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185Walking on the Blade </b><font color=#FF0000>(5jmZAtv6)</font><b>:2005/05/10(火) 00:26:43 ID:.pSpfsu2
カチャカチャと金属の触れ合う音が教会の中に響く、
空の薬莢がパイフウの足元に転がる…ちらりと横目でアシュラムの様子を伺う…水を飲んでいる。
握った薬莢に気を込めて指で射ちだす…狙いはアシュラムの手のペットボトル。
だが、アシュラムは右手に持った薙刀の刃をわずかに軽く翻す…それだけでパイフウの指弾を確認すらせず
何事も無いように弾き返した。
薬莢はパイフウが放ったそれと寸分違わぬ軌道で彼女の手の中に戻っていく。
「悪ふざけは止めろ」
「やっぱこの程度じゃ動じないか」

軽く唇をゆがめるパイフウ。
やはり一戦交えるのは避けるべきという思いを再認識するパイフウ…しかし。
もしその時が、チャンスが来たとして自分に我慢できるだろうか?
何かがあってくれればいいと思う反面、何もなく過ぎ去って欲しいと願うパイフウ。
「ねぇ?あんたの主って…」

その時地下でなにやら争う物音、アシュラムの視線が剣呑なものに変わるが…。
『心配はいらぬゆえ、お前はそこにいるがよい…おお1人客が増えたか…ふふふ』
地下から響く声にそのまままた静かに祭壇の上に腰を下ろす。
「で、俺の主とは誰のことを言っているのだ?」
アシュラムの言う主とは、1人はもちろん今は亡き暗黒皇帝ベルド、
もう1人はこの地下に眠っている姫君のことである。
洗脳されているとはいえ、ベルドへの忠誠が消えうせたわけではない。
だがそれに変わる生きがいを与えてくれた地下に眠る姫君への忠義もまた本物。
それが一時の偽りの感情であったとしても、自分に恥をそそぐ機会を与えてくれた以上は、
この身朽ち果てるまで尽くす、たとえ本当の自分が戻ってきたとしても、
せめて夕刻までは身を挺して盾となる…それが彼の結論だった。

しかしパイフウはアシュラムの思いなど、先ほどの質問などもうすでにどうでもよくなっていた。
「何よ…こんなのがいるなんて…」
あの争いの最中一瞬だけ感じた、地下から湧き出るような恐るべき鬼気…
まるで冥界から心臓をわしづかみにされたようなそんな気がした。
あれがアシュラムがいう主…なのだろうか?

それでも何とか二の句を告げようとするが、もはや言葉は出てこなかった。


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