠りについた。

3luci★:2009/06/18(木) 20:41:34 ID:???0
* * * * * * * * * *

「工藤」
 そう、名前を呼ばれ呼び止められた工藤は、いつもなら不機嫌そうな表情を見せるのだが、今日に限っては違っていた。代わりにその顔面を彩ったのは、水面の浮きが魚を捕らえた事を示したのを見とめたかのように嬉々とした表情だった。もっとも、その表情も呼び止めた竹中には背中越しで見えなかったが。
「……なんだ、用か?」
 相変わらず愛想の無い同期に苦笑いを浮かべながら、竹中はおずおずと切り出した。
「いや、昨日な、お前のところで見たんだけど。……余計な事かも知れんが」
「ああ、妹も言っていたな。男が忍び込んで来たってな」
「! 俺は何もしてないぞ! ただ……」
「冗談だ。そんなに狼狽するなよ。かえって怪しく思うぞ」
 竹中とすれば、日頃真面目一辺倒の工藤が冗談を言うとは思ってもいなかった。どちらかと言えば、犯罪すれすれの行為をしているのではと、若干の非難を交えてあの娘の話をしようと思っていたのだ。カウンターを喰らったように言葉尻が小さくなっていた。
「……妹、なのか? それにしちゃお前一度も」
「俺は俺の知り合いに家庭環境の全てを話さなくてはいけない義務でもあるのか? お前だって自分の両親や兄弟がいるのかさえ言わないじゃないか」
 真剣なもの言いに竹中は己を恥じていた。確かに工藤の言う通り、全てを話す事はないし、各々の事情もあるのだ。ただ。
「それは言う通りだけどな。ただ、ああいうのは、ちょっと、普通じゃない?っていうか、猟奇的?っていうか、気になるんだよ」
 そこまで言って、竹中は自分の中にあったある種の感情を理解していた。なにも工藤を心配していた訳ではない。ただ、あの娘の事が気になっていただけだと。
 それを聞いた工藤もまた、内心満面の笑みを浮かべていた。竹中に引っかかった針を、より深く刺すために口を開いた。
「妹の事を心配してくれたのか。そうか、ありがとう。……お前には言ってもいいかも知れんな……。実は以前自殺未遂した事があってな」
「なんでまた?」
「いじめと裏切りだ」
 そう言うと、工藤は眼を臥せ眉間に皺を寄せた。次第に小さくなる工藤の声につられ、竹中は工藤に寄って行く。その顔にも同情と憤りが垣間見えた。
 それから暫くは、工藤の話が続いた。曰く、いじめは克服できそうだった。しかし学校外で出来た恋人が、実はいじめの首謀者と結託し、少女の心を引き裂いたと。その後、人を信じられなくなった少女は、何度も自殺未遂を犯したと。
 押し殺した工藤の声は、聞いているだけで竹中の心を押しつぶしそうになった。それは工藤が妹思いだからという理由では無く、扉の内側にいた少女の瞳を思い出したからだった。
 即席の作り話ではあったけれど、普段誰にも弱気を見せない工藤が、自分だけに語った、そう思い込んだ竹中はそれを容易に信用していた。
「大変だったんだな。あんなに可愛い娘が」
「今まで人の事など聞きたがらない、話題にもしなかったあいつだったんだが、竹中、お前が顔を見せてから自分から尋ねてきてな」
「え? そうなのか?」
 竹中の中にあった次第に膨れ上がる会いたいという感情が、相手も同じ気持ちだと解り破裂しそうになっていた。
「そうだ。お前、良かったら妹の話相手になってやってくれないか? お前ならあいつを傷つけずにあの部屋から出してくれそうな気がする」
 工藤のへたくそな演技にも関わらず、竹中は工藤を見ずその変な演技さえも気にならないくらい、自身の感情に身を任せていた。
「俺でよければ」
 それから数分、工藤と竹中は日程の確認などをした。
「それじゃ、来週から頼む」
「ああ、任せてくれよ」
 満面の笑みで返した竹中だったが、別れ際ふと何かに気付き立ち去ろうとしていた工藤を呼び止めた。
「あ、工藤」
「なんだ?」
「名前、なんて言うんだ?」
 尋ねられた工藤はこの時始めて、自分の分身に名前がない事に気付いた。
「工藤?」
 様々な名前が去来するが、しっくりこない。竹中に促され、適当な名前を答えていた。
「ああ、妹の名前は、アイというんだ」

