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真夏のゴジラ

1真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:13:38 ID:24Sdk4ac
真夏に通気性のない着ぐるみに入り、着ぐるみを脱ぐことも休憩もできずに何時間も移動を繰り返すお話。

2真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:14:14 ID:24Sdk4ac
「ほら、しっかり歩いて!」
「チーフ、そんなこと言われても」くぐもった声で返したのは俺、早坂ナオキ。

俺は今、ゴジラの着ぐるみを着て歩いている。イベント会社に入社し、希望していた着ぐるみを何度も着ている。
イベント会社を選んだのは小さい時からヒーローになりたかったから。仮面ライダーやウルトラマンに。
しかし、いざ着ぐるみの中の人にはなったが、ウサギやトラといったものがほとんど。
ようやく、求めていた物に近いゴジラが回ってきたのだが。
これが意外と動けない。脚は太く大きく歩きにくい。シッポで後ろに引っ張られるような感じがする。
そして臭いこそ、新調したゴジラの為臭くはないが暑くて重く視界が狭い。

3真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:14:47 ID:24Sdk4ac
バテて、ただ立っているだけの俺の目の前で腕を組んでさっきから吠えまくっているのが、チーフの新地アズサ。俺より少し年上だがやり手で以前は低身長活かし数々の着ぐるみを操演してきたツワモノだ。

そして今回のゴジラはある鉄道の沿線にミュージアムができるということで、電車に乗って移動し駅前で宣伝する為、新調された。
その宣伝に向けてゴジラの中の人になりたいと自ら手を挙げて現在それに向けて特訓中という訳なのだが。

俺が思っていたよりもこの着ぐるみは、はるかにキツイ。
初夏とはいえそれほど暑くないのに、10分で汗だくになり体力を削られ、もう動けなくなっていた。本番は真夏の8月、それも駅前で炎天下の場所もあると聞いている。
すでに俺の心は着ぐるみに入って30分足らずで折れていた。

4真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:15:28 ID:24Sdk4ac
ゴジラの首元からチーフに話しかける。
「チーフ、一度休憩させて下さい!」
それを聞いたチーフは目を瞑り腕を組んで黙っていたが、ほどなくして俺の背後に回る。
しばらくすると、涼しく新鮮な風が着ぐるみ内に流れ込んできた。
俺は頭、続いて腕を着ぐるみから出す。
黒い全身タイツのフードを外すと顔を左右に振った。
「あっちぃ、しかもキツイわ」
全身タイツの所々に大きな汗染みが出来ている。
チーフは黙ってその様子を見ていたが、呆れたように「そんなにきつかったら辞める?」と。
俺は慌てて首を横に振る。
「これから体を慣らしていきます」と返すと「あっそ!」と言ってチーフは事務所へと戻っていった。

事務所からは入れ替わりに同期入社の直井サキが出てきた。彼女はチーフと違い身長が高く俺とそう変わらない。
事務職を希望し着ぐるみには新人研修の時に入っただけでそれでもキツイとボヤいていた。それも色々な着ぐるみを体験したからだろう。ゆるキャラ的なものからピッタリとしたウルトラマンまで。

5真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:16:18 ID:24Sdk4ac
「チーフ怒ってたわよ」
サキの言葉に俺は無言でいる。
元々スタイルの良いサキ。夏が近づき薄着になると豊満な胸を揺らしセクシーさが増して目のやりどころに困る。大きな胸に短めのスカートはとても事務服とは思えない。
「ゴジラ、キツイの?」
「ああ!今までのものと比べものにならないよ」何となく目を合わせずに答える。
「そうなんだ、でも代わりの人いないみたいだから頑張ってね」
「ああ!見といてよ、必ずゴジラを演じてみせるから」
「期待してる!」笑顔で返されると顔が熱くなった。


そんな言葉を交わして1ヶ月が経過。俺は歩くには歩けるようになったが、とても体が暑さについて行かなくなり、1週間前についにケツをわってしまった。
チーフには予め推測ができていたようで、「あっそ!」の後に「私と一緒に期間中はアテンドに付いて頂戴」と指示を受けた。
俺は無言で頷いた。

6真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:17:05 ID:24Sdk4ac
イベント当日、ターミナル駅のある控え室に俺はいた。
俺が控え室に入った時には黒い全身タイツで顔だけ出した体格のいい男がすでに下半身がゴジラになっていた。
チラッとこっちを見て、会釈するとゴジラの中へと消えていった。
顔は見えたが見たことのない男だった。

休日の午前10時、電車の利用者が増える時間に控え室から移動を始める。宣伝効果を見越したもの。
普通電車に向かう途中、多くの乗客に取り囲まれ写真撮影が始まった。
その後も力強く歩いては短い手を振って乗降客に応えるゴジラ。
手の振り方が何となくだが俺には引っかかっていた。
ゴジラに危害を加える者がいないか監視しながら付き添い、シッポを持って電車へと乗せる。

控え室を出てから電車に乗るまで30分はかかった。
スタッフTシャツを着ている俺もチーフもすでに汗だく。ゴジラの中の人が心配になる。
俺自身何度も入ってゴジラに体を慣らしたが、20分が限界だったからだ。
乗客のまばらな車内でチーフがゴジラに声をかけている。
「ナオキ、大丈夫?」
チーフの問いにゴジラは頭を縦に振る。

7真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:17:53 ID:24Sdk4ac
ナオキとはチーフの親類なのだろか。
俺がそう思ったのはチーフは部下のことを苗字で呼び捨てにするからだ。
俺なら“早坂“といった具合に。
それに控え室での着替えもナオキが弟と考えれば合点がいく。姉弟なら家から一緒にやってきて早々に着替えたのだろう。
そして、急にゴジラの着ぐるみに入る仕事を引き受けたことも。そう考えて見ていると妙に親しげに見えてくる。

ゴジラとチーフのやり取りを遠目で見ながらも少しゴジラの中の弟さんが心配になる。
電車の中は冷房がよく効いていたが、それはゴジラの中ではほとんど意味がないことは俺は身をもって体感していた。
ゴジラの首元の覗き穴から僅かに顔に冷気が触れる程度だろう。体を少しでも動かそうものなら体から温められた空気が上がってきて冷気を遮断する。
汗は噴き出てくるが、蒸発しないので体温がどんどん上がってくる。
こうなるともうこの悪循環が永遠と続き、耐えきれなくなりゴジラから解放されたい一心となる。

