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SS投下所

54混沌ロワ3:2017/12/29(金) 04:13:06 ID:oUfDjp/Y
「行きましょう、赤松さん。」

二人の問答を静観していたもう一人の同行者、高垣楓が優しく赤松楓へ話しかける。

「高垣さん……」

「あなたは、キーボさんを助けたいと決意を抱きました。ならその決意を無駄にしないために、早く行動に移すべきです。」

それと、と顔のそっくりな兄弟たちに向け、

「復讐を、などと考えるのは自由ですが、あなたが出来る事と出来ない事をきちんと区別をつけるように。」

ぴしゃりと言い切られ、一松は滾らせていた感情を鎮火させた。
トド松も、震える手で持っていたバットを下ろし、悔しそうな顔を浮かべている。

「わかってるよ……体力バカの十四松が殺されるような相手、何の準備も無しに勝てるわけ無いって。」

チョロ松に続き、もう一人の兄を目の前で失ってしまった。自分の無力さに怒りを覚え、復讐心が湧いてしまった。
高垣楓の言葉で頭を冷やし、同じく成すべきことを見定めたトド松が、手を差し伸べる。

「行こう赤松ちゃん。僕たちもキーボを助けたいと思ってる。あいつには沢山励ましてもらったからね。その恩を言うまで死んだら困るよ。」

伸ばされた手を少しの間見つめ、がっしりと力強く握り立ち上がる。
その傍でタマと融合した一松も、言葉は判らないままだが、ぴったりと寄り添った。


* 彼らの心が 仲間を助ける 決意で みなぎった!


「じゃあ、行ってきます!絶対に死なないでね!Sansさんに用意している鎮魂曲はないんだから!」

赤松たちがキーボとモモンガの戦う場所へ向かって駆け出す。
全員が一つの決意で繋がった。これで少なくとも道を違えることはないだろう。
Sansは少し羨ましく思いながら、一人、見送り届けている高垣楓にもそれとなく避難を促した。
彼女もSansに任せることに決めていたようで、赤松たちの言った方角へ走り出そうとしている。

「Sansさん…私も赤松さん達が無茶をしないように見ています。だから、あなたも。」

「わかってるさ。俺が不可能なことに命を懸けるように見えるのか?」

「ええ、とっても。」

即答をされ、珍しく驚いた顔を見せるSans。
俺はそんなに信用がなかったか?と自問する。

「heh...安心しな、Kaede。俺は死ぬつもりはない。ちゃんと勝算を持っているさ。すごく疲れるからやりたくないんだがな。」

安心させるために勝算はあることを伝える。実際Sansはこの戦いで負けるつもりはないからこそここに残ると決めたのだ。
高垣楓はSansの顔をじっと見つめ…嘘を吐いている訳では無いことを認めると、走り去っていく赤松の背中を追った。


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