* * * * * * * * * *

 工藤にちょっと尋ねる筈が、自分の心の動向を知る事となってしまった竹中は、研究室から自宅に戻る途中から、ずっと少女−工藤アイ−の事が頭を離れなかった。

4luci★:2009/06/20(土) 19:39:35 ID:???0
(アイ、か。どんな字を書くんだろう? 愛? 藍? 亜依? 今度聞いてみるか)
 来週の金曜日には顔見せをする手はずとなっていたが、竹中はそれが待ちきれなくなっていた。この感情が間違いでは無く、早く確実なものとしたい、そんな衝動が去来していた。
 竹中は元々女性受けのいい方で、見た目も悪くは無かった。しかし、付合うという段になると焦りからか上手くいかないケースが多く、女性経験も豊富とは言い難かった。だから、もう二十代も中盤に差し掛かった身の上とあっては、無意識の内に自分自身にプレッシャーを掛けていた。
 まだ一週間以上も先の話だというのに、いそいそと着て行く服を用意する様は、ちょっと滑稽でもあった。

* * * * * * * * * *

 竹中という男の姿を見た日以来、工藤の姿は少女の前には現れなかった。食事は三度必ず与えられたが、誰とも会わない日々が続くと、少女の心は孤独で押しつぶされそうになっていた。
 それを埋めようと、ベッドの上で膝を抱え丸くなりながらしきりに独り言をいうが効果はなかった。
「寂しい……。はっ? いやっ違うっ、あいつを待ってる訳じゃ!」
 心のどこかでそれを否定し、その言葉を発した自分を蔑みの瞳で射ぬく自分がいた。しかし、その姿が男の工藤ではなく、今の少女の肉体を持つ自分である事が、肯定しそうな自分がいる事より悲しかった。
「違う、待ってない……ほんとに、待ってなんか……」
 工藤に依存している自分がいる事に薄々勘付いていた。だから、ここ数日満たされない心と身体の隙間を埋めるように慰めていた事も、仕方ない事、と思い込もうとしていた。尤も、ある理由から自分で慰めても達する事は出来なかったが。
 手がスモックの下に伸び、柔肌を這って行く。胸からもやもやしたものが身体に染み込み、脳内で快楽だと反応させる。それが、次には股間へと跳ね返って柔肉から粘液を滲み出させて行く。
 肉の興奮が大きくなって、呼吸音が鼓膜を振るわせる。工藤がどこで見ているか解らないと思うと、急に恥ずかしくなりベッドを降りてその影に隠れるように座りこんだ。
 冷たいコンクリートが熱くなった身体を冷やし、愛液を吸い取っていく。固く尖った肉芽を指で弄ると、それしか考えられなくなっていく。
 次第に登っていく少女は、自らの襞穴に指を滑り込ませ激しく出し入れし始めていた。
 これまで、もう少しで頂点を極めそうだというところで必ず邪魔されていた。あの、竹中という男の姿が脳裏に現れ、少女を見るのだ。そうするとそれまで肉欲を貪っていた身体が急激に萎んで行く。それがこの数日ずっと続いていた。少女は自分なりにその答えを見つけていた。
「はっ、ぁう、イキそう、イっく、ん!」
 それまでのもやもやが呆気無い程解消され、弛緩と収縮を繰り返す襞肉が指を噛み締めていた。そして少女は大きくため息をついた。
「なんだ、我慢出来なくて自分でヤッてたのか」
 突然の工藤の声に我に返った少女は真っ赤になって首を振った。
「ち、ちがう」
 ずかずかと近付き工藤に手首を掴まれベッドの上に登らされる。工藤の表情は予想外に明るかった。
「何が違うんだ。こんなにしやがって。……まぁ、手間が省けるか」
「あっ、やめっ、ぅんっ」
 手早く後ろ手に手錠をかけられスモックが捲られ、少女は後ろから串刺しにされてしまう。
「何を考えてオナッてたんだ? 俺の事か?」
 多いかぶさりながら耳元で言われた言葉に、少女は唇を噛み締め返答を拒否していた。
「答えないか。ああそうだ、明日竹中が会いにくるぞ」
 その言葉に少女の身体は即座に反応していた。工藤の肉茎をきゅきゅっと絞め上げる。
「これから毎週末、お前の話相手になってくれるそうだ。物好きな奴だ」
「なっ、んで? あぅ、あン」
 工藤が何故会わせようとするのか、理解出来ない少女は、それを素直に口にしていた。そして工藤の返答は少女の予想を遥かに超えていた。
「そろそろ、お前を解放しようかと思ってなぁ」
 背後で腰を振る男の真意を測りかね、肩越しに少女は工藤の顔を見た。
「そうだった、お前の名前も言っておいた。アイって名前、竹中は気に入ったみたいだぞ」
「はぁっん、クっ」
 竹中という名前を聞いただけで、少女の、アイの身体は熱くそして自分に潜り込む肉塊を優しく扱き上げた。ぎゅっと眼をつぶり、与えられる愉悦を耐える。その肉体の反応に工藤は満面の笑みを浮かべていた。

