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【伝奇】東京ブリーチャーズ・肆【TRPG】

53ポチ ◇xueb7POxEZTT:2017/10/21(土) 09:02:25
しかしロボは自らの力で踏み止まった。
ならばポチが、彼の最期を、勝者の支えを受けねば立てない弱者にする事は出来ない。
彼の蒼眼が周囲を、ブリーチャーズとシロを見渡す。

>「……いい群れだ……、羨ましい、群れだな……」

「……ああ。僕には、勿体無いくらいさ」

>「オレ様は、守ることしか出来なかった……。守ってやることばかりを考えて、仲間たちの力をまるで信用していなかった……」
>「だが、それではいけなかった……。群れの仲間たちは……みな、守り守られて……支え合って、生きていくもの……だったな……」
>「……気付くのが、ちょいと遅すぎたがよ」

そして……ロボから流れ出る『獣(ベート)』の妖力が、途絶えた。
見上げるほどだった巨躯は萎み、頑強極まる肉体の面影も残っていない。
それでもまだ、狼の王は膝をつかない。ポチから視線を逸らさない。

>「おまえはオレ様の轍を踏むなよ。――女房を守ってやれ、手前の命が尽きる瞬間まで。くれてやったソレは――本来、そのための力だ」

「ええと……その。実はあの子は」

>「オレ様ができなかったことを……おまえが、やるんだ。期待してるぜ、小さな狼王――」

女房どころか、恋仲にもまだなっていない。
そう吐露しようとしたポチの胸を、ロボの右手が強く押した。
不意を突かれたポチは後ろによろめき……ロボもまた、後方へとたたらを踏む。
ロボの突然の行動に、しかしポチは殆ど驚いていなかった。

「……うん、約束するよ。僕は、君とあの子に恥じない狼になる」

代わりに、吐露するはずだった言葉を飲み込んで、そう答えた。
シロとの関係がどんなものであれ、彼女を守る。その事に変わりはない。
最後の最後に嘘をつくようで少しだけ気が引けたが……もう、多くの言葉を交わす時間はない。
ポチには、同じ狼には、それが分かってしまった。
そして、ロボはもう一度ブリーチャーズを見渡した。

>「よくもオレ様を破ったもんだぜ、東京ブリーチャーズ……!褒めてやる!」
>「だがな――オレ様はテメエらの手にはかからねえ。オレ様は狼王ロボ!王には王の死に方ってモンがある!」
>「見な!『ジェヴォーダンの獣』の最期ってヤツをな……!」

ロボが自らの胸に、その爪を突き立てた。
肉を裂き、骨を切り開き、引き抜く。
その手中には……今もなお強く脈打つ心臓があった。

>「オレ様を斃した褒美に、ひとつだけ忠告してやる……東京ブリーチャーズ」
>「本当の敵を見誤るな。今回の東京での、おまえたちとオレ様たちの戦いには……裏で絵図面を引いているヤツがいる」
>「そいつにとっちゃ、オレ様もクリスも単なる兵隊に過ぎねェ。いや、オレ様たちだけじゃない……おまえたちブリーチャーズもだ」
>「オレ様たちが戦い、斃れていくこと……それもすべて、そいつの計算のうち。オレ様たちは都合よく踊らされてるのさ」
>「そいつを見つけ出して叩け。でないと……この戦いは永遠に終わらねえ……!」

「……あぁ、それも引き受けたよ。任せといて。ここんとこ、僕はツイてるみたいだしね。
 あの子にも、君にも、巡り会えた。きっとソイツも見つけ出して……転ばせてやるさ」

>「オレ様に勝ったからって、安心するなよ……。次におまえらが遭うであろうドミネーターズは、オレ様たちの中でも最強のバケモノだ」
>「このオレ様でさえ、ヤツとの戦いは避けたい――なぜならヤツは、オレ様たち化生の天敵だからな……!」
>「とは言っても、激突は免れねえだろう。おまえらの仲間の二、三人は死ぬかもしれねえ。だが……」
>「……負けるなよ。無様は晒すな……おまえらは、この狼王に勝った。次の時代の王者……なんだからな……!!」


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