したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【王様】一行リレー小説【麒麟】

810名無しさん:2005/04/25(月) 00:53:33
「なんで、俺、忘れてしまったんだろう……」
六太の唇から小さな声が漏れ出る。
自分の声に、六太ははっとして、尚隆の顔を見遣った。
口にするつもりはなかったはずの、考えているだけの言葉が、音になってしまった。
尚隆は、六太に続きを促すように、じっと見つめる。
「俺、ずっと風漢に触れたいと願っていたんだ。浅ましくて、いやらしくて、
 言ったら嫌われるかもしれなくて怖かったけれど、ずっと触れたくて、
 抱かれたくて……。なのに、なんで、俺、憶えていないんだろう。
 そんなのもったいなくて、悔しい」
「もったいないか」
尚隆は明るい笑い声を室内に響かせた。その言いっぷりも、
頬を膨らませた子どもらしい反応も、普段の面影が蘇る。
記憶があろうと、なかろうと、これが愛しい雁の麒麟。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板