5luci★:2009/06/26(金) 21:09:47 ID:???0

* * * * * * * * * *

 竹中にとって、あるいは工藤とアイを含めた三人が待ち望んでいた日が訪れた。その日、竹中はダーク系のスーツに身を包み、一路工藤の家を目指しハンドルを握っていた。
 好きなんだろうか、そういう言葉を使った事で、それがまるで魔法のように自分の心境そのものとなりつつあった。たった一度、それもほぼ一瞬見ただけだと言うのに。
(自分でも単純だと思うが……)
 脳裏から離れないアイの顔。研究に没頭しようとすればする程、何も手に着かなくなる始末だった。兎に角、なんでもいいから彼女の事について知りたい、自分を知って貰いたい、そんな他愛無ない幼い感情が竹中を支配していた。
 三十分程幹線道路を走ってから脇道へ入る。徐々に山道になり、ブラインドコーナーが続いていく。山を越えた頃には見事な夕焼けが山間に浮かんでいた。
 当初竹中は、工藤が自分と一緒に研究室から自宅へ帰り、アイと逢うのだろうと考えていた。
「それもいいが、ちょっと準備があるからな。お前一人で来てくれ」
 内心非校率的だと思いながらも、アイと逢うためにと一人で納得していた。

6luci★:2009/07/08(水) 21:53:24 ID:???0
 普通に考えれば、食事の用意でもあるのかと思えるが、竹中の知っている工藤が料理に興味があるとは思えなかった。
 なんだかんだと考えながら走っていると、ナビが目的地を竹中に知らせていた。

* * * * * * * * * *

「今から竹中が、お前がこの前会った男が来る。何を言っても構わないし、どうしようと勝手にしていい」
 玄関から直接見える居間のテーブルの上で、後ろ手に拘束され突っ伏した少女に腰を打ち付けながら工藤が言った。少女、アイは何を言っても無駄とばかりに、口をきつく結んで体内を抉られる感触に耐えていた。
「まぁ、あいつはお前を喰いたいみたいだから、せいぜい自分以外に突っ込まれないように気をつけろ。いや、むしろお前の方がしてもらいたいか?」
「! ちっ違う、そんな事思ってない」
 からかわれていると解っていても、捨てさせられた筈の男の心が否定しろと叫んでいた。それを見下ろしながら工藤は声を立てて嘲った。
「さて、そろそろ到着だな」
 腕時計をちらっと見、そして少しばかり呻きながら言うや否や、呼び鈴が鳴った。
 瞬間、アイは緊張からかきゅうっと工藤を締め上げ、それが合図とばかりに工藤は膣内へと白濁を放出していた。
「上手い事やってくれ」
 工藤はその言葉吐きながら、アイから出て行った。そして手早くショーツを上げ、たくし上げられたミニスカートを下ろし白い尻肉を隠すと、太めの皮ベルトで作られた時計付きの拘束具の鍵を開け、アイに自由を与えていた。その間も二度三度とベルが鳴る。
「あっ、ちょっと待って」
 体内に溜められた工藤の精液を処理しようとしたが、工藤は足早に玄関に到達し、まさにドアノブに手をかけていた。

* * * * * * * * * *

7luci★:2009/08/02(日) 22:14:14 ID:???0
 漸く開いた扉の向こうに、竹中は待ちわびた顔を見た。手前に扉を開けた工藤がいたが、全く目に入らなかった。ただ。少し頬を紅く染め、スカートの裾を握って立っている姿だけが目に飛び込んでいた。
(可愛い……)
 そう思うだけで頭の中にも言葉が浮かんで来ない。ただ、その姿が映り、どきどきと鼓動だけが響いていた。

