したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

36名無しさん:2019/03/18(月) 23:09:34

「――――静粛に」


よく通る声だった。年齢は高過ぎるということは無いのに、低く伸し掛かるようであった。
背後の……白い制服の風紀委員達が、凱音へと注意を集めた。それも相まって、たじろいだ彼は、なにか言いたげにしながらも、教会の椅子へと座り直す。
"和を乱してはいけない"……彼という存在がこの場における絶対条件なのであろうことは理解できた。

「参加者総勢128名、パーソナルデータは既に確認済みだ。私の姿を知るものもいようが……今ここに居る私は、ムーンセルより役割を与えられた」
「言うなればただのコピー。監督役としての役割のみを持つ、ただ"聖杯戦争"の運営のためのシステムであることは承知願いたい――――」

彼の言う言葉。コピー、システム、そういう言葉をすんなりと受け入れている自分に少々困惑しながらも、注目したい単語がある。
"聖杯戦争"。先にであった、ガウェインと名乗る男も言っていた。"戦争"……と。
嫌な単語だ。それが何を意味するか……少なくとも、先の時点で、自分は思い知らされている。

「――――それでは。ようこそ、選ばれしマスター諸君。幸運なる128名。改めて、自己紹介をさせてもらおう。
 ムーンセル・オートマトンより派遣された"月の聖杯戦争"の監督役、清宮天蓋だ。今後私が主だった進行を担当する、宜しく頼もう」

恭しく頭を下げるそれには、機械的でありながら、どことなく白々しさが在る。
その正体が何なのかはわからない。考える余裕すらない、彼の言葉の一つ一つが、赤霧火々里にとって、全くと言っていいほど理解が及ばない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板