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SS投下所

101ピカレスク:2024/02/20(火) 20:18:37 ID:eitrr3cU
◆◆◆


終わった。
戻って来るなり簡潔に言った男へ、星宮ケイトは暫し返す言葉に詰まった。

斑模様の長髪男との戦闘後、一人民家で待つこと数十分。
永遠を生きるケイトにとっては瞬きの間に等しい筈が、妙に長く感じられた。
そうして玄関ドアを乱暴に開け戻った男は、出て行った時と何ら変わらない。
負傷こそ見られるも致命傷まではいかず、仮面をこっちに向ける。

「勝った、のか?」
「そうなるな」

戸惑いがちに聞けば、淡々とした声色が返て来る。
付近で暴れている白いロボットが、ゼロにとって縁の深い者だとは薄々察していた。
だから一人で決着を付けるという申し出にも悩んだ末に頷き、自分はここに残った。
長髪男相手に受けた傷を癒す目的も、あるにはあったが。

「お前の方は何か……聞くまでも無いか」

民家の中は綺麗なものだ。
争いは勿論、訪問者の一人も現れなかったのだろう。
尤もそんじょそこらの相手程度、容易く返り討ちにできる力の持ち主だとはゼロも理解している。
とにかく自分の方は片が付き、彼女の方も問題無い。
それならさっさと移動するべきだと、彼女を促す。


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