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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

14名無しさん:2018/12/17(月) 22:02:18

「久しぶりですね、間桐凱音。……こう言ってしまってはなんですが。"また逢えてよかった"」

「ああ、やめろ、やめろ……もういやだ。俺はもう、死にたく――――――――」

やはり二人には面識がある。何故、何の? まともなものであるとは到底思えない。
問い質すよりも前に。急速にそこに、夜の帳が落ちていく……月に光すらも覆い尽くすかのように、そこを闇が覆い隠し、包んでしまったのであれば。
すっかりと、二人の姿もまた夜闇に消えて。脅える声も、遠ざかっていく。

「昔の好です。お手伝いを、してあげましょう」

「やめろ――――やめろやめろやめろやめろやめろォォ――――――――」



――――声が消え失せて、闇が晴れた。その中に、間桐凱音の姿はなく、そこには吸血鬼が唯一人、残されていた。
ぞっとするほどに、紅く燃え盛るその瞳を向けながら、自身へと微笑みかけた。敵意はなくとも、背筋が凍る思いであった……ハイヒールの音が、また響き渡る。
通りすがりざま。耳元で、小さく囁かれる。


「あの子の友達でいてくれて。有難う」


その音が立ち消えた時、ようやく緊張の糸が切れた、ぷつりと解けたそれは、支えるものを失って屋上にへたり込む。
夕焼けの空を見上げる。下校のチャイムが鳴り響くのを彼方に聞き――――意識を手放した。


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