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SS投下所

102ピカレスク:2024/02/20(火) 20:19:35 ID:eitrr3cU
「大分休めたからな、動くのに問題ない」
「そうか。なら――」
「けどお前は違うだろ」

そろろそろ行くぞ、そう続けるつもりの言葉は遮られる。
見上げる姿は幼い少女が必死に大人へ追い付こうとしているようで、微笑ましいもの。
自分の腰の辺りまでしかない身長のケイトと、視線がかち合う。

「…傷は放って置いても治る。動けなくなる程の消耗もない。ここに留まる理由は無い筈だが」
「体のことを言ってるんじゃない。それなら私だってピンピンしてるからな!」

えっへんと無い胸を張る様子は、見た目通りの子供らしさ。
なれど適当にあしらえない。
じっと見つめる真紅の瞳がゼロを捉えて離さない。

「お前とあのロボットがどういう関係か、話したくないなら私も深くは聞かん。部下のプライベートに気を遣うのも首領の義務だ」
「勝手に部下にするな」
「むっ、強情な奴!…それはともかく、お前とロボットの操縦者に何があったか話す気が無いならそれで良い」

でも、と一拍置いてストレートに言う。

「別れを悲しむ時間は、誰にだって必要だ」
「…………」

咄嗟に返す言葉が思い付かない。
何を言われたのかは分かる、だけどそれにどう反応すべきかが分からなかった。
悲しむとは、自分が殺した友の死をか。
思うところが全く無い、という訳ではない。
だが友や妹との敵対は覚悟の上で、魔王の使命をC.C.から引き継いだ。
たとえ違う世界のスザクだろうと、殺した事に後悔はない。


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