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【伝奇】東京ブリーチャーズ・玖【TRPG】

404多甫 祈 ◆MJjxToab/g:2021/05/20(木) 23:54:20
>「貴様さえ!貴様さえいなければ!!
>私は既に勝っていた!私の計画を妨げる者など、どこにも存在しないはずだった!
>この絶対神に抗えるものなど、この地球上にはいないはずだったのだ!!」

 アンテクリスト、否。
神獣を喰らって完全体へと進化したアンテクリスト・ペルフェクトゥスが、怒りも露わに吠える。
 そして多大な圧を放ちながら、祈へと突進する。
――振り上げられる右拳。

>「なぜだ!?貴様はなぜそこにいる!!
>なぜ、私が計画を成就させる――このタイミングでこの世に生まれ落ちた!?
>あと数百年早ければ!若しくは遅ければ!
>貴様如きが我が深謀遠慮の障害となることはなかったというのに!!
>なぜだ!なぜだ――――――
>多甫祈ィィィィィィィィィィィ!!!!!!」

 レディベアから手を放し、風火輪の炎を噴かせて空中に飛び出しながら、
祈もまた右拳を繰り出した。
 空中で激突した二人の右拳が、
ミサイルの爆発を彷彿させる轟音を奏で、大気を震わせる。
それは、究極の強化状態にある二人にしか鳴らせない、
世界の命運を左右する最終ラウンドのゴングだった。

「そいつはあたしの知ったこっちゃねぇな!
これが偶然でもなけりゃ、地球か人類の意思だとでも思っとけよ!!」

 アンテクリストの、憎しみや怒りと共に吐き出された問い。
それに対する答えを祈は持ち合わせていない。
だが、祈が適当に述べたその答えは、あながち間違いともいえないだろう。
 なにせ、アンテクリストやベリアル、赤マントと呼ばれる、その悪逆を是とする存在は。
あまりにも人類に血を流させ過ぎている。
 闇に潜み、不幸を振り撒き、嘆きを嗤う邪悪。
その打倒を、憤怒や絶望や悲しみや無念や恐怖や虚ろの最中、多くの人が願っただろう。
 星に降り積もったその願いが結実したのであれば。
結実した『そうあれかし』が、祈を、ベリアルという病原菌を取り除くための白血球として。
即ち、『対アンテクリスト戦用の漂白者』として選出したのであれば。

 とはいえ――。
拮抗しているかに見えた、アンテクリストとの拳のぶつかり合い。
負けたのは、祈の方だった。
 祈の右拳が砕ける。衝撃の余波で腕が拉げ、宙に血の花が咲く。

(っ痛――! くそ!)

 痛みに顔をしかめる祈。
しかし、祈に後退はない。右拳を失ったなら左拳を叩き込むだけのこと。
元より、憎悪と憤怒でギラギラと燃えるアンテクリストの眼は、祈を捉えて離さない。
逃がすつもりはないとその眼が言っている。


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