ターミナル駅で陰があるとはいえ、30分も暑い中で写真撮影などをしていたのだ。俺ならもすでに倒れているかもしれない。
そんなことを考えていると、一つ目の目的の駅に到着した。
チーフが先導し、ゴジラがそれに続く。
そのゴジラのシッポを持って俺は電車を降りた。
チーフは足速にエレベーターに向かいゴジラは自分のペースで歩きエレベーターに乗った。エレベーターには冷房がなく、かなり暑い。気持ち程度の扇風機が熱風を掻き回すだけ。
心配になり俺もゴジラに声をかける。
「大丈夫ですか?」
その問いに応えるようにゴジラは俺の肩をポンポンと叩いた。

8真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:18:57 ID:24Sdk4ac
改札階に到着し、エレベーターを降り改札へと向かう。改札を抜けると電鉄会社が運営する百貨店へ連絡している。そこが一つ目の宣伝場所。事前に連絡が回っているため、フリーパスで改札を通り抜ける。

電車を降りて僅かな距離だというのに、かなり暑さ。額から汗が滴り落ちる。百貨店に入れば身震いするほどの涼しさが待っている。そう思うと自然と歩くスピードが速くなる。

自動扉が開き百貨店の中へ飛び込む。
“ ん! “
“涼しくない!!“

近くの貼り紙に気づく。
『お客様には大変ご迷惑をお掛けします。
只今、空調機の故障により冷房がこのフロアでは効かなくなっております』
そこまで読んでチーフに「別の階でやらせてもらいましょう!」とすぐに提案したが、チーフは黙って首を振る。

チーフによると、与えられたスペースは百貨店と改札の間のスペース。つまり、初めから冷房の効いたところでは出来ないことになっていたのだ。

9真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:20:00 ID:24Sdk4ac
またも直射日光が当たらないとはいえかなりの暑さ。熱風が改札を抜けていく。俺の額からは汗が止め処なく流れ落ちる。
ゴジラはエスカレーターから改札へ向かう人々に短い手を振り愛想を振りまいている。
「すげーな」俺はポツリと呟いた。


30分ほどでまたも移動。行きと同じように改札を抜けてエレベーターでホームへ降りた。
普通電車は停車していたので、すぐに乗る。
よく冷房が効いていて汗が引いていくのがわかる。
しかし、ゴジラはそうはいかないだろう。
なにより休憩を取らなくて倒れてしまわないか心配になるが、チーフは休憩しようとする素振りも見せない。


急行電車を数本見送った後、普通電車は走り出した。
少しでも休憩できればと思うが、ゴジラはシッポが邪魔をして座ることもできない。
電車に揺られること、10数分で次の目的駅へと到着した。

10真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:21:11 ID:24Sdk4ac
高架の線路を走っていたので、今度はエレベーターで降りて改札を目指す。エレベーターは小さくゴジラと俺が乗るだけでいっぱいになったので、チーフはエスカレーターを使用。このエレベーターは冷房が効いていたが、電車よりは弱い。

「大丈夫ですか?」俺が声をかけると声を出すことなく頷くように動くゴジラ。元々は自分が入るはずだったゴジラの中でナオキはがんばっている。
初対面のナオキに謝る。「すまない、本当なら自分が入るはずだったのに代わってもらって」ゴジラは軽く頷く。「カッコ悪いだろ、好きな女の子も期待してくれてたのに」汗に混じって涙が滲んだ。

そのあとすぐエレベーターは改札階に着いた。

11真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:22:23 ID:24Sdk4ac
改札を抜けて宣伝場所を見回している俺にチーフは手で宣伝場所を指図する。俺の視界に飛び込んできたのは炎天下の広場。近くには噴水もある。
「え!あんな所でやるんですか?」俺の問いにチーフは「あんな所でやるの」とキッパリと言い切った。ゴジラは炎天下の広場に向かって歩き出す。俺もゴジラのシッポを握り後に続く。

日陰ですら暑かったのに炎天下では暑さが三割増しに感じられる。ゴジラの登場に噴水で遊んでいた子供たちが泣いたり叫んだりしている。それでも母親たちは泣きじゃくる我が子を抱いてゴジラへと近づく。
それを遠巻きで見ていた営業マンも記念撮影に集まってきた。スマホを受け取り親子や営業マンとゴジラの写真を撮る俺。その間もゴジラは炎天下に晒されてジリジリと熱を帯びていく。ゴジラの中はどれぐらい暑いのかも想像ができない。かなり熱くなっていることはゴジラと肩を組もうとした営業マンが「暑ちぃぃぃ!」の声とともにすぐに離れたことからも容易に想像ができた。

額から滴る汗を拭って撮影を続け、落ち着いた時にチーフがいないことに気がついた。

12真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:23:19 ID:24Sdk4ac
周りを見渡すと日陰で電話をしている。
電話が終わると時計を確認し、チーフのいる日陰に来るような手振りをしている。
俺はゴジラのシッポを持って戻ろうとしたが熱くなったシッポを掴めない。そのままチーフの方へと戻る。


「おつかれ!今日はこの駅で終わり、明日はこの駅からスタートするから」そう言いながら歩き出した。俺とゴジラはそれに続く。
着いて行った先はこの駅のイベント用の控え室。チーフは俺に「私は急用ができたから会社戻るから、2人でお昼でも食べて」そう言うと5000円を差し出した。腕時計を見ると2時近くになっていた。
「あと、これ着替え」そう言ってチーフがずっと持っていたカバンを手渡された。「は、はい!」カバンを受け取り返事をした時にはチーフの姿は控え室になかった。


チーフのことに気を取られていたが、ゴジラから早く解放してやらないと。
そう思い振り返るとゴジラは控え室の広くなったスペースで背中をこちらに向けて横になっていた。
「あ!ごめん、急いで出すから」そう言ってゴジラに触れる。触れられないほどではなくなったがゴジラの表面にはまだ十分に熱が残っていた。

13真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:24:23 ID:24Sdk4ac
慌てて背びれを外し、その奥のファスナーを開く。
この時、違和感を感じたが構わずに着ぐるみの中に腕を突っ込みナオキを引き出す。黒い全身タイツに覆われたナオキの上半身は力なくゴジラの外へ出てきた。
倒れていたので気を失ったのではないかと思い仰向けにして顔を覗き込む。
ナオキは目も口も開けたまま表情は変わらない。
顔全体に汗をかいている。黒い全身タイツもビショビショに濡れているがこの時も違和感が。

その違和感はゴジラの背中のファスナーを開いた時に噴き出してくるはずの汗の臭いが混ざった熱気がなかったこと。
かなりの時間ゴジラに入っていたにも関わらず、引き出す際に体がそれほど熱を帯びていなかったこと。
また、全身タイツは濡れているのだが、汗とは違いベタついた感じがなく、体全体に均等に濡れていた。

