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SS投下スレ

93エイプリールフール ◆ytUSxp038U:2023/04/02(日) 00:23:31
CASE7【竈門炭治郎(レグ@メイドインアビス)、七海やちよ(フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはstrikers)、キルバス(七草はづき@アイドルマスター シャイニーカラーズ)】

「炭治郎、くん……」

血を吐き倒れる少年の姿を映すやちよの瞳に宿るのは絶望。
殺し合いに抗う決意、魔法少女として人々を守る使命、どんな状況だろうと諦めない意思。
そんなものがこの場で何の役に立つ。
圧倒的な暴力の前には、自分を動かすものなど何一つとして無意味だと思い知らされた。

ハルバードを支えに傷だらけで立ち上がろうとするやちよは、ただ後悔していた。
やはり自分の願いが皆を殺す。
同行を申し出た少年の押しに負け、あくまで協力者であって仲間じゃないと言い訳した結果がこれだ。
少年も、自分に与えられた体も死んでしまう。
自分の願いのせいで。

「アァ…ウォーミングアップにもならねェな。まだ仮面ライダーどもの方がマシだ」

人間達の絶望を、地球外生命体はつまらなそうに切って捨てる。
成程、褐色肌の少年も金髪の女も戦う力はあった。
少年はやたらとしぶとく、女の方は素早い。
しかし足りない、それだけではまるで足りない。
同族や実の弟からも恐れられたブラッド族の王には届かないのだ。

(エボルトの奴も適当な事言いやがって…)

人間だから負けた、自身に滅びを与えた弟の言葉は鮮明に思い出せる。
おちょくられたのかと仮面の下で顔を顰める彼の意識を呼び戻したのは、顔を上げた少年の声。

「お前、は…そんな力を持っているのに…どうして…!殺し合う道を、選んだんだ…!?」
「勘違いするなよ。俺が殺すのはお前らだけじゃなく、このゲームを仕組んだ連中もだ。そうやって全部殺して、最終的には俺諸共全部吹き飛ばして後には何も残らない。そういう光景を想像するだけで胸が躍るだろ?」
「ふざ…けるな……!!」

血反吐を零しながらも少年は叫び、立ち上がる。
残された手は少ない、だがここで負ける訳にはいかない。
掌を向ける彼に迷いは無かった。

「お前は、ここで倒す…!やちよさんも、誰もお前には殺させない…!」


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