8luci★:2009/08/31(月) 23:21:32 ID:???0
 竹中は二言三言、工藤と小声で話をすると自分では満面の笑みを浮かべてアイを見、近づいて行った。
「先日は驚かせてごめんね。今日は待たせてしまったかな」
 極力好青年を装う。しかしどことなく工藤と同じようなオスの臭いがアイを戦慄かせた。
「……こんばんは」
 上目づかいに挨拶をするなり、工藤の体液が腿を伝わってから流れ落ちた。その感触に小さく身震いする。
 これ以上近づかれたら感づかれるかも知れない。そうでなくても匂いが竹中の鼻を付くかも知れない。そんな事を思いながら、アイは身を固くし後ずさりしそうになった。その視界に工藤が入る。
 アイをいたぶる時に見せる顔は、楽しそうな表情を見せていたが眼は笑っていなかった。
 せめてトイレにと思っていたが、それも出来ずもじもじとしていた。

11luci★:2013/06/08(土) 13:18:21 ID:???0
少女のその態度は、竹中にとって期待以上のものだった。自分が思うのと同じように、特別な存在だと思うのに十分だった。単純過ぎる思考だったが、アイの媚びるような視線や胸元まで紅く染まった姿が男を惑わせていた。

12luci★:2013/06/10(月) 12:54:11 ID:???0
工藤は男の背後からアイの態度を見つつ、口の端を上げた。そして、買ってきた食事を用意しようと言い、その場から姿を消した。
目の前の強化ガラスの丸いテーブルに目を落とすと、竹中はその動きを見留、アイに着席を促した。
ガラス製のそれは、どこに座ろうと相手から下半身が見える。竹中の座る位置によっては、見とがめられる可能性もあった。アイは、竹中が座ってからなるべく遠い位置に座ろうと黙って立っていた。

13luci★:2013/06/10(月) 15:18:13 ID:???0
しかし、竹中も同じような思考をしていた。アイのそれとは少し意味合いが違ったが。二人は一瞬の間を置き口の開きかけた。
「「あの」」
「アイ、ちょっと手伝え」
買い込んだ惣菜をのせた皿を両手に持った工藤が、二人を遮った。若干安堵の色を見せ、アイは工藤に歩み寄る。
「お、俺も手伝うよ」
「客はどこでも座って寛いでいてくれ。二人で十分だ」
とりつく島もなく、竹中は二人の影を見送っていた。

14luci★:2013/06/10(月) 15:23:01 ID:???0
**********

「少しは身の上話でもして、弄ってもらったか、ここを」
殆どの食事は皿に盛られ、運び出されるのを待っている。その横で、アイはグラスに注ぎながら、工藤の液体で満たされた柔穴を指でほじられていた。グラスと水差しが硬い音に隠れつつ粘膜と皮膚の音が耳に入る。
「し、てない。溢れる、やめ」
「ふん」
期待外れと言わんばかりに、アイの中から指を抜き去ると、工藤は大量の皿を手に、キッチンから出ていった。
工藤から何をしても構わないと言われているとは言え、自分は工藤から分かれた存在だの、助け出して欲しいだの、おいそれとは言えない。相手がどんな人物かを見極める必要もあったし、工藤の真意も分からない。ただ、今の状況からは脱け出したかった。
アイは手早くティッシュペーパーで残差を拭うと、ひとつ大きく息を吐きグラスを手にダイニングへ向かった。

********

15luci★:2013/06/12(水) 02:02:23 ID:???0
「……お待たせしました」
グラスをのせたトレーを持った少女の姿が、今まで話をしていた工藤を飛び越え竹中の目に映った。
手伝うよ、そう言おうと息を吸ったとき、工藤がいち早く立ち上がっていた。
研究室で見せる工藤の態度からは想像できない動き。そしてグラスを次々とテーブルに置くと、竹中から対面の位置にアイを座らせ、工藤は竹中とアイの間に座っていた。
自分がグラスを受け取りつつ、隣に座ろうとしたのに、そんな事を考えつつ、心のなかで舌打ちしていた。
(……まぁ、話し相手だからな)
自分を無理に納得させなら、腰掛けたアイを見た。
探るような少女の視線が絡んでくるような気がしていた。