14真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:25:13 ID:24Sdk4ac
「大丈夫ですか?」ナオキの体を揺する。
ピクッとしてスイッチが入ったように動き出すナオキ。
ゴジラから下半身も脱ごうとするので俺も手伝う。ナオキの下半身には見たことのない機械が取り付けられていた。
どうやら歩行を助ける器具のようで少し動かすだけでも力強く動く。
ナオキはその器具を器用に外すと、全身タイツを脱ぎ始めた。
背中のファスナーを開くのを手伝う。

ナオキの体には驚いたことにファスナーが付いていた。
さらにそれを開くと黒い肌が覗く。
体を反るようにして全身タイツそしてナオキを脱いでいる。
呆気に取られている俺の目の前に肌の露出が全くない、全身が黒光りした人が出てきた。顔にも穴が全く見当たらないがキョロキョロと辺りを見回している。

チーフから渡されたカバンを見つけると奪い取るようにして掴み、奥にある更衣室へと消えていった。

15真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:26:06 ID:24Sdk4ac
まだ状況が飲み込めずにいたが、一つ分かったことはナオキの中から全身ラバースーツの女性が出てきて、今奥の更衣室で着替えているということ。
なぜ女性と分かったかというとカバンを奪っていく際、大きな胸を揺らせていたから。
それに更衣室に入っていく際の走り方や素振り、それに見えたお尻は男とは違うプリンとした柔らかそうなお尻だった。

しばらく唖然として扉の閉まった更衣室を見つめていた。
更衣室の中からはラバースーツを脱ぐ、“ピチピチ“といった音が聴こえてくる。
しかし、着替えるのに時間がかかると思い直し、ゴジラの着ぐるみを片付け始めた。
いつも片付けていたゴジラの着ぐるみの片付けはすぐに済んだ。
続けて手馴れた感じで全身タイツをハンガーに掛けて干す。

16真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:26:42 ID:24Sdk4ac
そして、最後に床に脱ぎ捨てられたナオキを手に取る。
抜け殻となったナオキはまだ所々冷んやりとしている。
ナオキの中味は保冷剤のようなものが入っているようだが、軽量で全身に保冷剤が隈なく入っているようだった。

ナオキはいわば中の操演者を冷やす役割をしていたのだと考えると長時間ゴジラに入っていられたことも、炎天下でも変わりなく動けたことも肯ける。
さらに足に付けられた機械で女性でも体力的にサポートしていたのだろう。

17真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:28:42 ID:24Sdk4ac
中の女性はおそらくだが、控え室に戻り緊張の糸が途切れて倒れてしまったのだろう。
そうでなければ更衣室へあんなに勢いよく移動することもできないと考えた。

なんにせよ、俺がゴジラに入るのを代わってもらったので申し訳ない気持ちは変わらなかった。


しばらく待っていると更衣室の中からドライヤーの音やスプレーの音が聞こえてくる。
もう、そろそろ着替えが終わったのかと思い緊張しながら彼女が更衣室から出てくるのを待つ。
それでも彼女は出てこない。
心配になり声をかけようとした時、更衣室の扉のロックが解除される音。
そしてゆっくりと扉が開く。

少し開いたドアの隙間から覗き見る目。
「ああ、やっぱり帰ってないか」
諦めたような口調で私服に着替えて出てきたのは、直井サキ。

「え、なんで?」俺の問いにサキが答える。
「チーフに頼まれたのよ、着ぐるみの暑さ対策のサンプルテストも兼ねて」
「でもぉ」と言いかけた俺の言葉を遮って「分かってるわよ、体力に自信がないことも伝えたわ」
サキは足に付けていた機器を指差して「だったら、ついでにこれもテストしててって言われて断り切れなくて」と説明してくれた。

18真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:29:53 ID:24Sdk4ac
「お腹空いたからご飯でも食べてゆっくり話そう」とサキに誘われて移動を始めた。
移動中、サキは着ていたラバースーツの説明をしてくれた。
あれは特殊なゴムで出来ていて、人に似せた冷却の役割をするスーツから体を適温に保つ機能があるので全身をくまなく覆う必要があることや実際あれだけの長時間着て炎天下でも暑くなかったことを教えてくれた。

ファミリーレストランに着くとランチタイムを過ぎているので店は空いていた。
料理を注文するとすぐに料理が出てきた。
チーフから多目にお金をもらっていたのでデザートも注文した。

サキとは同期だがこうして2人で話すのは初めてかもしれない。
「あのー、一つ聞いていい?」サキが突然改まった感じで話しかけてきた。俺はデザートを頬張りながら頷く。
「さっき、エレベーターで言ってた好きな人って?」サキの声が小さくなる。

19真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:31:03 ID:24Sdk4ac
「あ!」俺はすぐに口を押さえた。
本人とは知らずに告ってしまったことを今更ながらに思い出した。
「え、あの」と口籠もったが思い直す。
一度は告白してしまったのだから。

「直井サキさん、貴女のことが前から好きでした、良かったらお付き合いしてもらえませんか?」手を差し出し頭を下げる。
「普通こんな所で告白する?」サキの言葉に体が硬直した直後、差し出した俺の手に柔らかい手が触れる。
「こちらこそ、よろしく」
その後は2人笑顔でデザートを食べてたわいもない話をした。

そうそう、チーフが“ナオイ“と呼んだのを中の人が男だと思い込み“ナオキ“と聞き間違えていたこともサキに告白した。

20真夏のゴジラ ◆dkf/aF6sqI:2019/11/07(木) 21:32:20 ID:24Sdk4ac
その後はサキも俺と同じスーツアクターをするようになった。
一度は自分の体力に自信を喪失し、諦めていたのだが今回のことをキッカケに俺と共に頑張ろうと思ったようだ。
テストしていた冷却スーツもいい感じになっている。

因みに今は新たなテストを行なっている。
2人で操演する着ぐるみ。もちろん中身は俺とサキ。
そして暑さ対策ができたことで、チーフの新地アズサも小さな着ぐるみに入ってイベントを盛り上げている。

2人で操演する着ぐるみと極小着ぐるみのお話はまた別の機会に!


おしまい

21名無しの作家さん:2020/03/06(金) 11:41:29 ID:qsSFv7pc
炎天下に暑そうな着ぐるみ(in女性)ってシチュエーションは最高だったけどフェチ要素が少なかったのが残念

22名無しの作家さん:2020/03/13(金) 11:19:17 ID:dQ23exIw
続きか似たようなもの誰か書いて!

