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SS投下所

26漫画ロワ:2016/09/30(金) 10:32:44 ID:zPSDS/7U


 *  *  *  *  *  *




もともと小さかった背中が、僕のいる公園から逃げ去ることによって更に小さくなっていく。

あの子は僕を「うそつき」と評した。多分、例によって集団を利用した情報ネットワークのおかげだろう。
僕がこの会場においてやらかしたことも聞き及んでいたに違いない。
いつも通り悪魔を呼んで戦わせたり盾にしたり城を作らせたりしようと思ったけど、魔法陣は反応せず、一方的にボコられて逃げ出したあの時。
なにも知らないヤツからすれば、僕は知性の足りない馬鹿か、ありもしない力を見せびらかしてハッタリをかます詐欺師に映っただろう。

あの子は、僕に対する判断に間違いが2つある。

1つ目の間違いは、僕が「召喚師」ではないと思っていること。

異常な身体能力や魔法みたいな不思議な力を持ってる輩がぞろぞろいるこの殺し合いでは、おそらくそういった力に制限がかけられている。
超人のワンマンゲームを防ぐためって理由もあるんだろう。超人はいつもと調子が合わないまま戦わざるを得ないって訳だ。
でも、僕が聞いた限りではあの子は無能力者。……あの子をそう分類していいかはわからないけど、ただの一般人だ。

もともと持っている力を制限されて使えなくなってる、なんて想像もできないんじゃないか。

仮に僕みたいに不思議な力を持っているのなら、彼女も制限のことに気づいていただろう。
そこが一般人との違いだ。もともと出来たことがいきなり出来なくなるなんて、実際に経験しないとわからないよ。
……だからこそあの時、僕は無様な醜態をさらしてしまったわけだけど。

そして2つ目の間違いは―――



「……悪いな、左門さん……。協力とか言いながら、力を借りっぱなしで。」

ちゃんとこの場所に「いい話」を持ってきていたということだ。

……但し彼にとって、だけどね。


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