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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

71名無しさん (ワッチョイ c9f2-e961):2019/10/08(火) 00:41:53 ID:yGqN71CM00





手を繋いで、少女二人が歩いていた。
幼い見た目の少女達であった。ゴシック・ロリヰタ・ドレスを着た少女は、長い銀髪の上に猫耳のようなリボンを揺らして、不安気に歩いている。
水色の左眼と黄金の右眼のオッドアイの少女は、深紅のトレンチコートを揺らしながら、ゴシック・ロリヰタの少女の手を引いて、慎重に道を歩いている。
暗い街中であった。時間帯を加味しても、それは暗すぎるほどであった。そして街には少女達以外に、誰一人としていなかった。

「……ねぇ、ミラ……なんでここには誰も居ないの……?」

ゴシック・ロリヰタの少女が聞いた。

「ニェット、セラフィに分かんないなら、私にも分からないよ……」

ミラと呼ばれた少女は、縮こまりそうになっている少女の手を引いて歩き続ける。
誰も居ない街を二人は歩き続けていた。いつもならば、未だに人が多く行き交っているはずの街を一人で。
発端と言える発端があったかどうかはわからない。セラフィという少女が、野良猫を追い掛けているのを、一緒になって追い掛けていたらいつの間にかだった。

「……じゃあ、なんで字が読めないにゃー……」

あちらこちらで見る看板の文字は、すっかりと左右が反転していた。
まるで鏡の中世界か何かと思うほどであった。街の構造は全て左右が反転していて、車は全て左ハンドルになっている。変わっていないのは、自分達だけ。
世界が変わったというよりは、そう……まるで、迷い込んでいるような。


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