23真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/03/21(土) 07:42:26 ID:pEntN8c2

登場人物

【早坂ナオキ】
着ぐるみヒーローを憧れイベント会社入社

【新地アズサ(チーフ)】
ナオキの上司、小柄で元着ぐるみ操演者

【直井サキ】
同期入社でイベントをキッカケにナオキと付き合い始めた

24名無しの作家さん:2020/03/21(土) 10:09:31 ID:A8DRZGE2
きたー!

25真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/02(木) 07:54:10 ID:XO9td4N2
ゴジライベントは無事成功。
結局最後までサキがゴジラをやり切った。

しばらく俺は今まで通りゆるいウサギやトラの着ぐるみを着てイベントに参加。
サキも人手が足りない時以外は本来の経理の業務に就いていた。

夏本番、子供たちが夏休みに入った。
そんな時あのイベントが再び。

今回はゴジラではなく、キングギドラ。
俺はチーフから呼び出された。
「どう?早坂、今回は最後までキングギドラできる?」
そう聞かれた俺の返事は決まっていた。
「やります!やらせて下さい!」
力強く意志表明をした。

何故か隣にはサキ。
「チーフ、質問です!」
手を挙げて質問するサキ。

「はい、なんでしょうか、直井」
「何故、私までココに呼ばれたのでしょうか?」

チーフはニヤリと笑みを浮かべ。
「貴女も着ぐるみに入ってもらいます」
それを聞いて俺は動揺した。
また、俺が弱音を吐いた時の保険で、サキがこの場にいるのではないかと思ったから。

26真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/03(金) 06:48:52 ID:KlInzrjY
サキは嫌そうな顔をして質問を続ける。
「また、ゴジラですか?」
チーフは首を振りながら「今度はキングギドラよ」

俺もサキも目を丸くした。
「え、2体もいるんですか、キングギドラ?」
俺の質問にチーフはまたも首を振り、
「あなたたちが2人で入るのよ」

「え、あ… 」
俺もサキも声が出なかった。
「もう決まった事だから頑張ってね」
続けて
「早坂、また途中で出来ませんなんて無しだからね」
そう言って部屋を出ていった。

まぁ、全くの他人で入るならまだしも、彼女のサキとなら。
サキはというとやれやれと言った表情。
そして俺に「2人で頑張りましょう」と。

後から聞いた話だがサキが断らなかった理由は、俺が他の人(女性)と2人で着ぐるみに入って欲しくなかったとの事。
そして、俺とサキの関係はチーフにバレていて、サキが断らないことを見越しての事だったと。
だから、チーフは俺には“やるかどうか“聞いたが、サキはマストだったと。

27真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/04(土) 12:51:29 ID:lH/o0U1g
イベントも近づき着ぐるみが届いたので試着する為に俺とサキはチーフに呼ばれた。

事前に体温を適温に保つラバースーツに着替えて。
初めて着たがコレが曲者。
ファスナーなどはなく、首の所を広げて着ていく。
そしてスーツと一体となったマスク、フードを被れば装着完了となる。
試しにマスクを被ってみたが、見た目には分からないが内側からは目と口と鼻の所に細かな穴が開いていて支障なく見ることも呼吸もできる。

後、一度だがサキが着ていたラバースーツには無かったものがある。
それはダラリと垂れたペニスケース。
カッコ悪いので、ラバースーツの中へと押し込んでおく。

28真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/05(日) 08:18:11 ID:lH/o0U1g
着替えを済ませ、顔を出した状態で指定された部屋へ行くとサキが既に着替えを済ませて待っていた。

「揃ったわね!」
チーフはそう言うと、ホワイトボードに絵を描いて説明を始めた。

キングギドラは頭が3つで翼があり、腕などはない架空の怪獣。

着ぐるみの中は直井が前で、早坂が後ろ。
足には歩行サポートの機器があるから、早坂の足に取り付けてから、直井は早坂の足をかかとで踏む感じで取り付ければ、歩行できる。
因みに歩行をリードするのは早坂だから。

3つの頭の内真ん中は2人の頭を入れて動かし、左右の頭は直井が腕を入れて動かす。
早坂の両腕は翼を担当。

そして冷却スーツは予め、キングギドラの中へ仕込んであるから、冷却スーツを着てからキングギドラを着る感じになるから。

29真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/06(月) 07:28:52 ID:lH/o0U1g
チーフはサクサクッと説明。
「質問ない?」と聞かれたが、2人とも流れるような説明に質問は湧いてこなかった。

早速、キングギドラに入る。
着ぐるみに入ることより、サキが一緒ということにドキドキする。

まずは俺がキングギドラの背中からはみ出た冷却スーツへと足を入れる。
さすがに2人入れる事もあり中は広くなっている。
足先にはサンダルのような引っ掛かりを感じ、そこへ足を入れる。
続けて足首、ふくらはぎ、太ももと歩行サポート機器を取り付けると、キングギドラの足と一体となった。

30真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/07(火) 06:39:29 ID:lH/o0U1g
冷却スーツの足は2人共通だが、腕はそれぞれ役割が違うので別れている。

冷却スーツに腕を入れようとしてチーフに止められる。
「マ・ス・ク」
すっかり忘れていた。
確かに腕を通してしまうとマスクは被れない。
サキに目をやるとマスクも被り全身ラバースーツになっていた。

首元に涎掛けのように垂れ下がったマスクを被る。
マスクは後頭部まですっぽりと覆い、襟足が少し出ているだけとなる。
最後にフードを引っ張り上げながら被る。
フードはピッタリしていて、顔の部分だけを残し、頭をすっぽりと覆った。
マスクを被っていなければ、スピードスケートの選手みたいになるだろう。

31真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/08(水) 07:00:53 ID:lH/o0U1g
肌の露出が全くなくなったところで、再度冷却スーツに腕を通す。
顔の部分はサキと共通なので最後となる。

サキも足を通す。
1人の時は余裕があったが、2人になると冷却スーツの下半身はピッタリ。

サキは履きにくそうにしながらも、なんとか歩行サポート機器に足を通した。
足の甲に軽くだがサキの体重がかかる。
サキが足を通す際、お尻を振って調整したのだが、ラバースーツはそれほど厚みがないので、サキの体温が伝わり柔らかいお尻で刺激された俺のアソコは大きくなり始めていた。
そして、大きくなるに連れて俺のアソコは自然とペニスケースへと入り込んで主張を始める。

サキは俺の異変に気にも止めず、冷却スーツに腕を通すと、頭の部分をチーフに被せてもらった。

32真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/09(木) 08:41:10 ID:xZj/.lRw
冷却スーツの頭部を被ると、サキとの距離がグッと縮まった。

