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【投稿リクエスト142より】リクエストに当たるか分かりません
1
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/12(日) 09:53:44 ID:2ofplrb.
アイドル 4colors(フォーカラーズ)は文字通りの4人グループ。
美桜 紫織 紅葉 瑠璃
4人は年は近いものの美桜と紫織は高校を卒業し、紅葉と瑠璃は高校生であった。
地方でのコンサートに合わせてドッキリのオファーが来た。
高校の授業の関係で遅れてくる紅葉と瑠璃にドッキリを仕掛けるというもの。
仕掛人は美桜と紫織。
美桜と紫織は先に現地のホテルへ入り準備を始める。
段取りはこうだ。
紅葉がいつもコンサートの時に紅葉が持っているドラムバッグに美桜が、瑠璃が持っているスーツケースに紫織が中に隠れる。
それぞれ同じものを用意し、スタッフが手足が飛び出せるように加工したものにそれぞれが入る。
荷物になり入室予定の部屋の隠し扉の中へ台車に載せられて待機。
紅葉と瑠璃がホテルマン(スタッフが扮した)に部屋に案内され、先に入った2人に気づかれないように荷物をすり替える。
後はタイミングを見計らって紅葉と瑠璃を脅かしてドッキリ成功という流れ。
2
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/13(月) 09:53:16 ID:lH/o0U1g
美桜はピンクのメタリック、紫織はパープルのメタリックのゼンタイ に着替え、ゼンタイ に合わせたブーツを履く。
ブーツを履いておくと足を突き出し易いという理由から。
そしてそれぞれドラムバッグ、スーツケースに入りスタンバイする。
台車に載せられてここからは物扱い。
ドッキリを仕掛けるということで、2人ともワクワクが止まらなかった。
狭く暗い場所で待つこと20分。
紅葉と瑠璃の声が聞こえてきた。
扉が開き手際良くホテルマンに荷物をすり替えてもらい2人の元へ。
ドラムバッグはベッドの上に、スーツケースはベッドとベッドな間に置きホテルマンは挨拶をして部屋を出て行った。
美桜と紫織の視界からはぼんやりとしか、紅葉と瑠璃が確認できない。
荷物に入る前に着たゼンタイが顔まで全て覆っていることと、覗き穴の小ささから紅葉と瑠璃を声で判断するしかなかった。
3
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/14(火) 07:33:37 ID:26n6Ov.6
さあ、どのタイミングで2人を驚かせるか。
ここからは美桜と紫織のタイミングで構わないという事になっている。
紅葉がベッドに置かれたドラムバッグに近づいて来る。
ファスナーを開けようとした瞬間、ドラムバッグが動いた。
イモムシのように体を動かし、足を突き出す。
紅葉は悲鳴を上げて出入口の方へと逃げ出す。
紅葉の悲鳴でドラムバッグを見た瑠璃も悲鳴を上げると、今度は瑠璃のスーツケースから足が生えて立ち上がる。
瑠璃も悲鳴を上げたまま出入口の方へと逃げて行く。
4
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/15(水) 08:02:03 ID:Y98AeStc
それを追いかけようと、手を出そうとするがドラムバッグもスーツケースも手が出ない。
ドラムバッグは体を転がしてベッドから降りると走って逃げた2人の後を追う。
スーツケースも走り出すが、ベッドの間に置かれていたのでベッドにぶつかり転倒してしまう。
ドラムバッグは2人を追いかけたが、視界が悪く足元がブーツなので上手く走れない。
2人は部屋の外へ、そして全く追いつけずに扉が閉まってしまった。
手が使えないので扉を開けるとこが出来ず追跡を諦めた。
ドラムバッグが戻ってくると、スーツケースがベッドの間で倒れて床で足をバタバタさせている。
ドラムバッグはベッドに引っかかっているスーツケースを足で外すと、スーツケースはベッドの間から抜け出すことが出来て立ち上がった。
ドッキリなのにグダグダ。
5
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/16(木) 07:26:53 ID:Zl5FFfbA
自力ではドラムバッグからもスーツケースからも出られないので、スタッフが戻ってくるを待つしかない。
もっと、上手くやれると思っていた2人は落胆していた。
特にベッドの間で何も出来ずに倒れてしまったスーツケースは立ち尽くしている。
ドラムバッグは部屋にあった革張りのイスに勢いよく腰掛けた。
革張りのイスが動いた。
ドラムバッグはビックリして立ち上がる。
立ち上がったドラムバッグの目の前にあった観葉植物のボトムツリーが動き出す。
さらに驚いたドラムバッグはスーツケースにぶつかり、そのまま出入口へ走って行く。
スーツケースはまたベッドの間に挟まる形で倒れた。
6
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/17(金) 09:43:14 ID:lH/o0U1g
出入口まで逃げたドラムバッグだったが、扉を開ける事が出来ない。
振り返るとイスとボトムツリーが迫ってくる。
パニックになりながらも足元を見ると、イスは赤いブーツ、ボトムツリーは青いブーツを履いている。
という事はイスの中身は紅葉で、ボトムツリーは瑠璃ということか。
状況から自分たちが逆ドッキリを仕掛けられた事に気づいた美桜は扉を背にしゃがみ込んだ。
ベッドのところに戻ると、スーツケースが倒れたまま、もがいている。
イスもボトムツリーも手が出ていない。
つまり、メンバー全員手が使えない状況。
やはり、スタッフが戻ってきてからでないと出してもらえない。
また、足だけを使ってドラムバッグはスーツケースを救出した。
7