17luci★:2013/06/16(日) 01:34:09 ID:???0
食事が進むにつれ、竹中は様々な話題をアイに聞かせていた。その口調や内容は、とても魅力的だったし、アイも頬を染めながら聞いている。と、竹中には見えていた。
ガラス製のテーブルにはランチョンマットが敷かれ、それが丁度竹中の目隠しになっていた。熱っぽい視線を送るアイの股間には、工藤の武骨な指が可憐な花びらを蹂躙していた。肉芽が弾かれる度に刺激が身体を駆け抜け、思わず声を洩らしそうになる。やっと指が離れたと思えば、襞穴を分け入り快感を掻き出していく。竹中には気付かれないように工藤の手をどかそうとするが、かなわない。
(なんで、こんなとこ、ん、で……)
せっかく拭った股間は、湧き出る粘液で満たされ、スカートも椅子も染みを作り始めていた。食材の匂いがなかったら、女の濃厚な香りが男たちの鼻腔粘膜を刺激していたかも知れない。
アイは時折身体を震わせながら、次第に高みに昇っていく悦楽に堪えていた。まさか他人前でイキたくなかった。

18luci★:2013/06/18(火) 00:10:05 ID:???0
赤の他人が目の前にいるのだ。
男女という性別に分けられてはいるが、元々魂を一つにする存在の工藤と少女。圧倒的な対格差で組伏せられ、性のオモチャにされているとはいえ、割り切ってしまえばある意味自慰行為とも言える。
しかし、竹中は自分達とは違う存在。拒否したくてもされている行為を、その目の前で口には出せない。アイは屈辱と羞恥に心が焼けそうになっていた。目の前の景色が歪む。
ふと、この手は、そして指は、工藤ではなく、竹中のモノではないかと想像してしまっていた。そうであるならどんなにいいか、と。
(?! ちっ違う! そうじゃない! 男が好きとか、そんなんじゃない……!)
男の前でイカされそうになり、その屈辱と羞恥と緊張に耐えかねたアイの心が、少しでも負担を減らそうと見せたもの。
それが本心なのか確かめることなく、アイは工藤の手から逃れるように勢いよく立ち上がると、そのまま後ろに倒れていた。

19luci:2015/08/27(木) 18:43:27 ID:2DPKnLFk0
 そのまま極度の緊張と頭を打って昏倒したアイを、工藤が抱きかかえていつもの部屋へと連れて行った。
 竹中も瞬間、腰を上げたが、工藤から「座って待ってろ」と言われ、頬杖をつきながら座って待つことにした。積極性に欠ける竹中の態度は、アイが作った水溜りを秘する結果となった。
 
 
 皮製のアイマスクで視界を奪われ、開口器で大きく口を開けられ、両手は皮製の手枷でくくられ、そのままベッドに固定されていた。両足は片方ずつももとすねを布テープでぐるぐる巻きにされ、身動きはほとんどとれなかった。
 その間に工藤の身体はあずけられ、ぐちぐちと力任せにアイの内臓を犯していく。
「なんだ、あのザマは」
 怒気をはらんだ声にアイの筋肉は収縮し異物を締め上げた。
 打ち付けられるのに合わせて、喉から息は漏れる。極力喘ぎ声を出さないことが今日の仕打ちへの少しばかりの抵抗だった。
 しかし、身体は奥まで届くそれに、否応なく反応して、どんどん高みへと誘っていく。
(あ、ヤッ、も、イキそう――)
「もう一度、言っておく。これからの週末、必ず、竹中と話をしろ、よ」
 襞穴の奥を強引に切り開かんばかりにねじ込みながら、工藤は動きを速めた。
(あっあっあっイ、?!)
 もう少しというところでアイから出て行く。と、口蓋から咽頭に異物が押し込められ、その先端から粘液の噴出を感じた。
 一瞬、窒息しそうになりながら、仕方なく粘液を嚥下していく。
 ぬるっと口内から肉が出ていき、工藤の下半身が顔から遠ざかる気配がした。そして漸く一呼吸ついた。
「……あぁ〜」
 アイはねだるように甘い声を上げながら、蜜を吐きながらひくひくと蠢く小さな穴の開いた腰を戦慄かせていた。
「ふん、罰だ。イカせてなどやらん。これからは良くしゃべれるように口に出してやるよ」
 呼吸の度に、鼻腔から精液の匂いがして、下半身どころか脳の中までぐちゃぐちゃにされたような気がしていた。

********


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