冷却スーツはフロントファスナーになっているので、チーフが小さな体で頑張って閉めてくれる。
「キャッ!」サキが小さな悲鳴を上げた。
続けて「セクハラですよ!」とサキ。
「女同士だからちょっとくらいいいじゃない」とチーフ。

俺の位置からはチーフが何をしたか分からなかったが、サキに比べて胸の小さなチーフがした事は検討がついた。

ファスナーが閉まっていくと、サキと接触する面積がどんどん大きくなる。
それに伴い俺のアソコも。
ラバースーツ越しであるが、サキのいい香りがするような気がしてさらにアソコが大きくなるのが加速する。

33真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/10(金) 23:05:28 ID:lH/o0U1g
俺はキングギドラの翼、サキはキングギドラの左右の頭へと腕を通す。
俺の背中でチーフがキングギドラのファスナーを閉め始める。
「早坂、もうちょっと前に詰めて」
「ハイ!」返事はしたもののこれ以上は動けない。
先ほど少し動いただけでもラバースーツ越しの触れ合いが気持ち良くて更に俺のアソコは大きくなっている。

前に詰めない俺に構わずチーフはグイグイ押してくるものだから、2人とも前傾姿勢に。

「チョット、ナオキ!」と叫んだサキから「あぁぁぁ」と小さくだが確かに喘ぎ声が漏れた。
それと同時に俺の行き場を失っていたアソコが綺麗にサキの穴に収まった。
俺のアソコは温もりに包まれ、程よく締め付けられている。
どうやらサキのラバースーツもお股のところが袋状になっていたようだ。

34真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/11(土) 06:59:26 ID:lH/o0U1g
「じゃあ、閉めるわよ」とチーフ。
「え!」
「あっ!」
俺とサキの声を掻き消すようにファスナーが閉められた。

2人とも“ちょっと待って下さい“と言いたかったが、挿入事故の影響で言葉がすぐに出てこなかった。
ファスナーが閉まった事で俺とサキの体は合体したまま、更に密着する事になってしまった。

前傾姿勢からなんとか体を起こす。
キングギドラの首元の覗き穴にチーフが現れると、「じゃあ、取り敢えず、今日の夕方まで試着してみて感想聞かせて」と。

続けて「扉は開けておくから、部屋から自由に出入りして練習してみて、社内には連絡しておくから社外以外なら自由にしてよ」と言うだけ言うと行ってしまった。

35真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/12(日) 09:51:05 ID:2ofplrb.
「チョットどうするの、ナオキ、抜けないの?」
時計を見ると午後1時過ぎ、夕方までかなりある。

こんな形でサキと交わろうとは思っていなかった。
最近ようやく、キスする関係になったぐらいなのに。

体を揺すり引き抜こうと試みる。
しかし、ピッタリ密着していて、サキの中を掻き回すだけ。
「ん、もう、あぁぁぁ」
普段クールなイメージのサキからかなりギャップのある可愛らしい声。
体が触れ合うたびに俺のアソコは更に硬く大きくなる。
そしてサキも言っていることと体は別のようで俺のアソコをギュッと締め付けて離さない。

36真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/13(月) 09:47:33 ID:lH/o0U1g
何度か腰を引いて抜こうとするが、結果は同じ。
引き抜くことは出来ず、細かなピストン運動になってしまう。
その度にサキの必死に堪えた喘ぎ声が聞こえてくる。

もう俺は限界だった。
「ゴメン、サキもう俺、我慢できない」
そう言うと、細かなピストン運動を速くし、サキの奥へと突き刺していく。
サキから拒まれると思ったが意外な言葉が返ってきた。
「ナオキ、きて、もっと!」
俺はサキの言葉に応えるように腰を振り続けた。

「あ、ぁぁぁ、ダメ、ダメ、逝く、逝く、逝っちゃうぅぅぅぅ!」
サキの体がブルッと震えた後、俺も動きを止めた。

着ぐるみの中で、激しい呼吸音だけが響く。
「サキ、大丈夫?」
「ええ、なんとか大丈夫、良かったわよナオキ」
サキはそう言うと、苦しそうに呼吸を続けた。

37真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/14(火) 07:37:42 ID:26n6Ov.6
行為の間、幸い部屋には誰も入ってこなかった。
まあ、ほとんど利用されていないエリアなので当然と言えば当然なのだが。

さあ、一度交わって体温が急激に上昇したが、冷却スーツのお陰で体温は次第に落ち着き始めている。

しかし、サキと接している部分は暑い。
特に俺のアソコは全く冷却されず、勢いは衰えていない。
それにサキの方も締まりがよくガッチリと俺のアソコを掴んで離さない。

「どうしようか?」

38真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/15(水) 07:58:46 ID:Y98AeStc
俺の問いにサキは「このまま夕方解放されるまで、この部屋で待つしかないでしょ」と。

ジッとただ待つだけもということで、キングギドラで移動する練習をする事にした。
だが、これがなかなか大変。
キングギドラが動く度に俺のアソコがサキの中で動く。

部屋の出入口まで辿り着いていないのに、2人とも気持ち良くなり動きを止める。
「ゴメン、サキ、俺」
言葉足らずの俺の言葉に「ええ、分かってる、ナオキ来て」

今度はキングギドラの翼でサキを強く抱きしめる。
ラバースーツでお互い顔が見えない状態だが、顔を擦り付け合う。

39真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/16(木) 07:30:45 ID:Zl5FFfbA
激しく顔を擦り付け合い、交わす事の出来ない唇を求め合う。
そして体を擦り付け合いながら、動きを速めていく。

「ぁぁぁ、ダメェェェェ、また逝ちゃいそう、ぁぁぁあぁぁぁ!」
サキの体がビクッと震えて、力なく前傾姿勢になる。

俺は前傾姿勢になりサキのアソコを突き上げて、フィニッシュ。

「はぁはぁはぁはぁ    」
「ふぅふぅふぅふぅふぅ   」
2人の荒い呼吸がキングギドラの中で繰り返される。

40真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/17(金) 09:36:51 ID:lH/o0U1g
「私、もうダメかも、    」
少しの沈黙の後、「私、ナオキ無しじゃあ、生きていけない」
「俺もだ、サキ」

