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掌編小説スレ

54星屑の言葉:2006/07/28(金) 00:46:54


左の肩が熱い。
どうしたものか。

酔って体重を預けてくる後藤を左肩で受け止めながら。

潤んだ瞳は決してアルコールだけのせいではない。
涙目になりつつ、石川は凭れてくる後藤を眺めた。



「・・・ごっつぁん、呑み過ぎじゃない?」
「んぁー。そかも。なんかぼーっとするねぇ」
「するねぇじゃなくって。そろそろ部屋戻ろう?」



ホテルにない説された、所謂「お酒を出す」店で。
周りをスタッフに囲まれながら、後藤は些か呑みが過ぎたらしい。

頬がうっとりと桃色に染まり、石川を見る視線が時折・・・妙に熱っぽい。


(こ、怖い・・・ッ)


絶対に何か企んでいるのだと、石川は確信する。
後藤がこの瞳をした時は、ろくな目にあったためしがない。

着替え中に写メを撮られたことがある。
一緒に作ったクッキーの一つが、何故か塩辛かったこともある。
麦茶だと渡された飲み物がめんつゆだったあの瞬間の衝撃は忘れられない。

途端に口内に広がるめんつゆの風味を氷で薄れたアルコールで打ち消して。
石川は後藤を引きずるように、店をあとにした。


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