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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

8名無しさん:2018/11/26(月) 22:42:00




「はーい、みんなー。ホームルームの時間よぉー。連絡事項はぁ……」

鳴り響いたチャイムにほんの少しだけ遅れて、教室の扉がガラリと開いた。
何故かメイド服を着用している彼女は、このクラスの担任教師。その美貌と素晴らしいスタイル、色香で学園中の男子を虜にしているのだが。
既にコブ付き、という事実によって幾人が落胆していったことか。


『それはムーンセル・オートマトンが産み出した上級AIの内の一体。聖杯戦争の運営用NPCであり、健康管理を担当する』
『この個体もまた同様に地上に嘗て存在した人物のデータを基に再現されている。ただし、やはりAIに違いはない』


――――まただ。また、“目眩がした”。

今自分が何を考えていたか分からない。すっぽりと抜け落ちている。その瞬間だけ、自分は眠ってでもいたかのように。
……体調が悪いわけではない、というのが少し困る。寝不足だったりするのだろうか。昨日は……自分は、いったい何をしていたっけ。

「はい、じゃあ今日のホームルームは終わるわねぇ。皆から連絡事項はありますか?」

既にホームルームは終わりかけている、時間が消し飛んだようだ。……まあ、周りの生徒達を見れば大したこともなかったのは分かるのだが。
ただ、やはり違和感が凄まじい。モヤモヤとした気持ち、それを八つ当たり……でまあ、いいだろう。担任の問いかけに対して、片手を勢いよく上げる。

「先生、一之瀬先輩が今朝身体検査のフリして私にセクハラしてきました」

「はい、有力な情報をありがとう火々里ちゃん」

この後あの先輩がどうなるか。考えれば、少しだけ愉快な気持ちになった。さぁ、今日も退屈な授業の時間。


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