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掌編小説スレ

7『風切羽』:2004/04/25(日) 13:42

「ごっちん」
この公園を突っ切ればコンビニ、というところ。少し暗くなっているところ。
梨華ちゃんの指先が、ちょっと、あたしの手のひらを触った。
「ん」
照れくさくて前を向いたまま、華奢な指をそっと握った。冷たい。
だけど、握った手は、すぐに振りほどかれた。
「あ、ごめ」
手をつなごう、の合図だと思ったのは、勘違いだったんだ。

かなしくなった、あたしの耳にそのとき、梨華ちゃんが小さくささやいた。
「こう」
あたしの腕の内側に、細い腕が入り込んで、冷たい指が一本ずつ、あたしの指にからまった。
思わず、梨華ちゃんの顔を見た。
梨華ちゃんも、あたしを見ていた。


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