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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

49名無しさん:2019/05/06(月) 23:17:03






「あれ、赤霧じゃん」

――――――――壱歩、教室の外へと出た途端。耳を擽るのは、何処か嘲るかのような声色の男性の声。
これに関しては、聞き覚えがある。少なくとも……少し前までは、"腐れ縁"であった級友のものだ。今はあまり……聞きたくないものではあるが。
それでも、視線を合わせざるを得なかった。どういう相手であれ、この場においては無視することのできない存在だった。

「なんだ、怖気づいて棄権したんじゃないのかよ。わざわざ死にに来るとか、物好きだよねぇ、ほんと」

……間桐凱音。少しばかり……いや、大分、良いとは言えない性格の少年であることは、今正に、彼が言った言葉からも読み取ることが出来るだろう。
彼も記憶を取り戻し、役割から外れて、聖杯戦争の正式な参加者となったのだろう……サーヴァントの姿は見えないが、今セイバーがそうしているように、"霊体化"とやらで消しているか。
ヘラヘラと、意地の悪い笑いを浮かべながら……予選の時と変わらず、あまり好ましい相手とは思えなかった。

「それにしても運が無いよね。一回戦の対戦相手が俺なんてさ。今からでも遅くないし、棄権したら?
 俺だって弱いものいじめがしたくて参加してるわけじゃないしさぁ。勝ち、譲れよ、俺に」

徹底的にこちらを見下して、威圧的に接する凱音――――こちらを苛つかせるのが目的なのだろう。それは分かっている、分かっているが。
それでも、こうまでされれば腹が立つ。確かに自分は無力で弱い。未だに何も分かっていないかもしれないし、戦う意味だって見いだせていない、が。
そんな風にまで言われて、浅ましく、情けなく、勝ちを譲るほどに弱いつもりはない。そう在りたくない――――!!!


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