結局この日は部屋から一歩も出る事が出来ず、何度も何度も交わり2人とも動けなくなった。

気づけば夕方。
キングギドラは床に転がり、ラバースーツの中はお互い自分の体液でグチュグチュになっていた。

2人で相談しチーフへの言い訳は息が合わなかったということにした。
実際は息ピッタリで何度もまじわっていたのだが。

その日の帰り俺とサキは互いを求め合い理性を抑え切れず、ホテルへと直行し2人の愛を確かめ合った。

41真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/18(土) 07:41:09 ID:tlp5qefw
3日後、キングギドラの再トライとなった。
今度はチーフも時間があるのでアテンドをしてくれることになったので、もちろん前回のようにはいかない。

また、俺からラバースーツに着替えて冷却スーツへ。
後からサキが冷却スーツに入ってくる。
前回の教訓もあり、理性を効かせる為、全く関係のないことで頭をいっぱいにして、勃起しないように自分を落ち着けた。

冷却スーツとキングギドラの着ぐるみのファスナーが閉められるとサキと密着するのは変わらない。
理性を効かせているつもりでも、体は正直。
徐々に勃起してくる。

42真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/19(日) 06:51:38 ID:2MrUZWwM
サキに挿入しないまま歩き出すことに成功。
「右、左、右、左」の小さな掛け声の下、キングギドラは動き始めた。
チーフが先導する後について行く。

ただ、歩いているだけでもサキの柔らかいお尻が触れてくるのが堪らない。
歩き出してから程なくして俺のアソコは勃起し、硬く大きくなっていた。

少し行った所に建物の吹き抜けになっている光庭がある。
そこへ来るとチーフが歩みを止めた。
「みんなに見てもらうので、ここで練習しましょう」

吹き抜けは5階まであり、窓があるので5階からでも光庭がよく見える。

「まずは、そうね、早坂、翼を動かして」
そう言われて俺はキングギドラの翼を羽ばたかせる。

43真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/20(月) 07:27:49 ID:XLt.ffzo
「うーん、それじゃ飛べないよ、もっと鳥が羽ばたくのをイメージしてやってみて」
俺は大きく羽を広げて、チーフに風を送るように羽ばたいて見せた。
「そうそう、いい感じ」

光庭で金色の怪獣が大きな翼を羽ばたかせていれば嫌でも目立つ。
ギャラリーが少しずつ集まってきた。
チーフはそんなことはお構いなしに練習を続ける。

「じゃあ、次は直井、自分の首を振りながら、両手のキングギドラの首も動かして見て」
キングギドラの左右の首はジャバラのようになったマジックハンドをサキが操作する。
根元が固定されているので、動きはかなり制限される。
因みに中央の首もジャバラになっていて体を揺する事である程度左右に振ることが出来、サキが頭を縦に振ると口が開閉する仕組みとなっている。

44真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/21(火) 06:10:57 ID:9qa6b/xE
「うーん、感じ出ないなぁ」
チーフは頭を捻っている。
「直井、もっと体を大きく動かせない?」
「早坂も協力して」

もう一度。
今度は体を前傾にしてから、回すようにして体を起こし、キングギドラの頭を動かす。
前傾になった時、俺とサキの間に隙間ができた後、俺はサキに覆い被さる形となった。
勃起したものの大人しく俺の太もも辺りにいたアソコが隙間ができた瞬間に動いた。

意志を持ったように、サキの穴へと飛び込んでいく。
「ぁぁぁ」必死に抑えたようなサキの喘ぎ声が漏れる。
そのまま体を起こすと俺のアソコはサキの中へより深く突き上げた。

45真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/22(水) 10:29:23 ID:lH/o0U1g
「ふぅぅぅぅ」
大きな呼吸でサキは声を上げずに耐えたようだが、体はプルプルと震えている。

「そうそういい感じ」
チーフからお褒めの言葉は頂いたが、先ほどよりギャラリーが増えている中、俺とサキはキングギドラの中でも合体してしまった。

小声でサキに話しかける。
「大丈夫?」
「うん、なんとか」
サキは艶っぽい声で返す。
「とにかく、控え室に戻れるようにしよう」
2人でチーフに控え室に戻れるよう嘆願する。
理由は着ぐるみの中が熱くなってきたから。

炎天下の光庭、チーフにも汗が滲んでいる。
チーフの様子からも戻れると確信していた。
ただ、問題はサキと合体したまま、一回も絶頂を迎えずに控え室まで戻れるかだった。

46真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/23(木) 06:57:41 ID:lH/o0U1g
しかし、チーフから“戻りましょうか“の言葉は引き出せなかった。

理由はギャラリーが増えたこと。
「せっかくだから、もう少しみんなに見てもらいましょう」
そう言うとまた、チーフから指示が飛んだ。
「今度は歩きながら首を振って翼を羽ばたかせてみよう」

ギャラリーが増えて乗ってきたチーフと違い、こちらは多くのギャラリーに晒されながら、着ぐるみの中で行為の途中で必死に抑えている。

俺もサキも理性が飛びそうになりながら、チーフの指示通りに動こうとするが逝かないようにするのが精一杯だった。
そんな中、演技しているので当然キレがない。

チーフからは案の定ダメ出しをされ、まだまだ控え室へ戻れそうになくなってしまった。

47真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/24(金) 11:13:22 ID:O4uO3FMs
「頑張ろう、この状況から抜け出す為に」
サキを元気づける。

チーフの要望通り、翼を羽ばたかせ体を大きく使ってキングギドラは首を振り回す。
動きが大きくなればなるほど、俺のアソコはサキの中で大暴れする。
「んんんぅぅぅぅん」
サキが喘ぎ声を出さず必死に堪えているのが分かると、俺はさらに興奮してきた。
俺にとっては堪らないシチュエーション。
だが、これがまだまだ続くならサキは多分もたないだろう、そして俺もそのうちきっとダメになるだろう。

チーフの反応を見るとサムズアップを見せた後、「きゃあー」とわざとらしく逃げ出した。

“???“

48真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/25(土) 09:30:20 ID:lH/o0U1g
チーフの行動の意味が全く分からない。
逃げていくチーフを目で追う。

その先には “え!ゴジラ!?“
ゴジラは勢いよく回転し、尻尾を振り回す。
その尻尾をヒラリと飛び越えたチーフは建物の中へと消えていった。

ゴジラは勢いよくこちらへ向かってくる。
戦う気が満々であることが、見ただけで伝わってくる。

“どうしよう?“
もうさっきの動きの後サキの体に力が入っていない。
絶頂に達してしまったのかも知れない。
その証拠に抑え切れなくなった喘ぎ声と、体が大きくビクッと痙攣した後、俺に体重が一気にかかって来た。

