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0さん以外の人が萌えを投下するスレ
571
:
13-959 同じく「ロボットの恋」
:2008/11/04(火) 21:49:30
もう勝ち目がないと悟った瞬間、奴は自分の最後の砦である戦艦を自爆させた。
ブリッジの奥で奴と相対していた俺は逃げるまもなく爆発に巻き込まれ……
翼や手足の一部をもがれながら、無様に地面へ叩きつけられた。
地上で私の勝利を信じて待っていた主人が駆け寄ってくる。
その足音が、半壊してノイズ交じりのセンサーから聞こえた。
「――…!――、……っ!!」
カバーが外れて露出したカメラのレンズに主人の姿が映る。
その映像にすら砂嵐が混じり、
主人がしきりに口を動かして私を呼んでいるらしいことは分かったが
音声はもう聞き取れなかった。あの少し甲高い声が私を呼んでくれるのが好きだったが。
瞬く間に、主人の目からぼろぼろと涙がこぼれ始めた。
少し泣き虫なのは出会った頃から変わっていないんだな。
ああ、もう泣かないでくれ。
私は君の笑顔を守るために戦った。
人の平和のために戦った。
これでもう、世界は平和になる。
だからそんなに涙を流さないでくれ、
私の一抱えもある指にしがみついて泣き叫んでいる、君のその姿だけで
剥き出しになった配線がショートしてしまいそうだ。
「さ。よ……な、――rあ、…だ…―」
さよならだ。
残りわずかな動力を振り絞って発音機構を動かしたが、主人にはちゃんと聞こえただろうか。
唇はちゃんと笑みの形を作れただろうか。
既に私の中のプログラムは、主要な回路や記憶装置が
致命的なダメージを受けてしまったことを感知している。
機械的な修理は可能だろうが、次に目覚める時、私は私ではないだろう。
ロボットに命があるとして、その私の命がここで終わってしまうのなら
せめて君の笑顔をメモリーいっぱいに焼き付けたまま壊れたいと思った。
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