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幕間

2名無しさん:2019/07/25(木) 22:40:09
元旦。



「羽根突きをしましょう!」


黒百合学院生徒会室には、既に何人かの生徒会メンバーが待機していた。
そしてそこにいる全員が、少し不審に思っていた。いつもそこにいるはずの、藤宮明花の姿が見えない。
生徒会長は、毎朝毎日役員の誰よりも早く登校し、生徒会室に向かい、山のように積まれた書類を処理しながら魔法少女として、骸姫達への対策を練り、各部隊と情報を共有し……と。
過労死すら疑う人外じみた仕事量を、誰よりも早く、誰よりも遅くまで、朝から晩まで続けるのが日課であった。

そして、透明な少女、ゲームマスターと呼ばれる盤面の支配者と共に本振袖姿で、藤宮は現れた。
その手の中には紙袋。既に羽子板の取っ手がはみ出ており、傍らではゲームマスターが海苔を巻いた餅に齧りついている。上手く噛み切れず、びよんと伸びているが。

――――最初に嫌な予感を抱いていたのは、ヘレネ・ザルヴァートル・ノイスシュタインだった。

「嫌だ……」

こういう時、集中して被害に遭うのは大体ヘレネだった。
詳細は省くが、藤宮明花に対して一度完全敗北を喫し、以降忠誠を誓う代わりに"生かされている"状態である以上、彼女に対しては強く抵抗できない身であった。
思わずぽろりと出た拒絶の意思は、ほんの些細な抵抗だった。


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