我慢し過ぎて気を失ってしまったのかも知れない。
そんな俺たちの状況など知る由もなく、ゴジラは勢いよく向かってくる。

49真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/26(日) 07:33:13 ID:R/miFdtA
光庭にゴジラが現れると、歓声が巻き起こる。
それに気を良くしたゴジラは立ち止まりギャラリーに応えた後、再び俺たちに向かってきた。

「サキ、サキ」
名前を呼んでいると目覚めたようで、
「え、なんでゴジラ?チーフは?」
どうやらサキは意識が飛んでいたようだ。

ゴジラが攻撃して来た。
ゴジラの攻撃に耐えるべく踏ん張ると、サキのアソコがギュッと締まる。
そうすると俺のアソコもさらに硬く力強くなり、サキの中へと入っていく。
ゴジラの攻撃を受けるたび、俺もサキも気持ちよくなり、反撃どころか踏ん張りが効かなくなってくる。
サキは気持ち良くなり、みるみる脱力していくのが分かる。

ほんの数回のゴジラの攻撃でキングギドラは耐えきれずに倒されてしまった。

50真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/27(月) 09:49:23 ID:9ePSv.7c
ゴジラがキングギドラを倒したことで、ギャラリーから歓声が湧き起こる。
それに応えるようにゴジラが吠えた。
そして、拍手とともに散っていくギャラリー。

ゴジラも帰っていく。
ゴジラと入れ違いでチーフが大きな着ぐるみ用の台車を持って現れた。

「大丈夫?あんた達?」心配そうなチーフの声。
反撃もせずに倒されたことを心配したのだろうか。
チーフの呼びかけにサキは反応しない。
意識のある俺は「なんとか大丈夫ですが、直井が気を失ったみたいです」と伝えると、チーフは俺とサキを置いたまま、再び何処かへ走っていった。

「まだ、帰れないのか」と俺は呟き意識が遠のいていった。

51真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/28(火) 07:31:34 ID:ZF5zqsdg
気づいた時には控え室でキングギドラ、冷却スーツから上半身だけ出されていた。

チーフは俺たちの体に触れ熱が籠もっていることを確認し、
「あんた達大丈夫?ゴメンね、やり過ぎだようね、それに冷却スーツの改良が必要ね」
と言った。

「ええ、まあ」俺とサキは声を合わせたように答えた。
チーフが前にいるが俺のアソコは変わらずサキの中にいる。
俺のアソコはサキに締め付けられて抜けそうにない。

チーフに早く着ぐるみを脱ぐように言われたらどうしようとドキドキしていたが、幸い仕事があるようで、「後は自分たちで大丈夫よね」と言うと俺たちの返事を聞くことなく出て行ってしまった。

「よかった」ため息にも似た言葉を発した俺は翼から抜かれた両腕でサキを抱きしめたまま仰向けに着ぐるみの上に倒れ込んだ。

52真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/29(水) 11:15:53 ID:lH/o0U1g
ラバースーツに包まれたままなのでお互いの顔は見えないが、体を寄せ合い擦り付け合ってお互いを感じる。

そんなことをしていると、また気持ちよくなってきた。
俺は腰を振りサキの中で呆気なく逝ってしまった。

ただ、その後は理性もなくお互い本能のままにお互いを求め絡み合って力尽きた。

正直、その後の事はあまり覚えていない。

分かっていることは2人とも酷く脱力しながらも、キングギドラから抜け出て着替えを済ませて帰った事は確かだった。

53真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/04/30(木) 12:15:50 ID:lH/o0U1g
チーフの提言通り本番のキングギドラの沿線巡りまでには冷却スーツの改良が行われていた。

俺とサキの間には仕切りとなる冷却スペースが出来てサキと交わることはなくなった。
お陰で勃起してもサキに挿入することはなくなり、しっかりとキングギドラを演じることができ、インパクトのある宣伝が出来た。

相変わらず炎天下や暑い中での宣伝活動を行い、移動中も含めてほぼ着ぐるみから出して貰えなかったことは言うまでもない。

それでも着ぐるみの中ではサキと一緒にいられて、幸せな時間であることに変わりはなかった。

54真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/01(金) 07:18:43 ID:PJX/Jqqs
暑い中でのキングギドラ沿線宣伝活動は大成功に終わった。

ミュージアムでは入口でイベント初日限定でモスラの幼虫が登場。
子供たちが触れるようにと、低い枠の中で着ぐるみモスラの幼虫が動き回るというイベントが開催される。
リハーサルは無しのぶっつけ本番でモスラの幼虫の中に入るのは俺とサキ。


当日、ミュージアムの控え室。
モスラの幼虫着ぐるみはイモムシで、中に冷却スーツもあるが、スーツというよりほぼ寝袋。
その狭い中へサキが仰向けで入る。
続いて俺がまずうつ伏せで入る。
つまり、狭い着ぐるみの中で向かい会った状態。
俺はサキを潰さないように手足をモスラの幼虫の脚に入れて動かす。
一方サキはモスラの幼虫の触覚と目玉を担当、それに尻尾の部分を動かす。

正直、1人でもいいのではと思うが、チーフの指示に素直に従った。

冷却スーツ内に仕切りはないので、俺とサキはラバースーツ越しに触れ合う。
当然のように俺のアソコはサキと触れ合うことで勃起し始める。
冷却スーツが閉じられた時点で、窮屈さから体を少し動かすと俺のアソコはサキの中へと滑り込んだ。
俺が上に乗り、サキが下でほぼ正常位となった。

55真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/02(土) 07:29:29 ID:GI1XJh6s
モスラの幼虫の着ぐるみは真ん中辺りのくびれの部分にファスナーがあり、くびれを一周する形でファスナーが付いていて、ファスナーを閉められと俺とサキは密着して離れられなくなった。

着ぐるみの中では密着と同時に俺のアソコもサキの奥へと入っていく。
サキからは我慢した喘ぎ声が微かに漏れる。
その状態でミュージアムの入口へ台車に載せられて運ばれる。

運ばれている間も段差などの振動で俺もサキもどんどん気持ち良くなっていく。

もう逝ってしまいそうになった時、台車が止まり持ち上げられて降ろされる。

俺の視界に客はいないが、リハーサルとばかりに体を大きく振り腰も振る。
俺はもう我慢出来なくなっていた。
サキから声が漏れないように見えない唇を重ねて俺は動き続け、2人とも逝ってしまった。

56真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/03(日) 09:42:25 ID:uniyiEzE
俺たちを運んできた男性スタッフたちが見ていたようで、「その調子で本番も頼むよ」と言ってきた。

俺たちの行為は、モスラの幼虫の演技に見えるようで、少し安心した。
ぐったりして動かなくなったサキに声をかける。
「大丈夫?」
俺の声に少し遅れて反応するサキ。
「ナオキ、凄く気持ち良かったよ、それに誰かに見られていると興奮するね」と。

