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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

48名無しさん:2019/05/06(月) 23:16:46

「まあ、俺が説明するよりもNPCに聞いたほうが早いか。……図書室にでも行くか」

「……えっ、そ、それは待って!?」

――――ここから一歩でも外に出れば。いや、ここですらも。
安全なのかどうか分からない。下手をすれば、そこですぐに敵と鉢合わせて殺し合い、という可能性すらも……そうなれば、生き残れる自信は欠片もない。
何の用意もなく外に出るのは、少々不安が過ぎる……と。さっさと教室から出ていこうとするセイバーを止める。

「この外には、敵の……マスターとサーヴァント、がいるんでしょう? 何の対策もなく出ていっても、私、戦えないんだけど……!!」

「安心しろ。この教室……マイルームは他のマスターが入ることのできないようにムーンセルが設定しているし、学校の敷地内では戦闘行為は禁止されてる。それにだ」

呆れた様子を見せることもなく、セイバーは振り返った。
ここが安全地帯であることは分かった。外側が戦闘禁止区域であることも。だが、敵がルール違反をしないとも限らない……私は、普通の学生だ。
命の危機にさらされたことなんて無い。それでも、不安は拭えなかったが。


「アーサー・ペンドラゴンの名を戴くこの俺が。そう容易く主君を傷付けさせるものか」


―――――その言葉には、何処か惹かれるものがあった。勿論、人間として……例えば、こういうのを。カリスマ、とでも言うのだろう。
一度立ち止まって、考えた。だが、そうまで言うのならば……どうせ、今後は背中を預けなければいけない仲なのだ、いっそそのまま委ねてしまおうと。
教室の扉へと、歩き出した。


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