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尚六SS「永遠の行方」

379六太の悩み(4/5):2010/12/25(土) 11:54:26
「そ、そうなのか?」六太はびっくりした顔になった。
「おそらく他の誰も知らない台輔の艶めいたご様子を、ご自分だけが目になさ
るという事実に喜んでおられるのでしょうね。台輔が乱れるのは主上のお相手
をなさるときだけ。それを確認したくて、わざと意地悪にも思えることをなさ
るのですよ」
 六太は考えこんだ。
「そう言われると、確かにそんな気もする……」
「一般的にも、これは妻のことではありますが、昼は淑女、夜は娼婦というの
が男の理想とも言われます。男というものは愛人が自分だけに痴態を見せるこ
とにたいそう悦びを覚えるのです。それは男心をそそると同時に、自分の技巧
が愛人に喜ばれていることの証左でもありますから、その両方の理由で満足を
覚えるのです」
「……へえー……」
 六太は目を丸くしたまま、感心したようにつぶやいた。まだ思い詰めた表情
は残っているものの、滅多に見せない尊敬のまなざしさえ朱衡に向けている。
「そっかぁ。朱衡ってやっぱ、いろんなことを知ってるんだな」
「お褒めいただきまして光栄です」
「えーと。じゃあ俺、どうしたらいいと思う?」
 ここに至ってもそれを聞くのかとめげつつ、朱衡は誠実に応対した。
「確認なのですが、主上がなさることで台輔が本当に嫌だと思っておられるこ
とはございませんね? あくまで恥ずかしいからどうしたらいいのかわからな
い、そういうことでございますね?」
 六太はふたたび顔を赤くしてうつむいたが、それでもかすかにうなずいた。
「それでしたら、主上が台輔をじらそうとなさったら思い切り甘えてさしあげ
なさいませ。そして恥じらいながらも大胆に続きをせがんでごらんなさいま
せ」
「う、うん。あとは?」




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