「さあ、これからが本番だ、声を漏らさないようにしよう!」
俺の言葉に「ウン」とサキは小さく答えた。



いよいよ、オープンの時間となり周りが賑やかになる。
「モスラだ」
無数の手が触れる感触に合わせて体を動かす。
「わー、動いた」など色々な反応を見せる子供たち。
俺もサキも子供たちに応えるように体を動かすが、それほど間を空けずに何度か逝ってしまった。
逝くたびに休憩し本能のままにサキと交わり続け、閉館の時間を迎えた。

57真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/04(月) 13:37:44 ID:lH/o0U1g
気づくと辺りが静かになり、意識を失っていた俺たちは揺すられて目覚めた。

「今から着ぐるみ開けるね」
チーフではなく男性の声。
モスラの幼虫の着ぐるみが開けられると、サキとの密着度が少しマシになり、元気がなくなり小さくなったアソコをサキから引き抜く。
冷却スーツを開けられると一気に自由となりゆっくりと体を起こす。
そのまま外へ出てサキを起こし、ぐったりとしたサキを引き出した。

ラバースーツのマスクを脱いだ俺とサキに
「お疲れ様」
と声をかけてくれたのは最近入社したチーフの知り合いという男性。

「今日も2人だったんだね」
俺とサキは顔を見合わせる。
「そうだった話すのは初めてだったね、私は山形ナオヤ」
と自己紹介してくれた。
「早坂ナオキです」
「直井サキです」
と俺たちも自己紹介をした。

58真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/05(火) 12:21:55 ID:lH/o0U1g
「この間はすまなかったね、キングギドラを倒したゴジラ、私だったんだよ」
と申し訳なさそうに頭を掻く。
「あまりにギャラリーが多くて、つい調子に乗ってしまってすまなかった」と謝罪してくれた。

こちらとしては、到底控え室に歩いて戻れそうになかったので、倒されて好都合であったのだが。

その事を見透かしたように山形は続ける。
「2人で入る着ぐるみどうだった?」と。
着ぐるみの中でのことがバレていたのかと、2人とも一気に顔が赤くなる。

「君たち分かりやすいねぇ、俺もアズサと入ってみたいよ」とにやけ顔。
そして、俺たちが付き合っていることも知った上で2人で操演する着ぐるみに入れたのがチーフの策略であることも山形さんから教えられた。

59真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/06(水) 07:42:56 ID:/ywxesGQ
「ところでチーフは?」俺の質問に、山形さんは何かを思い出したように『あっ!』という表情をすると、柱の方へ走って行き、ボタンを操作した。

『ウィーン』と機械的な音がして頭上から何かが降りてきた。
「あ、モスラだ」
成虫のモスラが規則的に羽ばたきながらゆっくりと降りてくる。
羽根は大きいが本体は小さい。

そう言えば、着ぐるみの中で消え去りそうな意識の中、遠くで子供が「モスラが飛んでる」と言っていたのを思い出した。

作り物かと思ったが地面近くになっても降下が止まらないことに焦ったようにバタバタと速く羽ばたきを繰り返すモスラ。

モスラは着ぐるみで中身は小さなあの人、新地アズサ チーフ。

「チーフも今回、君たちの頑張りを見ていて着ぐるみに入ろうと思ったらしいよ」と戻ってきた山形さんが言った。

60真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/07(木) 07:49:40 ID:BcUPcnAA
俺たちの膝の辺りで吊られたままのチーフ。
「山形さん、すみませんが少し外してもらってもいいですか?チーフに聞きたいことがあるので」

山形さんは笑顔で頷くと俺たちから離れていった。
「チーフ!」
俺の声でチーフは俺にお尻を向けるように方向転換して羽ばたくが、進む訳がない。

モスラの青い眼球から覗き込むと黒い頭が見える。
「チーフ、俺とサキがラバースーツを着て着ぐるみの中で密着すればどうなるか分かってて、ワザと仕組んだんですか?」

チーフは答える事なく、バタバタと羽ばたかせ逃げようとする。

「白状するまで、こうしますよ」
俺はモスラを回しながら大きく振った。
モスラはクルクルと回転しながら、俺の前を前後に振り子のように揺れる。

「ゴメン、早坂、もう止めて、白状するから」
くぐもった声がモスラの中からする。

61真夏のゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/08(金) 10:53:55 ID:lH/o0U1g
モスラの揺れを止めてハーネスを外す。
「取り敢えず脱がせて!」
バタバタと床をのたうち回るモスラ。

それを見て山形さんがやって来た。
山形さんがモスラの着ぐるみを開けると、ラバースーツに覆われたチーフが出て来た。
ラバースーツと一体となったマスクを外すと顔を真っ赤にしたチーフが出てきた。
「キツイわね、久しぶりだと」そう言って額の汗を拭う。

この汗は着ぐるみの暑さでなく、俺からの追及によるものだと分かる。
着ぐるみから出てきても汗が止まっていない。

そして、俺に黙っていた事を話し出した。

サキがゴジラに入ったのは俺と一緒にいたかったから。
そして、付き合い始めてから、チーフに俺と一緒に着ぐるみに入りたいと希望したのもサキ。
ただ、着ぐるみの中で気持ち良くなれるようにラバースーツを細工したのはチーフだったということ。
ゴジラのイベントの時から既に仕組まれていた事を今知ることになった。

サキはチーフが話している間、終始黙っていた。
そう言えば、サキがチーフを責めることもなかったのは自分も関わっていたから。

知らなかったのは、俺だけだったことに若干のショックは受けたものの、サキとの関係はより濃密なものになり、俺にとってはデメリットはないのでヨシとした。

今回のことでチーフに認められた俺はどんなキャラクターでもスーツアクターとして頑張っている。


おしまい

62名無しの作家さん:2020/05/09(土) 15:00:20 ID:chgwLnvE
ありがとうございました
まだまだ読んでみたいという気持ちなのですが続きはもうないのでしょうか?

63まなつのゴジラ2 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/09(土) 22:54:33 ID:lH/o0U1g
読んで頂きありがとうございます。
そうですね。
今、いろいろ着手しているので、それが終われば考えてみます。

どんなものが好みとかあれば参考にさせて頂きたいので、アドバイス頂けると助かります。

64名無しの作家さん:2020/05/11(月) 10:36:22 ID:chgwLnvE
デ〇〇ニーのふかもこキャラの中で暑さと酸欠で苦しむ女の子の話お願いします


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