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/18(土) 07:32:36 ID:tlp5qefw
美桜は考えていた。
イスとボトムツリーが紅葉と瑠璃ならば、先ほどドラムバッグに驚いて逃げていった2人はだれだったのだろうと。
そんなことを考えながら、イスとボトムツリーを見ていると部屋の中が暗くなったような気がする。
キョロキョロするドラムバッグ。
そして異変に気づいたのはスーツケース、イスとボトムツリーも同じであった。
部屋の中には煙が充満している。
突然、非常ベルが鳴る。
『ドンドン、ドン』
部屋の扉を勢いよく叩く音の後、扉が開きホテルマンが入って来た。
「このフロアで火事がありました!すぐに逃げて下さい!」
驚いたが急いで逃げる。
最後尾は動きの悪いスーツケース。
4人は廊下へと飛び出す。
8
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/19(日) 06:56:04 ID:2MrUZWwM
廊下には煙はおろか静まり返っている。
部屋に勢いよく入ってきたホテルマンの姿はない。
こんな格好で廊下にいられないと思い部屋に戻ろうとする一同だったが、すぐに大変な事に気づく。
“部屋に入れない!“
全員、手が使えない。
足もブーツを履いているので、足も使えない。
そもそも、部屋の鍵を持たずに出たので、オートロックで閉まってしまい、手が使えても部屋には戻れないだろう。
幸い廊下には誰もいないが、見られればただの変な集団だ。
それどころか、驚かせてしまいかねない。
ただ、ここでジッとしている訳にもいかない。
リーダーの美桜が先頭を切って動き出す。
目的地はフロント。
そこで事情を説明して助けてもらうしかない。
9
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/20(月) 07:03:41 ID:lH/o0U1g
現在地はホテルの一番端。
エレベーターはホテルの中央。
ゆっくりと移動を始める。
ゆっくりと移動するのには訳がある。
走ると倒れてしまう恐れがあり、音を立てるリスク、さらには起き上がるのに時間がかかってしまうから。
移動して程なく部屋の扉が開くのが見えた。
ドラムバッグは寝転び、足を隠す。
スーツケース、イス、ボトムツリーは屈む事で足を隠す。
扉が開いたのエレベーターの反対側。
こちらには気にも留めずにエレベーターで降りていった。
やれやれ、また進み始める。
エレベーターまで辿り着いたが、重要な事に気がついた。
“どうやって、ボタン押すの?“
いろいろと思考を巡らせている時、近くで扉が開いた。
10
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/21(火) 09:34:40 ID:D5tZ35lo
また、ドラムバッグは寝転び、スーツケース、イス、ボトムツリーは急いで足を隠す。
部屋から出て来たのは、おばあさん。
エレベーターのボタンを押し、革張りのイスの存在に気づく。
「あ、良いところにイスがあること」
そういうと腰をかける。
エレベーターはなかなかやって来ない。
腰掛けていたおばあさんが、スーツケースとドラムバッグに気づく。
「あらあら、忘れ物かしら、教えてあげないと」
そういうと部屋へ戻って行く。
おばあさんがいなくなったタイミングで、エレベーターが到着。
4人は慌ててエレベーターに乗り込んだ。
しかし、問題は続く。
フロントのある1階へのボタンが押せない。
運を天に任せて1階へ行くことを祈る。
エレベーターが下の階へ向けて動き出した。
11
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/22(水) 09:56:45 ID:lH/o0U1g
“やったー“誰も声を出さなかったが、そう思っただろう。
全員、声は出せないでいた。
物になりきる為に口にはテープを貼られてゼンタイを着ているから。
順調に降りて行くエレベーター。
これでフロントへ行けると思った時、3階でエレベーターが止まった。
急だったので、ドラムバッグは寝転ぶことが出来ず、足を隠してスーツケースに寄りかかる。
乗って来たのは親子3人。
子どもがイスに気づいて座るが、1階に到着し直ぐに降りた。
まだ動けない、親子を驚かせてしまう。
しかし、エレベーターの扉は無情にも閉まっていく。
12
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/23(木) 07:01:33 ID:lH/o0U1g
エレベーターの扉が閉まりきる前に、再び開いた。
先ほどの親子の父親がホテルマンを連れて戻ってきた。
スーツケースとドラムバッグがあるので、ホテルマンに知らせたのだろう。
“良かった!“
ホテルマンは台車を持って来て、ドラムバッグ、スーツケース、イス、ボトムツリーを運び出す。
忘れ物拾得物扱いされるのではと、不安に思われたが、フロントとは別のところへ運ばれていく。
運ばれた先は舞台のようなところ。
人も集まっている。
それぞれ感覚を空けて下されていく。
そして曲が流れた。
4人がよく知っている曲、彼女たちのデビュー曲。
司会の声が聞こえ「それでは歌ってもらいましょう 4colors です」
4人は曲に合わせて足だけ出して踊った。
もちろん、歌うことは出来ないので、CDを流して。
ドッキリの部屋の様子や移動中の映像の一部始終がこの舞台のモニターに流されていた。
おばあさんも親子も全てが仕掛け人。
ドッキリは4人に仕掛けられていたのだった。
おしまい
13
:
ドッキリ大作戦
◆dkf/aF6sqI
:2020/04/23(木) 12:36:29 ID:fL1DVTZo
短編でしたが、お付き合い頂きありがとうございました。続きが気になるとのご意見を頂き励みになりました。ありがとうございます。
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