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【伝奇】東京ブリーチャーズ・陸【TRPG】
301
:
尾弐 黒雄
◆pNqNUIlvYE
:2018/10/23(火) 23:43:40
・・・・・
祈と颯の邂逅。母子の再会の一幕を、離れたビルの屋上から見守る影が一つあった。
黒いスーツに黒ネクタイ。喪服を着こんだ大男、尾弐黒雄。
珍しくも口元に笑みを浮かべている尾弐であるが、何故この男が颯が家に帰っているのかといえば――――何の事は無い。
前日に目覚めた颯が病院から抜け出した際に、彼女を祈の家にまで車で運んで行ったのが尾弐だからである。
尾弐は颯が入院している間、ずっと不眠不休で病院を監視しており、それにより颯の動向に気付く事が出来たのだ。
尚、その際に二、三の会話は有ったのだがそれについては割愛する。
「祈の嬢ちゃん、颯、良かったなァ……」
暫く二人の姿を見ていた尾弐であったが、屋上の手すりに凭れ掛かるようにして、腰を地に付け大きく息を吐く。
そして、己の手で目を覆うと、吐き出すように小さな声で呟く。
それはまるで、死ぬ寸前の人間のような姿であり……事実、尾弐の体は深刻な状態であった。
御前による処置を受けたとはいえ、酒呑童子などという身の丈に合わない力を行使した事で、尾弐の魂には亀裂が入ってしまっている。
今は、冷たい物や熱い物の違い……いわゆる温度が判らないという程度の障害であるが、この先、症状は悪化の一途を辿るだろう。
それに――――
『――憎――』
己の魂の奥底から沸き上がる声。酒呑童子の憎悪の声。
それが、今回の事件の前と比べて大きくなっている。
尾弐は、自身の末路と果たすべき誓いを思い返しながら、一人目を瞑る。
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