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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』
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:
名無しさん
:2019/05/06(月) 23:17:19
「結構よ。自信がないのは分かったけれど、それで私に当たるのは止めてくれない?」
「なっ――――!!」
鳩が豆鉄砲を食ったかのような顔。思い切り顔を歪めて、凱音は言葉を詰まらせてこちらを困惑と共に睨みつけた。
してやったり、だ。馬鹿にされっぱなしは勘弁……青筋を立ててこちらをにらみつける凱音へと向けて、ふん、と鼻を鳴らして追い打ちをかけてやる。
「……い、言うじゃん……赤霧のくせに……」
「お生憎、私は言われっぱなしの案山子じゃないのよ。少なくとも、貴方みたいな情けない奴には……」
正しく状況は一触即発。あれだけ恐れていた他のマスターとの戦闘が、恐怖はあれども……そうなれば、やってやる、と思える程度になっているのは。
自分の過去に関係があるものだろうか。暫しの睨み合いの末――――――――先に動いたのは、向こう側だった。
「――――――――いやぁ、これは主殿の負けであろうよ」
突如として、凱音の背後に巨大な人影が出現する。
背丈は二メートルを遥かに超える、ボサボサの髪の大男。その身体は日本の鎧に身を包んで、その背中にはその背丈以上に大きな刀が背負われている。
セイバーのそれとはまた違う、視覚にも分かりやすいくらいのド迫力……これがサーヴァントであることは、素人であろうとも一目で分かる。
彼は凱音の肩に手を置くと、にぃ、とその口元に笑みを浮かべてこちらを見下ろしている―――――流石に恐ろしく思って、後退りする。
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