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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

84名無しさん (ワッチョイ ef11-e2ca):2020/01/02(木) 22:17:50 ID:TFL.OQBY00

「……分かった……行こう、皆……!!」

――――心配だ、彼らが心配だ。
けれど自分達が死んでは、それが無駄になってしまう。
だから彼らを信じて、先に行っても良いのだなんて、そんな単純でなんでもないような、ただ合理的なだけの判断を、火々里は学んで、そうして頷くことが出来た。
ミラと柘榴、二人の手を引いて走り出す。歩幅を合わせつつも、できるだけ早く……!!

「うぐぅぅぅ……!!」

「もう、泣くなって言ってるだろ! いいか、俺のバーサーカーは最強なんだ、あんな奴に負けたりなんて……!!」

腕の中で啜り泣く、小さな少女に苛立ち混じりにそう吐いた。
なんでこう、世話のかかる奴らばかり、ここに集まっているんだ――――そう思いながらも、凱音自身も一抹の不安があることは確かだった。
相手は固有結界の主だ。サーヴァントではないのは見るからに明らかだが……果たして本当に勝てるかどうかは、結果が出るまでは分かったことじゃないし。
仮に――――倒せたとしても、それ以外の搦め手が出来るのであれば――――


「――――凱音!!!」


――――その不安は、的中したと言っても過言ではなかった。
火々里の言葉に振り返った時、目前には大口を開ける蛇の口があった。ずらりと並んだ牙は血を滴らせ、こちらを睨み付けている。
抱えていたセラフィーナを掻き抱くように、身を縮こませた。今、この状況を打破することが出来るとするならば、それは……。
蟲を使うか? 恐らく間に合わないだろう。自ら戦うか。結果は火を見るよりも明らかだ。避けられるか。そうするには少々対応が遅すぎた――――分かってる。
自分一人で、何かを成し遂げることが出来ない人間なんて、間桐凱音という存在がどれほどか弱くてか細いものかなんて、自分で分かってるんだ。だから……。


「バーサーカーァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」


――――剛剣、血風以て輝ける。

巨大な影が、割り込むように躍り出た。
二メートルを優に超える、バーサーカーの体躯をすらも超えるほどの大太刀が、怪物の身体を一息に、真っ二つに叩き割った。
噴き出す血を浴びながら、それが振り返った。正しく戦場の悪鬼とでも言うような、恐ろしい姿をしながらも、そこには無垢すら感じる笑顔があった。


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