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第一外典:魔法少女管理都市『瀬平戸』
92
:
名無しさん
:2019/06/02(日) 22:42:11
「お、お邪魔しますっ!」
どうにも目的はよくわからないが、一先ずは部屋の中に招き入れる。
ひよりが椅子に座ると、少しだけキョロキョロと伺った後、立夏はベッドの端に腰を下ろした。その姿を見て、ペンを取ってノートへと再度向かう。
なにか言いたげに、居心地悪そうにしているのだが……。
「……何の用ですか?」
そう問われれば、抱えていた枕に顔の半分を埋めてこちらを伺うのであった。変身時と打って変わってというか、この変わりようはまるで別人だった。
「えっと……寝ないのかな、って」
首を傾げる。用を聞いているというのに、それは全く要領を得ない答えだった。
ひよりには、立夏の言葉を……即ち、“休まないで起き続けるのか”という問いかけ、ひいては彼女に休息を取らせるためということに思い至ることは出来なかった。
その態度の煮え切らなさを見れば、仕方のない話ではあったが……またバツが悪そうに、備え付けのテレビへと目をやって。
「あの……テレビ、見てもいいかな?」
「……まぁ、いいですけど」
部屋で見ればいいのに。そう言いたかったが、邪魔をしないのであればそれでよかった。
テレビの電源を入れる。地上波の放送と、ホテルが配信しているチャンネル、ケーブル等のチャンネルを送り、最後に彼女が留めたのはアニメのチャンネルだった。
魔法少女が戦う番組で、それは今正しくその話の見所であるバトルシーンの最中だった。三人の魔法少女が、男装の敵幹部に追い詰められている様子だった。
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