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試験投下スレッド

292最強は風の中に稲妻を見る 校正案 その3 ◆I0wh6UNvl6:2005/05/21(土) 23:56:13 ID:Hw7b583Y
「貴様のようなものならば、持ち合わせてはいない」
 ヒースロゥはその問いに素直に答えた。
「ほう……なんの能力も持たず、俺の攻撃をかわしたのか?」
 意外そうな顔をする、それほどまでの相手には彼は出会ったことがなかった。
「そんなもの、感覚を研ぎ澄ませれば自然とわかる」
 だが、実際のところはただ体が自動的に動いただけで、もう一度かわせるかは微妙なところだ。
 フォルテッシモはゆっくりと歩き始める。
 彼の攻撃の間合いまで、あと3歩程の距離だった。

「そういうものなのか?」
 あっさりとフォルテッシモは信じた。嘘が得意なタイプでもあるまい。
 ヒースロゥはその場を動かない。まだ飛び出すには早い。

 ――残り2歩

「そういうものだ」
 フォルテッシモは歩みを止める気配を見せない。
 対してヒースロゥは今にも動き出さんとする衝動を抑える。

 ――あと1歩

(まだだ……まだ飛び出すには早い)
「そうか――」

 踏み出された瞬間、ヒースロゥの周りの空気が、さらに重くなった。
(来る!)

「――なら、こいつはどうだ!?」

 射程距離に入ったと同時、ヒースロゥのいた場所が弾け飛んでいる。
 しかし、そこに彼の姿はない。2度目もかろうじてだが成功した。
 前と同じように横に跳ぶ。
「せいっ!」
 手に持っていた木刀の柄を投げつける。ダメージを与えるには充分なスピードを出している。
 しかし、この攻撃の狙いは無論、敵にダメージを当てるためではない。
 ただ突っ込むだけでは次こそ木刀と同じ運命を辿ることになる。ヒースロゥはそう考えたのだ。
「ふん」
 と、フォルテッシモが目の前で柄を砕いた。
 砕かれた破片は目眩ましとなり、一瞬視界ではあるが視界が奪われる。
 木片がその効果を失った時、ヒースロゥの姿は視界から消えている。
(もらったぞ!)
 視界が塞がれていた、あの一瞬の間に真後ろに回りこんだヒースロゥ、
躊躇いなくフォルテッシモの背後から、鉄パイプを降り下ろす!
 今度こそ、完全に決まったはず―――しかし、またしても攻撃は失敗に終わった。


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